2024年の島々清しゃ 初代ネーネーズは今でもネーネーズか|Report
民俗をテーマにした観光施設
沖縄県には、伝統的な琉球文化や沖縄の生活様式を体験できる民俗村やテーマパークがいくつかある。
琉球村
沖縄本島中部の恩納村にある。伝統的な赤瓦の家屋が移築・再現されており、三線やエイサーなどの沖縄伝統芸能のショーや工芸体験なども楽しめる。
おきなわワールド 文化王国・玉泉洞
沖縄本島南部の南城市にある。同じく伝統的な家並みやさまざまな歴史文化体験ができるテーマパーク。敷地内には沖縄の自然が豊かな鍾乳洞「玉泉洞」もある。
石垣やいま村
石垣市名蔵にある。八重山の伝統的な民家が再現されていて、昔の暮らしぶりや伝統的な八重山の文化を感じることができる。
こうしたテーマパークは、〈シマ〉と呼ばれた沖縄の集落をビジュアルに再現しているが、実際に人が生活している各地の集落を訪れてみると、このような典型的な風景を見出すことは難しいことに気づくだろう。かつての集落にはどういう特徴があったのか、事情に詳しい具志堅ニーニーと平仲ニーニーに聞いてみた。
集落の空間構造
具:沖縄の集落は、家屋がまとまっている集居形態が基本なんだよ。古琉球に成立して全体の4分の3を占める古村は、そのほとんどが集居集落なのさ。
平:〈腰当森〉といわれる丘林を背にして、日当たりのよい南側斜面に沿って家々が展開するのが、沖縄の集落配置の典型とされているね。
具:腰当森には〈御嶽〉があることが多いね。これは、かつて村落祭祀が行われたところで、民間信仰上の聖地といえるね。腰当の意味は、「御嶽の神に抱かれ、何ら不安も感ぜずに拠りかかっている状態」を指しているんだ。
平:〈根屋〉とか〈宗家〉と呼ばれる村の旧家群は、集落の上位(主に北側)にあって、そこから分家した家々が下位(主に南側)に広がるのがかつての空間秩序だったよね。でも戦後に地域の人口が増えてくると、宅地が不足して、分家が旧家群と並んだり従来の居住域の外側に建てられるようになっているね。
具:昔は前(メー)後(クシ)や上(イー)下(シチャ、シム)のような集落内の地域区分があったけど、集落内を交通量の多い幹線が横切ることで、住民生活までもが分断されて、道路の向こう側/こちら側という新たな地域意識が芽生えることもあるみたいだね。
平:そういえば、東(アガリ)西(イリ)の地域区分もあるよね。でもこれは、綱引きのような対抗型の村落祭祀のときにしか意識されなかったって言われるね。
新村や屋取集落
具:1782年に三司官に任命された蔡温は、福建省で風水を学び、集落の新設や移動、河川改修、山林の造成や植栽、治山治水などを政策として実施したんだ。また、土地が疲弊するとの理由から地割制の廃止を進めた一方で、碁盤目状の宅地割を持つ新村や計画移住村を奨励した。明確な検証は難しいけど、蔡温が行った施策は今日の集落景観にその名残を留めているとみていいと思うよ。
平:太平洋戦争の頃、米軍が撮った航空写真を見ると、フクギなど屋敷林が生い茂っていて緑の塊みたいだね。
具:一方で、後年、琉球王府の財政再建や貧窮士族の就農措置のために奨励された〈屋取〉では、その多くが散村形態なんだ。
平:いまは宅地開発が広がって、居住域の境界がわかりにくくなったね。それに伴って、集落の境界を示す建造物が撤去されたり、シマクサラシのような集落から災厄を追い払う祭祀が廃れたりしているな。
集落内のミチ
具:集落内の道路はどうだったかというと、集落の上下方向を縦につなぐ道と、それに交叉する道が基本だね。後者のうち集落の中央付近にある、比較的道幅の広いものを〈ナカミチ〉と呼ぶことがある。
平:人が通れるくらいの幅の細い〈スージ〉があったり、祭祀のときにしか用いない〈カミミチ〉が残る集落もあるよね。
具:たとえ碁盤目状の集落であっても、道は直線ではなく、非常にゆるやかな曲線だった。交差点でも微妙に食い違わせて、クランクのように仕立てるかぎ状路が多くみられたね。
平:ヤナムンやマジムンはまっすぐにしか進めないから、こうすることで邪気除けにしてたんだね。
具:それだけじゃなくて、台風や冬の北風を和らげたり、夏の南風の流れを導いたりという意味もあったと思うよ。でも、アスファルト舗装されるときに直線的に改修されてしまったんだよ。
平:そうそう、かつては白砂やサンゴ片等を敷いた砂利道だったけど、いまはほぼアスファルト舗装されてしまったね。スージもだいぶなくなった。景観的な画一化だといえるよ。
具:電柱・電線、排水溝、路上駐車なんかも、集落景観上のマイナス要素だね。特に、集落道では比較的交通量が少ないためか、路駐が多いよね。道に沿って赤瓦の民家やフクギの並木、石垣などの景観資源が連続しているシークエンスは美しかったけどね。
平:屋敷の隅を切ってつくられた八角形の十字路がときどきあるよね。あれは沖縄的なのかな? でも、ブロック塀と電柱だけで無機質で、デットスペース化している気がするね。
大丈夫、沖縄では60歳までは子どもで、90歳まで「ネーネー」と呼んでいいという夜の条例があるはず〜! ね、宮良先生(ネーネーズ映像なかった)
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