見出し画像

前略きゃらを様

もしこれをあなたが見つけたら、きっと

「N.O.T.Eさん、なんだい改まって」

とあの例のイケボで言うのが想像できて、それだけでなんだか優しい気持ちになっている自分がいる。

でも、改めてちゃんとお礼を言いたいんだ。

だって、あなたが教えてくれたアドバイス(きゃらをメソッド)を実践したおかげで、先日、あなたとひとつの目標にしていた、

フォロワー数1000

を見事に達成したのだから。

でも、もちろん嬉しいけれど、僕自身は、まるで狐につままれたような心境で、あまり実感はない。

だから、他人から

「人気no+erですね」

なんて言われるたびに後ろを振り向いている。

だって、3年間、ほぼ毎日no+eを書き続けてフォロワー数がわずか50足らずだった男が、書いている内容は変わらないまま、この1.5年で、フォロワー数1000になるなんて、あなたの魔法の効果以外の何物でもないからだ。

「SNSの数字なんてまやかしでインキチで、気にしたって意味がない」

まあ、実際、インチキなヤツはたくさんいるけれど、そんなふうに負け犬の遠吠えを吠えている自分も奴らと同類だと思ってやさぐれていた男。

かたやMr.no+eと言っても決して言い過ぎじゃないくらい、強烈な存在感と周囲への絶大な影響力を持っていた、でも、いつもどこかさびしそうだった男。

あのときは、特にさみしそうに見えたその男は、気まぐれに

「N.O.T.Eさん、俺が飛び方教えるからさ、俺と一緒に飛ばないかい?」

と例のイケボで声をかけてくれたんだ。

正直、半信半疑どころか、全く信じていなかったけど(苦笑)

「このトカゲみたいにずっと地面を這い続けて生きてきた俺が飛べるわけないだろ」

って心の中ではつぶやいていたよ。

「でも、なんかこの人寂しそうだし、彼の戯言にちょっくら付き合ってみてもいいか」

そんなボランティア精神で、あなたの提案に乗っかってみたんだ。

想像以上に、ひどいヤツだったろ?

きっとそんな冷酷無比な僕の本性がばれたのと、あとは浅瀬でぱちゃぱちゃお遊戯している(ように見える)僕らに呆れ果てたのだろう。

ある日、あなたは、

「やってられっか。ボケー!」

と悪態つきながら、もっともっと高くて広い空に飛び立っていったのだった。

そして、今、僕らno+erは

(ほとんど)きゃらをがいない世界、

そう、まるで

アメリカのノースカロライナ州で食べた旨味が全くなくて塩味しかしないラーメンみたいな世界

をまるで当たり前みたいな顔をしながら生きている。

でも、それでも、あなたがいなくなったこの場所(no+e)で

僕はこれからもずっと書き続けていくだろう。

そう、あなたが教えてくれたこの飛び方、でね。


いいなと思ったら応援しよう!