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tateisi
主人公の名前
最近、「ハリーポッター」を見始めた息子が夜、お風呂の湯船に浸かりながら、その登場人物についていろいろと説明をしてくれた。
確かマルフォイとか言ってたかなあ。
ちなみに僕はこれまで「ハリーポッター」を一度も(ちゃんと)観たことがない。
で、今回、彼からいろいろな名前を聞いているうちに、僕はあることを思いついて、彼に提案してみた。
「よし!分かった。じゃあ、今まで出てきた名前をヒントにハリーポッターの主人公の名前をお父さんが当ててみよう!」
なんだか分からないけれど、そのときはめちゃくちゃ当てられる自信がしたんだよね。
しかし、本当に真剣に考え始めた僕の様子を見て、息子は、
「えっ!お父さん、それマジで言ってんの?マジだとしたら、かなりヤバいよ!」
と明らかにドン引きしていた。
「あん?」
僕はいったん名前を考えるのをやめて、その彼のドン引きの理由について頭を巡らせた。
幸い、答えは割とすぐに出てきた。
しかし、ここではあえて言わないでおこう。
あまりにも
言うまでもなさ杉くん
だからだ。
翌朝、起きるなりそんな僕に向かって息子が話しかけてきた。
「昨日の夜、死んだ夢を見たんだよねー」
「えっー!マジかあ。怖くなかった?」
「うん。最初、地獄かなあと思ったけど、なんかほわほわした場所だった」
「へ〜それならまあよかったじゃん」
「でも、ずっーとお父さんとお母さんに会いたいなって思ってた」
「……」
昨晩、あんなとんでもない天然ボケをかました自分なのに、ね。
僕は嬉しいやら切ないやらいろんな感情が込み上げてきて、気づいたら、髪の毛がくしゃくしゃになるまで彼の頭を撫でていた。