【セ・リーグ/編成】各球団の今季ブレイク候補を予想しよう。
ご無沙汰しております。
どうも、ふじです。
NPBも開幕から20試合程度を消化し、各チームの状況なども少しずつわかってきました。
好調な選手もいれば、不調な選手もいます。
そんな中で、チーム力をさらに上げるためにも「若手の台頭」は欠かせません。
ということで今回は、だいぶ遅いような気もしますが各球団のブレイク候補をあげていこうと思います。
(1)中日-土生 翔太(右投手/横浜高‐桜美林大-BC茨城/24歳)
土生は、BC茨城から2023年にドラフト5位で指名された最速154kmのフォーシーム、ツーシーム、スライダー、カーブ、スプリッターを操る右腕。
桜美林大学時代では、奪三振率が7点近くを推移するなど良い側面も見せていたものの、4点台を上回る与四死球率をはじめとしたコマンド面がふるわないことも影響して自滅というケースも少なくありませんでした。
また、大学4年時の春には肘の怪我を負った過去もあります。
その後はBC茨城に入団。
茨木では計20登板を果たし、そのうち13試合で先発として出場。
2度の完投や圧倒的な奪三振力を見せつけますが、防御率やコマンドは中々思うような成績とはいきませんでした。
ただそれは先発時の話です。
リリーフとしては7度の登板機会で13イニングを投げて防御率はわずか1.38と好投。
奪三振率は驚異の15.92,与四死球率は2.08と投球内容を改善することに成功し、短いイニングでの適正を買われてドラフト指名に至っています。
オープン戦終了時点ではまずまずといった成績ですが、長打を1本も許さない投球を完遂した点は好材料でしょう。
同世代には松山・清水といったリリーフエースや、根尾・仲地・草加といった将来の先発ローテ候補なども多く競争は激しいですが、BCリーグでの経験も活かして、まずは便利屋として1軍で生き残りたいところです。
(2)ヤクルト - 吉村 貢司郎(右投手/國學院大‐東芝/26歳)
吉村は、東芝から2022年にドラフト1位で指名された最速153kmのフォーシーム、スライダー、カッター、ツーシーム、フォーク、カーブを操る右腕。
1年目の昨季は、大卒社会人+1年ということもあり先発ローテ定着が望まれたことから4‐5月に8度の先発機会を任されたものの、この期間の防御率は4.54と打ち込まれてしまいました。
しかし、年間を通してフォークの被打率がわずか.100ほどと通用している部分も存在しており、一概に歯が立たなかったというわけではありません。
そして迎えた2年目のオープン戦では、与四死球率や被打率の改善にも成功しており、昨年のシーズンの最速である152㎞から1㎞更新。
プロ入り前に得意としていた球種の1つであるカーブは、オープン戦期間内で1度も安打性の打球を飛ばされていません。
現状のヤクルト投手陣の運用は苦しい部分も多く、昨季以上に吉村にかかる期待は増しています。
この機会をチャンスに変え、社会人投手の星となりたいところです。
(3)巨人 - 松井 颯(右投手/明星大/24歳)
松井は、明星大学から2022年に育成ドラフト1位で指名された最速154㎞のフォーシーム、スライダー、シンカー、カーブを駆使する右腕。
ドラフト前の下馬評では、首都リーグの2部とはいえ圧倒的な成績を誇っていたため支配下指名当確と認識していましたが、目立った実績が欠如していたこともあってか育成枠まで指名が回避されるという結末でした。
(にしても、松井レベルの投手が育成枠となった時の驚きは今後も忘れないと思います。)
そんな松井は、ドラフト直後は育成選手として入団しましたが、開幕から2軍戦で好投を見せ続けたことで5月16日に早期の支配下登録。
その約1週間後の5月22日1軍中日戦では、初登板のマウンドに先発投手として足を踏み入れ、5回を68球2安打無失点の仕事を果たしプロ初となる勝利投手となりました。
