最強のラテン音楽を求めて|現象としてのプロジェクト・ウノ編|Liner-note
(煽り)知ってる? プロジェクト・ウノってすごいんだって! 彼らのサウンドはエネルギッシュで、心を踊らせるリズムに満ちてるよ。
これはいつだったかプロジェクト・ウノが沖縄公演したときにラテン・バーのマスターに頼まれて書いたフライヤーの文面。
Proyecto Unoはドミニカ系アメリカ人のボーカルグループ。メレンゲとテクノ、ヒップホップ/ラップ、ハウス、ダンスホールを融合させた音楽スタイルで、1989年にマンハッタンで始動し、翌年にアルバム『Todo el Mundo!』でデビューした。2枚目のシングル「Brinca」で、彼らは米国とラ米の両方で地位を確立する。
「El Tiburón」もいいけど、アルバム『New Era』からのシングルカット「Latinos」を聞いてもらおう。
プロジェクト・ウノが革命的だったのは、メレンゲに他の音楽ジャンルをサンプリングして新たなサウンドを生み出すクリエイティブさだった。それは後続のアーティストたちに、独自の音楽的アイデンティティをつかみとる機会を提供した。
彼らのフォロワーたちを紹介する。
まずサンディ&パポ/Sandy & Papoだ。
プロジェクト・ウノのオーディションにも参加したくらいの直系。ドミニカ共和国出身の音楽ユニットで、1990年代のシーンで国際的な成功を収めた。
メレンゲやヒップホップ、ハウスなどの要素を巧みに融合させたダンスフロア向けの楽曲が得意で、「Mueve Mueve」(Reel 2 Realの「I Like to Move It」が元ネタ)が代表曲の筆頭。
でもここでは「La Hora de Bailar」をセレクトしちゃおう。
次は大好きなイレガレス/Ilegales。真ん中のウラジミールが生え際をきっちり刈り揃えてて、それが意外に好青年っぽくっていいね。
これまたドミニカ共和国出身で、1993年に設立、1995年にアルバムリリース。メレンハウスと言えど、どちらかというとメレンゲ寄りのダンスナンバーをスマッシュヒットさせており、「El Taqui Taqui」「Fiesta Caliente」「Baila」「Como Un Trueno」なんかの初期の作品がお気に入り。
貼るのは「La Ladrona」というポップス系の曲。似た曲ばかりじゃ読者のみなさんも飽きるだろうし。懐が深いのが長生きの秘訣だね。
最後はフラニート/Fulanitoというドミニカ系ニューヨーク育ちのグループ。
彼らの特徴は、さらにバチャータを組み合わせているところで、全般的にアコーディオンが激しめ(前も書いたように古いバチャータのペリコ・リピアオ/Perico Ripiaoだね)。
最初のアルバム『El Hombre Mas Famoso De La Tierra』では、ヒット曲の「Guallando」「El Cepillo」「Merecumbiaso」を生んだ。2007年のラスト・アルバム『Vacanería!』では、「Ajena」でプロジェクト・ウノのボーカルだったマジック・ファンをフィーチャーしている。
YouTubeはサード・アルバム『Americanizado』から「Pecho A Pechuga」をピックアップ。
イレガレスやフラニートもレゲトン風トラックをてがけているが、僕はこのレゲトンってやつが嫌いでね〜。プロジェクト・ウノからレゲトンに行きつく流れは、いやもう「そりゃそうだ」なんだけど、そこまではコミットできないんだな〜。好みじゃないんです!