星よ知るなら、こちらまで (感情を無限に進化したい)
10月に公開される映画「アナログ」。
押しの二宮和也さんが主演。
原作を読んだけれど、波瑠ちゃんのキャスト設定もほんとぴったりで、とても楽しみ。
木曜日だけ会おう。
約束はそれだけ。携帯はもってない。
来られたときは、会いましょう。
木曜日。
月一回の診察、処方も必ず木曜日の私。
月一回だし、約束もなにもないけど、木曜日に会うということが同じで、ちょっと嬉しい。
アナログより、会うことが少ない。
回想するしかできない。それを繰り返す。
意識してなかった時期、意識し始めた頃のこと。
他愛ないといえばそうである会話、しっかり目があった瞬間、処方箋を持っていくとさっと出てきて担当してくれること。
色んなこと全部、自分の都合いいように摩り替えて勝手に萌える…
そのあとは何だかもう、際限ない欲求が走り出す。そうなりたい!ああしたい!あぁぁーーー
こんなやり場のない感情は、とてもエネルギーがあって、消耗してしまう。
だけど、こうして想像できる現実は確かにここにある。
せつないけど、幸せだな。
1人じゃ味わえないこの感情、進化させて自分の宝物にしてしまいたい。
◇
そんなこんなで寝ようとも寝れない日々が続いた。
止まらない妄想がオールナイト上映。
睡眠不足はほんとによくない。
3週間ほど、眠り方がわからなくなった。
催眠剤飲んでるのに、ね…
不眠の種である本人に「眠れないんです」って相談して(勝手に眠らないのは私ですね)
対策の話をしてくれているのに、さっぱり頭に入ってこない(目の前にいることだけで恋に溺れている(; ゚ ロ゚)💦)
そんな果てに「実は僕、睡眠マニアなんです」なんてことを言い出して、パッドをこうしたりああしたりして…と話す。
へぇ~と相槌しながら「睡眠マニア?それなーに?」ちょっと遭難。
「なので…」
また聞きたいことがあったら聞いてください。
何かあったら相談してください。
ということなら、「はい、ありがとうございます」なんだけれど…
「薬剤師の立場でなくても、頼ってください」
って…
正面ではない裏口のドアを開けてくれた感は、正しいのでしょうか…?(入り方はわからない)
私にとって、魔法のコトバになった。
スピッツが歌っている『魔法のコトバ』
「口にすれば短く、だけど効果はすごいものがあるってことで」
こんな言葉をもらえたことで、いつもの日常で何度やさしくなれたことか。
深い意味はなかった、ということもたやすくある。知ってるけど、くすぐったいようなこの感情を進化させる。
得難かったやさしさに感謝して、私もやさしくなりたいと思った。
彼はたぶん32歳くらい。
私は44歳だし、既婚だし、精神科だし…
暗雲しかないのにさ。やさしいな。
◇
人と人との間に、言葉や態度や視線やしぐさや諸々が交わされて、その時々に生まれる感情からいくつものストーリーができあがる。
どんなに大昔でも、ストーリーは人の感情から生まれて、その感情が違えばまた違うストーリーになる。
出来事とストーリーの違うところは、感情が溢れてるかどうか、だと感じる。
時代の背景、文化、一般思考や、個人の過信や劣等感やトラウマや、色々な要素が関わりながらもできていく。
胸を打つような感動なこと、時代が違ったらそうはいかなかったのでは?ってこと、どうにかならなかったのかという非情なこと。
キズや痛みも、人間なら行く先にうまく巻き込んでいけたりするのかな。
人間なら、受け止めた感情の操作をしながら。
心のなかに不動の石になってるような頑固な感情も、時間が経って嘘みたいに進化させられたら、過ごしている今がもっと愛しくなるだろうか。
それができたら、過去の自分も救われそうだな。
たくさんのことに影響されながらも、感情を無限に進化できそうな人間って、素敵だし、ちょっと怖い。
◇
恋しい人としばらく会えないことを受け入れたとき、思い詰めた願望の塊を手放したら、スッーと楽になって眠れるようになった、ついこないだ。
感情のベクトルを方向転換した(これは進化じゃないけど…)
こんな方法、睡眠マニアも思い付かなかったかもしれない。