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【泣いた絵本】きつねのおきゃくさま あまんきみこ

子供に読み聞かせをしながらボロボロ泣いてしまうことがたまーにある。

『きつねのおきゃくさま』は、小学2年生の教科書にも載っている有名なお話。

私はこの話を読んで結末で泣いてしまったのだが、きつねの性格や行動について、子育てというか、人格形成においてこういうことってあるだろうな...と感じた。

以前何かで、『親にいつもお前はあまのじゃくだと言われて育ったから、大人になっても親の前だと、あまのじゃくな言動をしてしまう。』と言っている人を見た。

卵が先かニワトリが先かみたいな話だけど、子供があまのじゃくだったから、親がそう言うようになったのか、親がそう言い出したから、子供があまのじゃくになったのか。

この絵本のきつねはたぶんいつも、ずるくて悪い奴って言われたり、小動物達から恐れられたりして、『あぁ、そうだよ。俺はずるくて悪くて、小動物を見かければすぐにパクッと食べちゃう恐ろしいキツネだよ。』という具合に、開き直って生きてきたんだろうなぁと勝手に推察した。

そして評判通り、実際にずるくて悪いことをしたり、小動物を食べたりしていたんだと思う。

でも初めて『優しいお兄ちゃん』なんて呼ばれて、その言葉の響きにうっとりとしているうちに、段々と本当に『優しいお兄ちゃん』になって、最後には、優しくて、親切で、勇敢で、神様みたいな、お兄ちゃんとして小動物たちの為に死んでいくのだ。

悪い奴だと言われ続けて、誰も近寄らず、誰にも信じてもらえなければ、その人は一生悪い奴のままかもしれない。

でも誰かが近づいて、信じてくれて、『優しいね』って言ってくれたら、その人は優しい人になるかもしれない。

きつねの最期の姿に涙した後、そんなことを考えた。

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