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ベアトップ姿はないけれど…メキシコシティの光の乱反射|Travelogue

人口ベースでの世界一の大都市は、上海やムンバイではなく、メキシコシティだって知ってた? 今日はメキシコ市、現地名シウダ・デ・メヒコ、通称D.F.の記憶をまさぐってみる。最近、吉岡里帆さんらがインスタ投稿して話題になったから便乗しようっと(ちょっと遅いかな?)。

なお、人口データは都市圏の範囲の線引きや統計する機関によって数字が異なるから、ランキング1位っていうのも「ある情報筋によると…」的な注釈付きになる。実際ウィキでは東京都市圏がトップだし。でも、最上位の都市のひとつであることには間違いない。2024年で2250万人だそうだ。

標高2240mの高原に位置し、四方を山に囲まれた盆地で、車の排気ガスや工場からの排煙など汚染された空気が拡散しにくく、大気汚染が深刻なレベルにある。この標高の高さから、北緯19度にしては涼しく、1日の寒暖の差は大きい。

*当時の写真ではありません

さて、そんなD.F.に滞在したのは1993年。青年海外協力隊の任国外旅行としてだった。飛行機で隣り合わせた同い年くらいの青年と会話をしているうちに、「俺んちに泊まっていきなよ」ってことになった。青年の名前はおぼえていないが、バリバリにビジネススーツを着こなすナイスガイだった。

住まいはゲートコミュニティ内にある瀟洒な邸宅で、ホテルよりも立派なゲストルームをあてがわれた。パパもママも物腰柔らかなハイソな感じで、嫌な顔ひとつせず、どこかの馬の骨を招き入れてくれた。これは貧富の差の激しい中南米あるあるなんだけど、富める者は貧しき者に施すべしという心性が働いたみたい。とはいえ、誰でも招待してたら窃盗や傷害にあう可能性が高いお国柄だから、そこには人物の見極めがあるのだろう。僕の場合は日本からきたボランティアっていうことが安心感の決め手だったと思う。

D.F.はかつてのアステカ王国の首都テノチティトランでもあり、南部のソチミルコにはアステカ時代の水路が残っている。住まいは南部の高級住宅街にあったから、翌日は世界遺産のソチミルコに出かけた。

トラヒネラという観光用のボートに乗って、水路を流れるように進む。鳥のさえずりや水の音が心地よく響いている。遠くからマリンバ(木琴)の音も聞こえてくる。水草を敷物のように積み重ねた浮島の上に湖底の泥を盛り土したチナンパと呼ばれる農地も点在している。あわただしかった時間がゆっくりと流れていく。

*当時の写真ではありません

次の日はせっかくの豪邸をお暇し、中心部に向かった。なるほど人の往来が多く、市内交通機関もメトロバスやカミオン、地下鉄、名物のフォルクスワーゲン・ビートルの緑色したタクシーなどさまざま。でも一番便利だったのは、ミクロブスという小型バス。アジアのジープニーやロットゥーなんかを思い出してもらえればいい。料金体系がよくわからないから、周りのお客さんに聞かなきゃならないのも一緒だ。

それでミクロブスを乗り継ぎながら、ソカロ周辺のカテドラル(メトロポリタン大聖堂)、国立宮殿(大統領官邸)、テンプロ・マヨール(テノチティトランの中央神殿)、チャプルテペック城なんかを見学した。

一番行ってみたかったのは、レフォルマ大通り近くにあるアラメダ公園(Alameda Central)――ここはカルロス・カスタネダの第4作『未知の次元』(Tales of Power)で、ドン・ファンが初めてトナールとナワールの話をカスタネダに披露する場所だ。このときカスタネダはトナールが収縮し、空間の瞬間移動を体験する。これはカスタネダの修行の中でもかなり衝撃的な出来事で、ドキドキしながら読んだことを思い出す。なんのことだかサッパリだと思うので、このへんにしとこう。

*当時の写真ではありません

宿泊先は伝説の日本人宿「ペンション・アミーゴ」にした。でも複数の長期滞在者が煙に溺れていて、実害はなかったが、あまりいい印象はない。カラカスで身ぐるみはがされて日本へ帰るとこ、っていう若者と同宿だった。話を聞いて、「ベネズエラこわい」とトラウマになった。

宿の近くだったか忘れたが、街角の屋台のタコスはおいしかった。そこに並んでいるのは巨大な肉の塊。シンプルにトルティーヤに具を挟んだこの料理がここまでうまいのはなぜだろう? 夜風に吹かれながら食べる「タコス・デ・ビリア」もまた格別だった。いろんな種類のサルサが味変してくれるんだよね。

*当時の写真ではありません

ほかに憶えているのは、メキシコ国立人類学博物館かな。午前の割と早い時間に着いたと思うけど、とにかく広くて見るのに時間がかかり、閉館間際まで長居した。それでも全館を回れていないんだよな。数千年の歴史と文化が息づく神聖な場所、メキシコの魂そのものって気がした。

居心地がよかったのは、心地よい風が吹き抜けていた中庭。ここには古代の神殿を模した展示があり、歩き疲れた足を休めつつ、遠目に屋外の展示物を眺めていた。カメラを持った観光客、メモをとる学生、控えめに話す家族連れが織りなす光景に癒やされた。と記憶しているんだけど、違う博物館だったかもしれない。ネット見ても記憶と整合する写真がないからなあ。

追記

上記を生成AIに頼んで歌詞にしてもらうとこうなる。弾き語り仕様かな? キミ、この程度じゃ「沖縄ラフ&ピース専門学校」に入学できないよ。

メキシコシティの空の下、若き日の旅
出会いと別れ、数々のドラマ
ソチミルコの水路、アステカの面影
時の流れに身をまかせ、心静かに

ミクロバスに揺られ、街をゆく
カテドラル、宮殿、歴史の重み
アラメダ公園、カスタネダの幻影
未知の次元、心の奥底へ

ペンション・アミーゴ、様々な物語
タコス、サルサ、忘れじの味
人類学博物館、古代文明の遺産
中庭の風、心に刻む

今回はGemini


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