ACBLミュージアムが所蔵する貴重なコントラクトブリッジの雑誌資料が動画で紹介されているという話
北アメリカ大陸におけるブリッジ活動を組織する「アメリカンコントラクトブリッジ連盟(ACBL)」のYouTubeチャンネルで、ブリッジの歴史的な資料を紹介する動画のシリーズが始まりました。2023年11月現在2本の動画が公開されているので、内容をご紹介したいと思います。
The Historical Shuffle: Episode 1 - Unboxing the Julian Laderman Collection with Paul Linxwiler
まず1本目はジュリアン・ラダーマンさんという方から寄贈された資料コレクションを紹介する動画です。
ラダーマンさんの名前でネット検索をすると、ラダーマンさんが執筆したと思われるブリッジの書籍が多数ヒットしました。しかし、残念なことにラダーマンさんが2023年の2月に亡くなったという訃報記事も2件ヒットしました。この記事によれば、ラダーマンさんは数学やコンピュータサイエンスの教授でブリッジに関する活動でも知られていた方だったそうです。
この動画で紹介されているラダーマン・コレクションの資料は大変貴重なものが含まれています。
まず紹介されるのは戦前のコントラクトブリッジ雑誌です。まだオークションブリッジとコントラクトブリッジの両方が遊ばれていた時代の雑誌やイギリスで発行されたブリッジ雑誌などが大変良好な状態で保存されていました。
また、戦後にブリッジブームが起こった際には、一般の大衆雑誌でもコントラクトブリッジの特集が組まれましたが、「ミスター・ブリッジ」ことチャールズ・ゴーレンが表紙を飾ったTIME誌やSports Illustrated誌が各種収集されており、さらにはブリッジ界で起こった「チート・スキャンダル」(チート=イカサマ、ずるの意)を報じた雑誌も保存されていました。
動画のタイトルには「Episode 1」とあるので、続編を期待したいところです。
History of the ACBL Bridge Bulletin: Part One with Paul Linxwiler
もう1本の動画では、ACBLが発行するブリテン(機関誌)の歴史を紹介しています。
動画を見ると、ACBLでは過去に発行したブリテンやブリッジ雑誌「ブリッジ・ワールド」を製本して保存しているようです。(厚みが薄い定期刊行雑誌は、破損や紛失を防ぐため、複数冊を合本して保存することがあります。日本の図書館でも利用されている方法です。)
合本された雑誌の高さにバラツキがあるのは、時期によってブリテンや「ブリッジ・ワールド」の規格(雑誌の大きさ)に変更があったということなのでしょう。
今回の動画では、ACBL発足当初のブリテンを見ることができます。
こちらの動画も「Part One」とあるので、続きが気になります。
一般の利用者がなかなか見る機会がない貴重な資料ばかりと思いますので、気になった方はACBLのYouTubeチャンネルをフォローすることをお勧めします。今後の動画ではどんな資料が紹介されるのか楽しみですねーではー。