ChatGPTが役に立たない理由
最初に言っておきます。
私はChatGPTが大好きです。
ChatGPTを使わない日は無いですし、OpenAI APIのアカウントも使い倒しており、先日気がついたら個人のアカウントがTier 4になってました。
しかし、ChatGPTを使って理想の結果を出す事が難しいのも事実です。
実際、ChatGPTを導入してみた企業は結構ありますが、「思ったように社内に浸透しない」「使う人と使わない人で二極化している」という話もよく聞きます。
Chat GPTを使ってみた人は、まずその人間と遜色ない受け答えができることに驚き、「これでほとんどの仕事は無くなるのではないか」と興奮します。
しかししばらく使ってみると「思ったより役に立たねえな」と感じ、人によっては使わなくなる、、、これが様々な企業で起こっています。
「人間と遜色のない受け答えができる」のに、「人間より役に立たない」のはなぜでしょうか?
その理由は大きく分けて二つあり、一つはChatGPTが業務に必要なシステムと繋がっていないからですが、こちらは最近GPTsのActions機能や、Microsoft Copilotによって解決されつつあります。
もう一つの大きな理由は
あなたの仕事を明確に言語化するのは難しいからです。
例えば、あなたの代わりにChatGPTにメールの返信を考えてもらいましょう。
あなたは、相手からのメールと一緒に「〇〇な内容でこの返信を作成して」とChatGPTに命令します。
一見やることを明確に言語化できているように思いますが、よく考えてみてください。
あなたが返信を作成するとき、相手の状況を念頭において文章を考えませんか?プロジェクトの状況は?社内だけで使われる単語はありませんか?そもそも前提となる業務知識が必要じゃないですか?
それを知らずに文面を考えるのって、人間でも無理じゃないですか?
これらに関して毎回説明するためのプロンプトを書いていると、それだけで時間がかかりますし、結局メールを自分で書いた方が早いということになってしまいます。
そもそも「やりたい事を明確に言語化する」スキルはChatGPTが生まれる前から必要とされてきましたが、多くの人が苦手としているスキルでもあり、それが一種の社会問題になってたりもします。
結果、元々言語化が得意だった人だけが、言語化が可能な範囲でChatGPTを使い倒す「二極化」や、
そもそも言語化が難しい現場で「ChatGPTが浸透しない」なんて事が発生しているのです。
では、ChatGPTを使って業務改善したい企業はどうすれば良いのでしょうか?
ChatGPTが使える業務と人を見極めて導入するしかないのでしょうか?
それも必ずやるべきだと思いますが、もう一つ有効な手段があります。
それは特化型GPTの作成です。
最も手軽な手段としては、GPTsの作成でしょう。
まず、ChatGPTが使いこなせる人(言語化が得意な人)にChatGPTを使ってもらい、どんな業務でGPTが使えるのか(言語化できるのか)を見極めます。
次に、その業務を詳細に言語化し、GPTsを作成します。
そこには、必要な業務知識や社内の暗黙知が含まれます。
あとはそのGPTsを社内に公開するだけです。
使う時の言語化のハードルが下がるので、言語化が苦手な人にも使ってもらえるようになります。
予算が十分にあるのならGPTを組み込んだシステムを開発するのも良いアプローチです。
方法に関しては以下で解説しているので、よかったら読んでみてください。
最後に
今回は言語化をメインに話を進めてきましたが、いつかこの問題もテクノロジーで解決される日が来る気もします。
新入社員を教育するように、AIを自然言語と実務で教育する事ができるようになるかもしれません。
その時はほとんど全てのデスクワークがなくなる時だと思いますので、積み上がったボードゲームと小説と漫画とゲームを消化することにしようと思います。(パルワールドやりたい、、、)