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#146日々是=^_^=日 烏の愛情

先日、帰り道、横断歩道で信号待ちをしていたら、頭上で烏が大騒ぎをして飛び回っていた。

声からすると、「ハシブトガラス」。

この辺りには、ハシブトガラスとハシボソガラスが生息している。

簡単な見分け方は、鳴き声。
ハシブトガラスは、名前のとおり、くちばしが太く、「カーカー」ときれいな声で鳴く。
ハシボソガラスは、名前のとおり、くちばしが細く、「ガー」「グエー」とか、しわがれた声で鳴く。

今の時期、烏は子育ての真っ最中。
烏どうしで追い回していたので、きっと、何かあったのだろう。

この大騒ぎの声を聞いて、20年程前の今頃の出来事を思い出した。


ある日の早朝、烏が大騒ぎをしている声で目が覚めた。

なんだ、なんだ、と、庭をのぞいてみると、庭に、三羽の烏。
文字通り「三羽烏( *´艸`)」(三羽さん、スミマセン)

庭の植え込みに1羽、木の上に2羽。

私がのぞいたことで、騒ぎはさらに大きくなった。

よく見ると、庭にいる1羽は飛べないようだ。
羽をばたつかせているが、飛び上がることができない。

巣立ち前の「ヒナ」だ。

木の上にいる2羽は、親鳥だ。

ヒナといっても、体の大きさはほとんど親鳥と同じである。
巣立ち寸前で巣から落ちてしまったのだろう。

いるよねー、こういうマヌケな子ども。

大騒ぎしている親鳥の烏語を翻訳すると…
「早く、飛べ!上がって来い!」
パタパタ~、って、こうすれば飛べるわよ!」
「お前なら、できる!がんばれ!」
「ほら、人間が見てるわよ!頑張んなさい!!」

といったところだろうか。

夫と笑っていたが、このうるささは、尋常じゃない。
早朝から、近所迷惑甚だしい。

そこで私たちは、烏の子救出作戦を決行することにした。

手頃な段ボールを準備。
それに烏の子を入れて、人が入らない崖の上に運ぶ作戦だ。
(当時、家の庭は、人が入らない崖に隣接していた。)

子育て中の烏は獰猛である。
危険なので、私は家で見守る係。
夫と居候の二人で作戦を開始した。

烏の子を捕獲するのは大変だった。
こっちが助けようとしているのに、大暴れで逃げ回る。
烏の子も、必死。
ヤケのヤンパチ、メチャクチャな動きをするので、烏の子がけがをするんじゃないかと見ていてハラハラした。

木の上にいる親たちも、大騒ぎだ。
「ウチの子に、何すんのー!(# ゚Д゚)」
「コラー、何すんじゃ、放しやがれ!」
「ツツキ倒すぞ、ワレ―!!」

烏語を翻訳すると、こんな感じだろうか。

夫と居候は、親烏に突かれるかと思いきやそんなことはなく、やっとのことで烏の子を段ボールに入れ、崖の上に運ぶことができた。

崖の上にふたを開けて置いてきたが、その時には烏の子は、おとなしくなっていた。
きっと、親烏からの指示があったのだろう。
親烏も騒ぐのをやめた。

両者に、こちらの意図は伝わったらしい。

段ボールに親鳥が来るかどうか、しばらく見ていたのだが、私たちが見ている間は来なかった。

ほどなくして、烏の子はいなくなっていたので、無事巣立ったか、巣に帰ることができたのだと思いたい。

空になった段ボールを回収して、救出作戦は完了した。


何年か後、駅前の植え込みに巣立ち前の烏の子が落ちていて、大騒ぎしているところに、また遭遇した。
この時は、雑踏の中、親烏が必死に飛び回って、通行人を威嚇していた。

「七つの子」という童謡をご存じだろうか。

七つの子
作詞者:野口雨情
作曲者:本居長世

からす なぜなくの
からすは山に
可愛い七つの子があるからよ

可愛い 可愛いと
からすはなくの
可愛い 可愛いと
なくんだよ

山の古巣に
いってみてごらん
丸い眼をした
いい子だよ

(余談だか、私は小さい頃、「山の古巣」のことを、「山のフールス」という、烏がみんなで幸せに暮らしている楽園のようなところだと思っていたwww)

ことほどさように、烏は愛情深い。
ある種の人間に見習ってほしい。

そうかと思えば、烏は子どもが一度巣立つと、その後は一切巣には近づけず、追い払うらしい。
子離れも早い。
これもまた、烏の愛情。
ある種の人間に見習ってほしい。


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