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殺処分ゼロを願って
今日は、「ある犬のおはなし~殺処分ゼロを願って」という本を紹介します。
YouTubeでも公開されていますので、まずは、こちらをご確認ください。
東京では動物の殺処分ゼロという目標を掲げ、平成30年度に達成したと言われています。
しかし、東京都では、殺処分の定義を「東京都では、動物福祉等の観点から行ったもの及び引取・収容後に死亡したものを除く 致死処分を「殺処分」と表現しています。」としており、苦痛からの解放が必要、著しい攻撃性を有する、又は衰弱や感染症によって成育が極めた困難と判断される動物や、引取り・収容後に死亡した動物は数には含まれていません。
東京都の方でもいろいろ取り組みをしていますが、この問題の根本を考えたときには、私は安易に動物を飼えることにあるように思います。
東京都のページを見ると、主な取り組みとして「動物の引取数減少に向けた取組」と「動物譲渡の拡大に向けた取組」が挙げられています。
もちろんそのこと自体も大事かもしれませんが、安易に飼える環境を変える必要もあるのではないでしょうか?
これは、東京都だけの問題ではなく、日本として考える必要があると思いますが、ペットショップの販売規制や許可要件を厳しくしたり、こういった点では海外から学ぶべきこともあるように思います。
もし、徳川綱吉が今、政治家として活躍していたらどんな政策を打ち出すのかも興味あるところです。
綱吉は、生類憐みの令を出したことで有名です。
この生類憐みの令が非常に評判悪く、綱吉はダメ将軍みたいな評価がされています。
しかし、私は綱吉は徳川将軍家の中でも、自分で政治を行う数少ない人だったのではないかと考えています。
そもそも徳川家康は、将軍が政治をする必要が無いよう、老中の合議制の体制を築きました。
結果、将軍は合議制で決まったことを承認する機関となりましたが、綱吉は「側用人」という将軍と老中をつなぐ役を活用し、自分で政策を進めることができました。
このこと自体が非常に画期的で、実は非常に優秀な人だったかもしれないと思ったりします。
しかし、画期的なことをすると、旧体制の人の反感を買うのは当然ありうることで、綱吉の死後そういった人たちの評価が、後世に影響を与えている一面もあるように思います。
戦国時代は「人をたくさん殺した人」が出世する時代でした。
それが、江戸時代になり「命を大切にしよう」と価値観を変える必要がありましたが、その影響を与えたものがこの生類憐みの令ではないかと思います。
犬公方と呼ばれ、犬を大事にのイメージが強いですが、捨て子の禁止や病人の保護などの政策も実行しています。
命がまだ軽かった時代に、「命を大切にしよう」そのような価値感を広めようとした将軍だったのかもしれません。
「ある犬のおはなし~殺処分ゼロを願って」の本の飼い主ような人がいなくなることを願っています。