バリュー株発掘:中央魚類(TYO:8030)はなぜ買いなのか
2024年9月に中央魚類株を買った時の備忘録として書きます。一部数値は今日時点に変更しています。
中央魚類とは?
1947年設立の築地→豊洲市場を拠点とする水産卸会社です。東証スタンダードに上場しています。筆頭株主はニッスイ(12%)、いくつかの水産系会社が出資しています。
中央魚類株を買った理由はPBRが0.58倍と割安、PERも低く7.39倍(いずれも2024/12/27時点)ではあるがいくつか、“実態と見合っていない=割安である”と考えた要因があるからです。その要因を解説します。
中央魚類株を買った理由①:大卸のナンバーワン
魚がスーパーにいくまでにいくつかの経路を辿ります。
この商流を辿るなかで、鮮魚流通の大きな特徴として、「大卸」を通ることが挙げられます。大卸は、全国の産地から魚を市場へ持ってきて、競りにかけ、仲卸に魚を渡す役割があります。その大卸は日本に5社しかなく、中央魚類はその5社のうち売上1位の企業です。
産地から市場までのコールドチェーン(冷凍•冷蔵流通)を作るのが非常にハードルが高く参入障壁となっていると考えます。このことから中央魚類は日本の魚流通の独占の一角にあり、高い競争力があると考えました。
中央魚類を買った理由②海外輸出の増加
日本は、水産物輸出目標として令和12(2030)年までに1.2兆円を掲げています。そんな中2022年輸出先1位だった中国が、2023年8月福島第1原子力発電所の処理水放出を受け日本産の水産物輸入を全面的に停止しました。大打撃を受けた海外輸出ですが、その後、北米を中心に代替市場の開拓が進み回復。その後2024年9月に中国が輸入の段階的再開を発表しました。代替市場分+中国回復分あわせると大幅に伸びると予想されます。
これは、結果としてですが、中国の禁輸措置は中国市場への依存度を減らし新たな市場を開拓できたと考えます。
今後も2030年目標達成のため政府の補助金、各種施策の実施は十分考えられるため、国策は買いだと考えました。
中央魚類を買った理由③インバウンド増による国内消費の増加
2024年の訪日外国人数は過去最多を記録し、コロナ禍前を上回る可能性が高いです。
そんな中気になる記事がありました。
数多くの訪日観光客が食べたい日本食ランキングでは、1位は寿司です。
胃袋が増えれば消費が増える。価格転嫁も進みやすくなると考えました。
中央魚類を買った理由④卸売以外のセグメント冷蔵倉庫事業、不動産賃貸事業
◯卸売の競争力の源泉でもあるコールドチェーンを支える冷蔵倉庫事業
→売上8059百万円セグメント利益543百万円
◯豊洲を中心に保有する不動産の賃貸事業
→売上942百万円セグメント利益562百万円
冷蔵倉庫事業は内部売上が5.6%と意外と外部売上主体の事業であることが特徴です。競争力がある事業ではありますが、電気代高騰がリスク要因かなと考えました、
一方、不動産事業は、高利益率を確保しており、不動産含み益も十分あると考えます。株主による不動産の益出し要求が行われることも予想され、株価が上がると見立てた要因の一つです。
以上の4つが私が中央魚類を割安と判断し株を買った理由となります。
9月に購入した後の動き
・2024.2Q決算
売上73012百万円(前年同期比+13.5%)
営業利益2079百万円(前年同期比+74.6%
配当予想90円
・株価
3950円(12/30)
年後半に向けて徐々に上がっていきました。
今年の期末決算も増収増益が予想されます。
私の目標株価は7500円なので買い目をずっと探っているのですがなかなか思ったように下がる日がなく、買い足せておりません。。。それが昨年の一番の後悔です。もっと買えばよかった。