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【映画 解体真書】14.「アマデウス」(84・米)

 これは、天才についての作品である。

 モーツァルトという天才作曲家と
 サリエリというモーツァルトの天才を見抜く天賦の才覚をもつ作曲家

 その二人の天才の物語である。

 しかし、両者には欠けているものがある。

 モーツァルトには天才作曲家であるが故の謙虚さや自省
 サリエリには作曲家としての天賦の才。

 そこに、生まれるのは
 モーツァルトの没落から破滅へと至る道程
 サリエリのモーツァルトへの嫉妬から憎悪

 けれども、
 モーツァルトの「レクイエム」を協力して
 完成させようとする情熱

 その完成への二人各人の想いは違えども、
 そこには紛れもない友情がある。
 いや、サリエリにはモーツァルトへの愛情がある。

 この作品は、少なくとも私にとっては、男同士の友情について描いているように映る。

 私には、そこに、愛しか見えない。

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