カレーなる一族
昨日はビレバンに息子が好きなゲームのフォートナイトのトレーナーを買いに2人で下北沢に行った。
息子はかなり小柄なので、ちょっと大きめサイズしかなかったけど、まあ未来のB-BOYならこれくらいでいいだろう。
あと、渋谷でも見つけたB-BOYやラッパーがしている大ぶりの金色のネックレスを息子がめざとく見つけて、僕に試着させようとしたけど、防犯用のロックがかかっていて断念した。
あとは、オッパイの形をしたやわらかいキーホルダーを見つけて、猿みたいに2人でキャッキャ言いながらはしゃぎあった。
もちろん買わなかった(本当だよ)
でも、やはり相変わらず人混みが苦手な彼がしんどそうな顔をし始めたので、店を出て、どこかでランチをすることにした。
「何が食べたい?」
って聞いたら、予想通り
「カレー」って返ってきたから、Googleマップにカレーって入れたら、赤いマークが出てくるわ、出てくるわ。さすが神田神保町と並ぶカレーの激戦区。
とにかく、あまり歩かせたくなかったので、今ある場所から近い赤丸を片っ端からあたることにしたら、なんとか三軒目のお店に入ることができた。
そこは昭和レトロな雰囲気が懐かしいお店で息子はキーマカレー、僕はあいがけにしたかったけたど、息子がキーマが食べれなかったときの保険として、定番のチキンカレーを注文した。
ほどなくして運ばれたキーマカレーを息子は
「めちくちゃおいしい」と言いながら
ばくばくと勢いよく食べ始めた。
そんな
子供がカレーを食べる
と言うベタすぎるほどありきたりな映像を前に僕はひと知れず感慨に浸っていた。
というのも今年のはじめ頃は、まだ吐き気がひどくて、食事がほとんど食べれなくて、どんどん痩せ細っていく彼を前にして、もう苦肉の策とばかりに料理なんかほとんどしたことがなかった僕が、彼の好きなカレーを手作りして、最初のうちこそ一所懸命食べてくれたけど、やはり無理してたみたいで、これでもダメだったか、なんて落胆してたからなあ。
それが今やどうだ。お父さんの味見もこばむくらい(笑)ガッツリと食べてくれて、ちゃんと完食まで果たしてくれた。
僕は嬉しさのあまり、思わず帰り際にレジの店員さんに向かって、
「息子がすごく美味しいって言ってたので、必ずまた来ますね!」って言ってしまったほどだった。
そしたら、メガネをかけたさわやかな若い店員さんは怪訝な顔ひとつせず
「ありがとうございます!」
ってとてもキラキラした笑顔で答えてくれからそれも嬉しい出来事だったなあ。
ぽて、と。
いや、
さて、と。
本日のto do は実はこれで終わりなんだけど、毎日、息子に付きっきりでくたびれているだろう妻にいっときの安息の時を過ごしてもらうというのが本日のお出かけの裏テーマでもあったので、あとは駒場東大前の雑貨屋さんに寄り、最後は、息子に彼が最近ハマっているマンガ(SAKAMOTO DAYS)を買い与えて、家の近所の喫茶店で小一時間、時間を潰すことにした。
彼が漫画を読み終えたタイミングで、その店を出る。
すると店の出口あたりで息子が振り返って
「お支払いは、大丈夫なの?」
って心配そうに聞いてきたから、「いや前払いだから大丈夫だよ」っ答えたのだけど、そのときの彼の
「お支払いは」という敬語表現が妙におかしくてそれを指摘したら、息子が照れ隠しなのかなんなのか、突然、
「お支払いはペイペイで」っ言い始めた。
このときまるで天啓のようにビレバンで一緒に見たあのグッズの映像が頭に浮かんだ僕がすかさず
「お支払いはパイパイで」
って返したら、案の定、オッパイ星人の彼は大爆笑し始めた。
でも、駅前でこんなこと言うのはやはりまずいよね、という見解に達した僕らは、じゃあネイティブ英語っぽく話してごまかそうというアイデアを閃いたのだった。
その後、僕らあやしい親子2人は、帰り道、ずっと巻き舌を駆使して
「お支払いはプァイプァイで」
と無駄に呟きながら帰ったのだった。
秋風が涼しくて気持ち良いなあ、とか思いながら。
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