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オーストラリアの州立図書館に寄贈されたバーク夫妻のコントラクトブリッジに関する書物コレクションがすごいという話

コントラクトブリッジのブログを書くにあたり、様々な情報源を日々探している中で、オーストラリアの州立図書館がコントラクトブリッジに関する書物のコレクションを所有していることが分かったのでご紹介しようと思います。

今回ご紹介するコレクションは、オーストラリアのメルボルンにあるヴィクトリア州立図書館(State Library Victoria)に寄贈されたものです。(以下リンクはヴィクトリア州立図書館トップページ↓)

このコレクションは2008年にブリッジプレイヤーのティム・バークとマーガレット・バークの夫妻によって、この図書館に寄贈されました。
コレクションの特色は1894年から1939年の間に刊行されたブリッジに関する書物が含まれていることです。これは、ちょうどホイスト(ブリッジの祖先のゲーム)の流行期からコントラクトブリッジ(1925年にルールが成立)が世界的人気を博すまでの期間であり、ブリッジの最盛期に出版された貴重な書物が多くあるということです。
(以下リンクはヴィクトリア州立図書館によるこのコレクションの紹介ページ↓)

コレクションにはブリッジ流行の立役者エリー・カルバートソンやハロルド・ヴァンダービルト、チャールズ・ゴーレン、ミルトン・ワークらブリッジ界のレジェンドプレイヤーたちの書物も含まれているとのこと。
(ブリッジの歴史について知りたい方は、当方が書いた「コントラクトブリッジの歴史をまとめてみた」の記事もご参照ください。)

このコレクションを収集したのは、ブリッジプレイヤーでプログラミングの専門家でもあったティム・バークさんです。ティムさんはブリッジのハンド(手札の組み合わせ)の研究の他、ブリッジに関する書物の「ビブリオグラフィー」(書誌、特定の主題についての参考文献の目録。精選版 日本国語大辞典より)を作成することにも取り組みました。そしてそれは、『An Annotated Bibliography of Bridge Books in English 1886 - 2010』というビブリオグラフィーにまとめられました。編集には他の協力者もいたようですが、過去100年以上にわたるブリッジの英語の書物を収集して書誌をまとめるなんて、大変な偉業だと思います。

そして、ティムの奥様であるマーガレット・バークさんもまたブリッジプレイヤーであり、国際大会での優勝経験がある実力者だったそうですが、残念なことに、マーガレットさんは病気のため2021年にお亡くなりになったそうです。ヴィクトリア州立図書館のブログでは彼女を追悼する記事が公開されており、そこでこのコレクションの寄贈の経緯も詳しく書かれているので、ご興味ある方はこちらもご参照下さい。


このバーク夫妻のブリッジに対する愛情と探究心によって、このような貴重なブリッジ書物のコレクションが形成されました。一般の日本人が見せてもらえるのかは分かりませんが、機会があれば是非拝見したいものです。ではー。

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