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ちい散歩オマージュ 朝日のあたる海岸を歩く(前編)|Works

地井武男ちいたけおは、1942年に海に近い町で8人兄弟の末っ子として生まれました。テレビ番組「ちい散歩」では、町の人々と交流する気さくで親しみやすいキャラクターが視聴者の心をつかみました。この番組は私のバイブルです。

というのは大げさだが、数々の芸能人ぶらり旅系の番組の中では、けっこう好きだったな。そんな地井さんに敬意を表して、パクリオマージュの旅歩きを企画したので、ひとつご一読あれ(テイストは違うかも)。

あ、新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


ちいさんオープニング
「みなさ〜ん、最近歩いてますか? 散歩っていいですよ。今日の散歩は沖縄県は南城市、新原みーばるです。湧き水や沖縄にはめずらしい稲作の歴史が深い場所なんだそうです。さっそく歩きながら、地元の方にいろいろお話を聞いてみましょう」

◆新原の歴史とビーチの魅力

(ちいさん、畑で地元の男性に出会う)

ちいさん 「こんにちは。新原の方ですか?」

地元の男性(嘉手苅さん) 「はい、そうです。生まれも育ちもここ新原ですよ」

ちいさん 「いいですねぇ。こういうのどかな場所で生まれ育つなんて。新原にはどんな魅力があるんですか?」

嘉手苅さん 「新原は、昔は『百名ひゃくな2区』と呼ばれていたんですけど、1922年に独立して今の名前になったんですよ。夏は新原ビーチが観光客でにぎわいますね」

ちいさん 「この海ほんとにきれいですねぇ。泳ぐのが気持ちよさそう!」

嘉手苅さん 「そうですね。沖縄の子どもたちも夏休みになるとよく遊びに来ていますよ」

◆受水走水を訪ねる

(嘉手苅さんと一緒に畦道を進んでいく)

ちいさん 「ここが受水走水うきんじゅはいんじゅという場所ですね。どんなところなんですか?」

受水走水

嘉手苅さん 「ここは湧き水が豊富な場所で、昔はこの水で田んぼを潤していました。上流の『受水』では湧き出た水を受け止めて、下流の『走水』では水が勢いよく流れていくんです」

ちいさん 「自然の恵みそのものですねぇ。」

嘉手苅さん 「はい。周りにある御穂田みふーだ親田うぇーだっていう田んぼは、この水のおかげで稲作ができたんです。このあたりが琉球の稲作発祥の地とも言われていますよ」

(湧き水に手を浸してみるちいさん)

ちいさん 「おお、冷たい!きれいな水ですねぇ」

◆親田御願の話を聞く

(畦道にたたずむ二人)

ちいさん 親田御願うぇーだぬうがんっていう田植えの儀式があるって聞いたんですが?」

親田

嘉手苅さん 「旧暦1月の最初の丑の日に、仲村渠なかんだかりの人たちがここで田植えの儀式をします。昔から伝わる行事で、米地めーじや受水走水、親田の拝所を回りながら祈りを捧げるんです」

ちいさん 「田植えもただの農作業じゃなくて、神聖な儀式なんですねぇ」

嘉手苅さん 「そうなんです。この儀式が終わると『ほかの田んぼも田植えを始めていい』っていう合図になるんです」

ちいさん 「なるほど。地域全体で稲作を支えてきたんですね」

◆祝毛での祈り

祝毛ユーエーモーに到着)

ちいさん 「ここが祝毛ですね」

嘉手苅さん 「はい。親田御願の後にノロという司祭者たちがここに来て、四方に向かって何度も祈りを捧げます。祈りの最後には『天親田のクェーナ』という神歌を歌いますよ」

ちいさん 「神歌ですか。それは聞いてみたいですねぇ。」

嘉手苅さん 「残念ながら今日は儀式の日じゃないのでお見せできませんが、この神歌には稲の伝承や神様への感謝が込められているんです」

◆稲作の伝説とアマミキヨの話

(少し休憩しながら、アマミキヨの話を聞く)

ちいさん 「琉球の稲作の起源にはいろいろな伝説があるって聞きましたけど?」

嘉手苅さん 「そうですね。創世神アマミキヨがニライカナイから稲の種を持ってきて、この地に植えたっていう話や、鶴が中国から稲穂をくわえてきたっていう話があります」

ちいさん 「そのアマミキヨが百名の浜に上陸したっていう話もありますよね?」

ヤハラヅカサ

嘉手苅さん 「はい。アマミキヨは久高島から百名に上陸して、その後、仲村渠の『ミントングスク』という場所に住み着いたと言われています」

ちいさん 「伝説が生きている土地なんですねぇ」

ちいさんエンディング
「今日は新原を歩いて、地元の方にいろいろ教えていただきました。歴史や自然、それに伝説がたくさん詰まった素敵な場所でした。こういうところをのんびり歩いていると、ほんとに癒されますねぇ」


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