また、その翌週の5月28日にも先発登板のマウンドを任され、5回自責1の好投を見せています。
しかし、交流戦に入った次登板の日ハム戦では3回を5失点でKO。
その後は9月にリリーフとして再度1軍登板機会は巡ってきたものの、従来の先発としての起用はわずか3試合にとどまってしまいます。
そして迎えた今季は、チームのリリーフ強化の目的もあってかリリーフでのみ起用されており、好投を見せています。
昨季は、2軍での16登板中15回が先発起用だったようにスタミナ不足というわけではありませんが、まずは首脳陣の信頼を獲得するためにもリリーフとして抑え続けていきたいところです。
(4)横浜 - 梶原 昂希(左外野手/神奈川大/25歳)
梶原は、神奈川大学から2021年にドラフト6位で指名された左外野手。
大学時代から打ってよし、守ってよし、走ってよしの3拍子揃った選手タイプであり、入団後には「ハマのギータ」とも呼ばれていました。
そんな梶原は、入団1年目の2022年にOPS.710の好成績を残し若干ではあるものの1軍出場も果たしました。
また2年目は本格的にプロに順応し始め、OPS.859にまで成長。
打率、本塁打数、盗塁数もすべてキャリアハイの成績を残し、トリプルスリーの素養を周囲に見せつけるシーズンとなりました。
迎えた今季は、3月9日‐3月10日にかけて行われた西武とのOP戦で2試合連続逆方向弾を見せるなどの打撃技術を会得し披露。
そのままの流れで1軍開幕戦の中堅手スタメンを奪取する好スタートを切っています。
チーム内には似たようなタイプで昨季GG賞を受賞した桑原がいますが、左右の違いやポテンシャルの高さを見せて正中堅手に名乗りをあげたいところです。
(5)広島 - 田村 俊介(左外野手/愛工大名電高/21歳)
田村は愛知工業大学名電高校からドラフト4位で指名された左の外野手。
高校時代は持ち前の打力だけでなく、最速145キロの左腕投手としても注目されており、本人も二刀流を見据えていたような発言もしていました。
しかし、プロ入り後は高校通算32発の打力を買われて本格的に野手として出場を重ねています。
そして昨季はプロ入り後初の1軍出場を果たし、少ない打席ではありますが打力でアピール。
やや三振率が高くコンタクトには一抹の不安があるものの、長打の期待できる若手有望株としてはこれ以上ない存在です。
チームとしても、昨オフに主力外野手である西川がFA移籍。
外野手の打力が著しく低下してしまい、田村にかかっている期待は相当なものがあります。
彼に求められるものはそう簡単なものではありませんが、まずは1軍公式戦での初本塁打に期待したいところです。
(6)阪神 - 前川 右京(左外野手/智弁学園高/21歳)
前川は智弁学園高校からドラフト4位で指名された左の外野手。
高校時代は1年生の夏から4番左翼で先発出場を果たし、一塁手などもこなしながら長打を量産していきます。
特筆すべきはその打球方向で、公式戦で放った本塁打はすべて引っ張り方向というプルヒッター気味。
本拠地は一般的に左打者が不利とされる甲子園であるため、いかに広角に打球を飛ばせるかはカギになりそうです。
昨季は開幕1軍こそ逃したものの、5月30日の西武戦から1軍に帯同。
序盤はなかなか安打を放つことが出来ませんでしたが、10試合程度すると徐々に1軍に適応することが出来ました。
ただ長打という面においてはいまだ影を潜めており、今季は1軍で初となる本塁打を放つことが期待されています。
何度も言いますが、甲子園で左打者が活躍するのは難しいです。
一昔前に、広島・阪神OBである金本知憲が「東京Dの看板直撃弾でないと甲子園でHRにならない」と発言したのは有名な話です。
そんな逆風の吹き荒れる中で、どれだけ左翼方向に長打を放つことが出来るかが彼の選手生命を分けることになるでしょう。
パリーグ編に続く…
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