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No.1/「利他って何?」からはじまる読書/【思いがけず利他】(著 中島岳士)

『1ヶ月 毎日 本を読む』ルール


最初の投稿は【思いがけず利他】という本を読みました。細かいことは省いて実際のルール確認。


【ルール】
・手に取ったら、まずなんで取りたいと思ったのか、読みたいと思ったのか自分の心を深掘りして記す
・丁寧というよりはザッと読む
・要約と感想を書く
(ダラダラ書かない為に20分制限を設ける)


です。

手にとった理由

まず、タイトルが面白いなと思った。『思いがけず利他』って何?利己的にしたことが利他的な結果を生んだの?なんて疑問が湧いてきて手に取る。
 それに加えて、最近利他って言葉をよく見るなぁと思いつつ、『人のために』やる気持ち、またはやることみたいな意味合いで思ってるけど合ってるかな、仕事をしていく上で利他の精神を大切にしたいな、確認してみるかという思いで読み始めました。

要約してみる

 様々なモノゴト(落語の話や認知症の話、ヒンディー語の話、哲学者の話、著者の実体験、宗教的な話など)から「利他」とは何かを教えてくれる。
 終始、利他とは『人のためにやる、やったこと』ではないという話が挟まれる。その気持ちがある時点で既に利己的な考えがあり、ある種の脅迫的行動やら支配的関係すら構築されてしまうと述べられる。 
 ”受け取ることで起動する利他” という言葉で示されてある様に、受け手の気づきによって利他とは唐突に、ふいに発現する。ある行動があった、言葉が発せられたその瞬間にはまだ起きておらず、それはそのまま利己のまま終わることもあるし、受け手が送り手の想像を超えた利他として受け取ることもある。かくも、利他とは送り手がやろうと思ってできることではないと書かれている。

読んでみての感想

全体的に自身がこれまで触れてこなかった分野だらけで、すごく脳が疲弊した。ただ、その中でも利他の話をするために登場するヒンディー語の(“「私はあなたを愛している」というように主格を使う場合もありますが、「私にあなたへの愛がやってきて留まっている」というように、与格を使う表現もあります。”)と自分では制御できないことに対して使う与格構文の話はロマンティックで楽しかったし、落語の『文七元結(ぶんしちもつとい)』の話は要約された内容だったにも関わらず涙が出て、実際の落語を聴いてみたいと思った。本ではこの話の解釈について立川談志さんの話を絡めながら進むので、お名前だけ存じ上げていた立川談志さんについても知りたくなった。
 そして、最後の方に記載されていた『他力本願』の本来の意味について知れたことはすごく意味のあることだった。『自分の力ではなく、他人の力を使って望みを叶えようとすること』という様な使い方をされるが、本来は『(自力ではどうしようもないことに対して)自分の力にとらわれることなく、他者(阿弥陀さま)に縋ることが悟りに通ずる』という意味で説かれたものであると知った。何でもかんでも自力・自責で物事を進めなきゃと思いがちな私にとって、自力ではどうしようもないことに対してのある種の諦めや悟りを持つことが他者から発せられるヒントや助けを享受する為にも必要な考え方だなと思った。


まとめ

 利他について知ろうと思って読み始めた本は他の知識もたくさん連れてきてくれて、私の世界が少し広がったなと感じました。ただ、難しいなと感じる部分も沢山あり、もっと歳を重ねた後にもう一度出会いたいと思います。2023.1.16

 

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