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ゆるい人生

ゆるい
ずるい
かるい
だるい
わるい

なんだか「るい」がつく形容詞に
ネガティブなものが多いことに
気づいてしまった。

まるい

はポジティブ感もあって救いだ。
1番の救いは、

あかるい

だった。ほかにもあるのかな。

「ゆるい職場」という本から
そんなことを思ったのだけれど、
どことなく、
「ゆるいのはよくない」とか
「ゆとり世代」とか言われがちなところも、
捉え方一つなんだろうなあという
風を感じた。

ゆるキャラは、ポジティブだ。

「いまは、軽やかに自分のスタイルに合わせて仕事をしていきたいんです。そして、社会に自分だけが提供できる価値を届けられるようになりたい」
あまりに違和感がない語り口で、何ら疑問を持たない方が多いかもしれない。この発言には、二つの矛盾したキャリア観が含まれており、しかしそれが相矛盾なくひとつの文脈で語られている点に特徴がある。この矛盾と合理性が、現代の若者の仕事の志向を体現している。

「ゆるい職場: 若者の不安の知られざる理由」
古屋星斗

この若い人の発言に違和感がなかった。
そうだよなあ、と。

矛盾という矛と盾を持っているのは人間で、
すべて合理的に生きることなんてできない
としたら、「正解」なんだろうなと思う。

「企業戦士」と「終身雇用」1択と、
「ゆるい職場」からの多様な選択肢の
はざまにいる42歳のひとりとしては、

「軽やかに自分らしく、変え難い存在」
におれはなる!というのは正解な道な気がする

多様化と言うと雲を掴むような話になってしまいがちだが、筆者はその多様性について、先ほどの女性の発言にも見られる二つの気持ちのバランスで表現できると考えている。
「ありのままでありたい」と「なにものかになりたい」だ。

同上

ありのままと、なにものか。

どちらもto doというよりto beだ。

ちがいは分かりづらいから、
あえてちがいを探すとしたら、

ありのまま→で、在る。
なにものか→に、成る。

存在自体が認められることと、
存在を機能させて変化させていくことの
違い。かな。


こうした「ありのまま」と「なにもの」、この2つの言葉自体は、2010年代に流行した映画の楽曲や小説のタイトルなどにもなったように、盛んに訴求されている言葉であり目新しさはない。
「ありのままで生きていく」「好きなことで生きていく」といったストーリーは何度も発言され、また、若くして「なにものかになった」かのような無数の同年代の話も繰り返しシェアされている。

同上

流行ったなあ。
2010年代は、ちょうど入社5年目〜15年目。
齢にして、27〜37歳。
「このまま」でいいのか?という疑念が、
「ありのまま」と「特別な何か」に
体が反応していた時期。

悩んでる暇もなく、
ひたすら前見て走っていた。

自分が良いと思うがままに働こうとすれば、「なにもの」かになるためには遠回りになるかもしれない。「なにもの」かになろうと思い最前線で必死に働きながら、自分が
良いと感じたものだけを大事にし続けるのは難しいだろう。
おそらく、この「ありのまま」と「なにものかになりたい」は、二項対立ではなく、すべての若手社会人の中でグラデーションのように存在する要素である。

同上

グラデーションは、
混ざり合うというのとも違う。
ここからここまでと線も引けない。

日本語では「階調」らしい。
なるほど、階段のように、調整がきく。
調和ともまたちがう。

「ぼかし」とも訳すらしい。
なるほど、こっちのほうがしっくりくる。

要ははっきりしない、はっきりさせないまま
グレーでいることを許容している。

これもまた正解。


かつてあった「会社が若者を育てる」という常識が限界を迎えている。
この際に起こるのは、「若者が会社を使って育つ」という主語の転換である

同上

会社を使う。

言い換えると、

人生を使う。

使われるものではない。
わたしはわたしの人生を、使って、
わたしを育てる。

階調でいいし、ぼかしたまま、進む。

ゆるい職場における自由と進路選択の自由が重なって日本の若者に新しい環境を提供するのではないか。これを「自由の二重奏」と呼びたい。

同上

自分の二重奏。

二つの音か、二つの楽器か。
合わせた方が綺麗な音になるかも。
単音だと、飽きそうだ。

もう「企業戦士」はいないし、夜な夜な飲みに行って語り明かすこともできない。しかし、これまで狭い枠組みに縛り付けられていた若手が、躍動しようとしている。ゆるい職場が日本の職業社会にもたらす本当の意味が明らかになるのは、これからである。

同上

ゆるくて、よかった。

ゆるキャラは、ありのままで、なにものかだ。

そして、明るいキャラばかりでないけど、
周囲を明るくしてくれる。

ゆるいことはポジティブだ。

きょうもお付き合いくださり
ありがとうございます。

そういえば、財布の紐が、ゆるむという。
財布の紐は硬いより、ゆるい方が、
世の中がまわりそうだ。

といって、現実はきびしいけれど( ;∀;)

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