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最強のラテン音楽を求めて|ニーチェ先輩に追いつき追いこせ編|Liner-note

父さん母さん、コロンビアサルサを乱発する不幸をお許しください。


いつか書くだろうなと予想はしてたんだが、今日7月20日「コロンビア独立記念日」のタイミングで記事をリリースする。

えっ、もう9月だって!?
な~に〜、やっちまったなぁ。

いえね、最近ほんと老眼が進行して小さい字は読めないのよ。1とか7とか9とか言われてもようわからん。ホンマ堪忍やで〜

で、その記事というのがグルーポ・ニーチェと同時代を生きたバンド特集なのだ。こう書くと読者の期待が爆上がりしそうだが、グアヤカン以外はそこまでパッとしなかったんじゃないかな。曲もハードなものは少なく、ミディアムテンポのくせのないサルサが主流。羊頭狗肉でホンマ堪忍やで〜

オルケスタ・グアヤカン/Orquesta Guayacan

このバンドの創始者アレクシス・ロサーノはニーチェOB。同郷キブド出身のハイロ・バレーラと一緒にニーチェを立ち上げ(10歳ほどロサーノが若い)、1983年まで編曲などで活動した。1985年に1stをリリースして以降、作曲家ニノ・カイセドがロサーノを支え続けた。二人の音づくりはポップさと伝統重視を両立したまさに職人技の「ちょうどよさ」だった。

ニーチェと並び称される古株グループなので、まあまあヒット曲はある。ミディアム調サルサ、私は好きですよ。90年代前半あたりが人気のピークだったんじゃないかな。1991年の『Sentimental de Punta a Punta』は名盤。多彩なアレンジと楽器編成が楽しめる。

そのアルバムから2曲をセレクト。1曲目はおなじみの「オイガ、ミレ、ベア」。この曲はイントロがなく、”Si huele a caña tabaco y brea”と抒情的な歌い出しからはじまる。タイパ重視のZ世代も喜ぶね(冒頭10秒待ち)。

フェリア・デ・カリを詠った地元色豊かで陽気な歌詞が世界中で愛されており、グローカリズムを先取りした感があるね。ライブで盛り上がっただろうな。リードボーカルはジョン・ロサーノ。前列のトロンボーン奏者がバンマスのほうのロサーノだよね。

①“Oiga, Mire, Vea” 1991年

2曲目は「カダ・ディア・ケ・パサ」。彼らの代表的なバラード系サルサ曲が「Te Amo, Te Extraño」だとしたら、この曲はその裏メニューだ。感情豊かな歌詞と美しいメロディが特徴。

各種のコメント欄を読むと、多くのリスナーがこの詞に共感し、個人的なエピソードと重ね合わせて聴いていることがわかる。音的には、管楽器とパーカッションが巧みに使われている印象を持つ。リード・ボーカルは童顔のハイロ・ルイス。

②“Cada Día Que Pasa” 1991年

グアヤカンを聞くなら、ふつうにベスト盤もいいけど、2013年にリリースされた『25Años, 25Exitos, 25Artistas』もオススメ。いろんなアーティストがグアヤカン演奏をバックに、原曲重視の歌いっぷりをみせてくれてます!


情報がない中堅バンドは、いつものように駆け足で紹介するよ。

グルーポ・クラセ/Grupo Clase

ホルヘとサディのラミレス兄弟がブイブイいわせてつくったクンビア楽団で、80年代末頃から活動を始めた。のちにサルサに宗派替えし、それなりの成功を収める。二人は今はソノラ・マタンセーラ崇拝の異端者アルキミア/Alquimiaのプロデューサーなんだってさ。

「Quiere la Que Tienes」「Un Amor a Mi Medida」「Mi Mejor Momento」などが知られている。ここでは「エジャ・キエレ・サルサ」をどうぞ。

③“Ella Quiere Salsa” 1989年


グルーポ・カネオ/Grupo Caneo

このユニットは1988年に結成。すぐに人気を博し、バランキージャ・カーニバルではコンゴ・デ・オロ賞を、カルタヘナのカリビアン音楽祭ではカラコル・デ・オロ賞を受賞した。「カネオ」という名前の意味が長年謎だったが(「突撃!カネオくん」でないのは確かだ)、どうやらキューバのスラングで「友だち」なんだそう。

1992年のヒット曲「ムヘレス・ディヴィナス」の透きとおった歌声を聞いてちょうだい。この変則イントロには多くの踊り手がとまどったんだろうな。

④“Mujeres Divinas” 1992年


ラ・ミスマ・ヘンテ/La Misma Gente

ハイメ・エナオによって1978年にカリ近郊で設立されたオーケストラ。ハイスクール時代に活動をはじめたらしい。ベネズエラに同名のロックバンドがいるけど間違えないでほしいっすね。

代表曲に「Juanita Ae」「Titicó」「No Hay Carretera」「Perfume de Paris」などがあるが、どれも聴きこんだことがないので語れない。紹介する「クキマン」は、コロンビアのFMラジオをエアチェックしてみつけた懐かしの曲。もし試験に出るとしたら「空気マン」とおぼえよう!

⑤“Cuquiman” 1988年


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