「10FEET」って何cm?　～京都大作戦　その1～

京都南部の宇治市内

宇治川を中心に上流の天ヶ瀬ダムまでの両岸に
世界遺産「宇治上神社」や塔ノ島そして平等院鳳凰堂が鎮座し
昔から京都市内と少し趣が異なった景観や空気を感じることができる名所

京都府内の地図みれば盆地が終わりかけの東南の山に位置し
京都市内はもちろん府内南部の市町村の人間であれば
スポーツイベントや遠足、プールなど何かしらのイベントで
1度は行ったことがある県民憩いの場所である大きな「太陽が丘」が
宇治の新たな「聖地」になった

自宅の伏見区南部からは自転車で小一時間程度
宇治川の河川敷を上流に向い宇治市内と通りぬけ
左折した後から緩やかな坂道が少しづつ傾斜が上がり
最後の心臓破りの坂を登り切った先に入り口がある

2007年、初めて開催された時
「10FEET」ってバンドなんて聞いたことがなかったし
日本のアーティスト主催のフェス自体も無かった

・・なのにまずまずのメンツだった

今となっては信じられないけれど
スマホがなかった時代
宣伝、告知も今思えば噂のように耳に入った程度
その当時はフェスといえば洋楽主体、日本最大のフジロック
都市型フェスのサマーソニック全盛
しかも主催が聞いたこと無いバント
・・どちらかと言えば「斜に構えて」見ており
しかも「台風で中止！」になった後、初めて知った

そして翌2008年、前後にマキシマム ザ ホルモンにはまり
その大作戦に出ると聞いたものの両日のメンツを見れば
ホルモンが出ない初日の方がメンツが良かったのと
縁があってたまたま初日のチケットを手配してもらったのでで
軽い気持ちで参戦した

宇治駅サイドのメインゲートを少し上って左手、一番手前の土のグランドに足場が組まれ迫力あるステージができあがっていた
さらに上って陸上競技場の手前のすり鉢状の底に位置するグランドに
フードコートの屋台が並んでいた
正面の体育館へ向かう広い階段が関所（入り口）で
缶や瓶なども持ち込みをチェックし、紙の入場券を渡し入退場のリストバンドを着け、エリア図やタイムスケジュールのリーフレットをもらって入場
正面の体育館の左手にあった小さいステージは「牛若ノ舞台」で
スケジュールを見ればライブをするのは聞いたことのないバンドばかりだった

もう20年近く前のこと記憶も定かではない笑
初めて源氏ノ舞台のフロア立ったときの開放感が気持ちよかった・・
良い天気で暑かったが帽子をかぶらなくても過ごせていた・・
ビールを浴びるほど飲んで、モッシュしても
今のように脱水症状にならなかった・・年齢だけの理由ではないはずだ笑
あのロットンがオープニング！今ほど観客を引きつけていなかった
モンパチの清作がステージから丘でシートを引いて見ている方に
「早く終わってあそこでビール飲みたいな」っていっていた
（その日は天気が良かった、2024年も天気が良かったがそんな事をいえる雰囲気ではないほど暑かった・・やっぱり確実に気温は上がっている）
湘南の風は今も昔も変わらない（良い意味で！）
ELLEGARDENはサウンドチェックの時にあらわれ「PIZZAMAN」を
演奏し「ペパロニクアトロ！」のところで切り上げた
その後細見氏が「去年のメンツがそのまま今年もでれることは
本当にすごいこと！」といっていたのが印象的
もちろんDragonAshのベーシストは馬場ちゃんだった

楽しかった、ただただ楽しかった
あまりにも満足したので、曲を全く知らない10FEETを見るまえに
満足して帰った

「こんな近くで、なじみ深い太陽が丘でこんな楽しいフェスがあるなんて！
サイコーだ！！」
行きは心臓破りの上り坂も、帰りは徒歩で家路へ向かう人達を横目に
颯爽と坂道を自転車で下り、帰りは「余韻大作戦」

はじめにいった連れとは翌年からいかなくなったが
以降、違う仲間や家族や子供と一緒の参戦したり
甥っ子や姪っ子も大作戦を経験し
いつからか1人でも全く躊躇なく参戦した

今は時がたって遠方に暮らす友人に
年に1度会う機会がこの「京都大作戦」になった
その友人は毎年このためだけに関東から参戦する
自分はたまたま近くに住んでいるだけで
多くの人がこの日めがけて日本全国から宇治に参戦し
「聖地」になった

いつのまにか「誰といく」とはどうでもよく
京都大作戦に参加すること事態が
自分にとって「正月」で「ご褒美」になり
汗だくになってしんどくなるのをわかっていいながら
モッシュしてサークルを組んで走り回って泣いて叫ぶ
その日がくることが毎年待ち遠しくなった

そんなこんなを繰り返して20年近くたった
その間、仕事は数回転職、新しい家族もでき
会えなくなった人もいる
もちろん歳もとったし、自分の考え方も、そして世の中も
気候も大きく変わった

それでも自転車こいで、心臓破りの坂を上って
無事、2024年も両日参戦した

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