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林霙
2023年8月11日 11:25
校舎の裏庭は静かだ。たまに園芸部の生徒たちが来て、小さな畑を耕したり、苗を植えたりしているのを見るくらいだ。 華は、潤が来るのを待っていた。「人の口に戸は立てられぬぞ」 そんなセリフをどこかで聞いた気がする。 潤と翠が二人きりで歩いていたという話は、一日であっという間にクラスメイトたちに広がってしまった。 この際、二人のことなどどうでもいい。(なんで、わたしまで巻き込まれなければなら
2023年8月10日 08:57
翌日は、学校を休むつもりでいたが、華は美術部の話し合いがあることを思い出した。(いいわ ふりまさわされるのはごめんだ) 華は自分でも、割り切りの速い人種だと思っている。いつまでもごちゃごちゃしているのは嫌いだ。友だちも あとを引かないさっぱりとした華の性格を好んでくれている。 美術室に入ると、数名の部員が集まっていた。華があいさつをしかけた時、部員たちが話をやめたのがわかった。なんとなく気