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『「天職」がわかる心理学 中越裕史』


ドラマ『ウソ婚』のセリフ。

『知ってる? 死んだあとに見せられる箱の話。生きてるあいだ、ビビったり、最初から あきらめちゃったり、なまけたりで、つかもうともしなかった 本当は手に入れられたはずだったものが入った箱を見せられるんだって、死んだあと。』

本書を読み、このセリフを思い出した。

たぶん今まで通り生きていったら『文章を書くことを仕事にする』が私の箱の中に入っているんだろうな...と思った。

小学生の頃、漫画家になりたいと思い毎日毎日漫画を描いていた。

中学生になると部活や恋に忙しくなり漫画への興味は自然と薄れた。将来の夢はあまり考えていなかった。

高校生の時は国語が好きだったので、大学は文学部の国文科に入りたいと思っていた。
この頃は国語の先生か日本語学校の先生になりたいと考えていた。

しかし高校3年生の半ば頃から、受験勉強に追われる中で私は目標を見失ってしまった。

大学で何を勉強したいかではなく、現役でそこそこの知名度の大学に合格することが目標になった。なぜ目標がすり替わってしまったのか分からない。

多分、二言目には現役合格しろと言う学校の方針と、友人達が推薦で有名大学合格を決めたりしているのを見て焦りが生じたのだろう。

結果、文学部には入れたが前年の倍率が文学部の中で1番低いという理由で学科選びをした為に、国文科には入れなかった。

ちなみに、私と同じ理由で同学科を志望した人がたくさんいた為に、私が入った学科はその年、文学部で1番倍率が高かったらしい。国文科よりも。

今思うと本当に浅はかで笑えるけど、18歳の自分なりに周りに置いていかれないように必死に頑張った結果だった。

このあたりから、あまり将来何になりたいとか考えなくなった。
普通に就職して、結婚出来ればいいと思うようになった。

大学時代に一度、図書館司書に興味を持ったことがあったが、履修科目が増えて大変そう、試験もあるみたいだし...いう理由で、よく調べもせずに諦めた。

そして迎えた就職活動。

本当は本に関わる仕事がしたいな..とこっそり思っていたけど司書は諦めてしまったし、出版社の新卒採用なんて、かなり狭き門だろう。

本=大手出版社という考えしかなく、どんな仕事があるのか、どんな会社なら自分がしたいことが出来るのか、ロクに調べもしなかった。

大手出版社なんて自分には無理に決まってる。
でも受けるだけなら...どうせ書類選考で落ちるんだから好きなこと書いちゃえ!と提出したエントリーシートが通り、筆記試験に進むことが出来た。筆記試験には驚くほどの人数が集まっていて、この中で合格するのは1人か2人だと誰かが言っているのが聞こえた。
やっぱり私には無理だろうな...

筆記試験には当たり前のように落ちた。

ここで本や書くことに携わりたいと思う気持ちには、完全に蓋をしてしまった。
これ以上傷つきたくなかった。

そして、またしても大学受験の時と同じく、入社してからどんな仕事がしたいかではなく、どれだけ条件が良く知名度のある会社から内定がもらえるか、が私の就活の軸となった。

本当にバカで甘ったれだと思う。

そもそも小学生の頃に夢見た漫画家以外の仕事。国語の先生、日本語の先生、図書館司書、出版社勤務...
たぶん『文章を書く仕事がしたい』けどそれは一部の才能のある人にしか許されないことだと思い、それに代わる職業として、この仕事もいいな...と思ったのだと思う。

作家になるよりは現実的だと、小学生の頃より少し大人になった私なりの判断だったのだろう。

しかし、私はそれも諦めた。それらも資格が必要だったり、就職が難しいという理由で努力もせずに初めから諦めたのだ。

◼️天職が見つかる「4つ目の願い」3つの願いが叶い、ありあまるほどのお金を手に入れ、人間関係も問題なく、名誉も手に入れた。では、その後の人生、あなたは何をして生きていますか?

「天職」が分かる心理学 いまの仕事で心が満たされていますか

ここで言われている3つの願いとは、お金、人間関係、尊敬や賞賛のこと。
大人の悩みや欲求のほとんどはこの3つに起因しているという。

私は老後、たくさん本を読んで、旅行に行って、自分の感じたままに文章を書いてみようと思っていた。

65歳で定年を迎え、68歳で死んでしまった父を見て、老後は大体20年はあるかなぁーなんて思っていた私は、老後が必ずやってくるものではないのだと初めて実感した。

自分が今まで、やりたいことからずっと逃げてきたという事実と向き合い、やっと本当は文章を書いてみたいと思っていたことを認め、noteを始めた。

だけど、仕事になる保証はどこにもない。

そんな不安から、また逃げ出したい気持ちになっていた。

受け身な生き方をしてきた自分から、自分で自分の人生をつくって行こうとする、能動的な生き方の自分になる必要があるのです。
学校を卒業したら、とりあえずどこかに就職するのが当たり前。一般的な仕事に就くのが当たり前。リスクがあることには挑戦しないのが当たり前。この当たり前という名の、社会がつくった常識からはみ出るのは、誰にとってもすごく怖いことです。だからつい僕たちは、常識からはみ出さないよう、受け身な生き方をしてしまいます。

「天職」が分かる心理学 いまの仕事で心が満たされていますか

これからの自分次第で、死んだ後に見せられる箱の中身が空っぽっていう展開もあるんだろうか。

父の箱には何か入っていたんだろうか。

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