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ホテル浦島で温泉三昧

船は緩やかな曲線を海面に残しながら、対岸へと進む。半島は想像していたよりも岩山になっていて、未開拓部分が多いように見える。

到着。時刻は16時半くらい。船を降りると目の前にホテルの入口があるのが面白い。半島であることを忘れ、孤島に来たような心境。

日帰り入浴券は1500円。簡単な説明と館内のフロアマップをもらう。本館からは左に右に通路が出ていて、各種温泉のある別館へと繋がっている。港に戻る船の最終便は19時くらいなので、ゆっくりすべての温泉に入っても時間に余裕があるはずだ。

長い廊下には登りがあったり、地下に潜ったりと、地形に沿って進んでいる感覚が強い。本館から最も離れている温泉には、歩いて10分くらいはかかっているのではないだろうか。

その間、売店がいくつもあったり、ホテル浦島の歴史を紹介するコーナー、ゲームセンターなどがあって飽きない。とにかく全てが広い、大きい。バブル期の名残を思わせる。

目玉となる温泉は、天然洞窟を使った忘帰洞と玄武洞。他は合宿所の大浴場という感じだったが、上記の二箇所は入口から別格だった。

長い廊下がいつの間にか洞窟になり、横には謎のパイプや水が流れている箇所があったりする。忘帰洞は天井が高く、広い。玄武洞は細長い作りで、こちらの方が海面により近いところまで行けるようになっている。柵越しに見える海は荒れているわけではないが、岩礁に波が当たるので迫力がある。柵のぎりぎりで粘っていたら、強い波の飛沫を浴びることができた。

温泉は白っぽく濁っており、とろみがあった。体中の疲れがサイダーのように弾けて消えていく感じがする。いっそのこと空き部屋があるか聞いて、ここに泊まってしまおうかと本気で悩む。ぼうっとしていたら、浴槽の段差で滑って盛大にひっくり返る。右足のすねが腫れてしまった。

ぐるりとひと回りして、入れる温泉すべてに入った。最後にもう一度忘帰洞に入ってから時計を見ると、船の最終便が迫っている。長いことで有名なエスカレーターに乗りたかったが断念。ちらりと見るが動いているのかよくわからなかった。今度はきっと宿泊で。

つづく

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