津堅島の家の名前#1 屋号を解体する|Studies
本論は屋号研究である。手続きとして、まず最初に屋号の言語構成の分類とその各要素についてみたあと、屋号とそれを用いる人々の思考様式との連関を論じたいと思う。
研究題材の説明
津堅は中頭郡勝連町(1990年当時)に属する島であり、世帯数240余りの字行政区である。百数十にも及ぶ屋号(ヤーンナー)――近年分家した家の多くには屋号は付けられていないため、世帯数よりは減少する――をここですべて列挙するわけにはいかないので、比較的大規模な二つの門中(簡単にいえば父系出自集合体のこと)