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私にとって神とは 遠藤周作:著

遠藤周作さんにとって神とは何なのか、その答えは神とは働きである。こんなにも神を分かりやすく表現した例はないのではないか。とても腑に落ちた。人間誰しも神の導きによりとしか表現できない状況に遭遇したことがあるだろう。その瞬間、確かに神は存在したと言えるのかもしれない。

たとえば、私くらいの歳になると、夜中にふっと目が覚めることがあります。そんな時、吉行君は、自分が寝た女を一人一人思い出していると眠れると言っていました。私は、私の人生の中を通り過ぎた人のことをやっぱり考えます。私がその人の人生を通り過ぎたために、本来行く道が曲がってしまったという人がいるとおもうのです。

私たちは神を対象として考えがちだが、神というものは対象ではありません。その人の中で、その人の人生を通して働くものだ、と言ったほうがいいかもしれません。私は目に見えぬものに背中に手を当てられて、こっちに行くようにと押されているなという感じを持つ時があります。その時神の働きを感じます。

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