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【CTO of the Year記念リレー】 あらゆる産業を支える運送業に、応えるプロダクトへ

こんにちは。アセンドのリードプロダクトエンジニア 宮津(@kenshiro382) です。

先日開催された「Startup CTO of the year 2024」にてアセンドCTOの丹羽(@niwa_takeru)がオーディエンス賞を受賞しました!会場やオンラインでご覧の皆さんに、私達の社会への志や、これまでの取り組みを評価してくださったように感じ、心から嬉しく思います。ありがとうございました。

この受賞を記して、ピッチの中で時間の都合上深掘りできなかった部分について、リレー形式でお届けしています。

今回の第7弾では、「対応セグメントの拡大 運行管理機能をフルリプレイス」についてご紹介します。
(よろしければひとつ前のリレー記事「ドメインの深い5プロダクト」もご覧ください!)


運送業の”多様さ”

運送業は社会の多様な産業を支える社会基盤とも言われ、各産業に寄り添う形で業務が個別最適化されています。一口に荷物をトラックで運ぶと言っても、ユースケースは多岐にわたります。

  • 温度管理が必須の生鮮食品の輸送

  • 複数回の運行が必要な建材輸送

  • 精密機器などの高価値貨物の時間厳守の配達

  • 港に発着する外国貨物の輸送やコンテナ管理

  • 石油の効率的な輸送ルートの計画

そのため、個々の業務に当てはまるようプロダクトを開発することは難しく、だからこそ、筋の良い抽象化をして、幅広い運送業を受け止められるプロダクトとすることが求められています。

初期プロダクトの課題と二度の失敗

シンプルすぎた初期モデル

プロダクトの初期では、荷物の依頼を受けて1台のトラックで運ぶ、というごく単純な運行形態しか表現できず、当時のお客様にはプロダクトの使い方でカバーしていただくこともありました。工場で作ったものを各地域に配送する場合などを考えると、一つの配送依頼を複数台のトラックで分散して運ぶことは当然考えうる運行形態ですが、当時のプロダクトでは表現できませんでした。

フルリプレイスプロジェクト、二度の失敗

このままでは様々な運送会社の方にサービスを導入いただくのは難しいと考え、運行管理機能フルリプレイスのプロジェクトを立ち上げました。早々に「案件」と「運行」を切り分けたモデルを考案し、機能の構想に挑みましたが、業務ユースケースの多様性が想定を超えてしまい、誰のための何の機能を作っているのか、迷走し、プロジェクトは難航してしまいました。「すべての業務に応える抽象化」を理想と掲げてしまったことで、現実的な業務体験に落とし込むことが難しかったのです。

三度目の正直、幅広い運送業に応える進化

3度目の挑戦では、「案件と運行」のデータモデルを固く信じ、長距離輸送や食品輸送といった私達のよく知る運行形態の業務が表現できるようにひとつひとつの機能を積み上げながら開発することで、なんとかリリースにこぎつけました。
新バージョンのリリースを皮切りに、受注顧客数が伸び、受け入れられる運送業の幅が大きく広がりました。
また、今まで待たせていたお客様から「これでようやくロジックスで全ての案件を管理することができるようになった」という声を頂いたことは、今でも記憶に残っています。

フルリプレイスプロジェクトの詳細については、以下のインタビューをご参照ください!

いま再び、進化に向けた挑戦

フルリプレイスから一年が経った今、まだまだ私達の知らない運送業があると思い知らされました。今のプロダクトでは、まだ十分に受け止めきれない業務があると気づいたのです。

  • 自動車部品を代表とする、効率性を追求したダイヤグラム管理

  • 依頼と実行が複雑に絡み合う共同配送

  • フェリーや列車を併用した運行管理などです。

あらゆる産業を支える、あらゆる運送業を受け止めきれるプロダクトとなるべく、今後も挑戦を続けてまいります。

結びに

2度失敗していることからもわかるように、セグメントを拡大するために根本から考え直し、プロダクトを作り直すことは不確実性も高く、難易度の高いお仕事です。
しかし、私は自身に課しているミッションとして、「物流業界のデータ標準化と蓄積」があります。このように間口を広げて蓄積されたデータは、運送会社の経営改善のみならず、必ず社会全体の物流効率を改善する根源になると信じています。

次回は「営業所間の連携を実現」をお届けしたいと思います。

それでは、最後までお読みくださりありがとうございました。

アセンド リードプロダクトエンジニア 宮津


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