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V34 為になる本『年輪経営』

by 塚越 寛 著
〜選ばれる企業モデル(人中心経営)〜

日本 伊那食品工業株式会社
年商 227億円(2023)
社員数 545名 
創業 1958年 
最高顧問 塚越 寛
代表取締役社長 塚越 英弘

<事業> 
・業務用製品
・家庭用製品
・ふれあいサービス 
  かんてんぱぱガーデン(手作りガーデン)
  かんてんぱぱショップ
・農園事業(有限会社ぱぱな農園)
・清酒事業(米澤酒造株式会社)
・園芸事業(ハマ園芸株式会社)

<社是>
  いい会社をつくりましょう!
  〜たくましく そしてやさしく〜

<目的と手段>
 『社員をはじめ、取り巻く人を幸せにする』

これが、あるべき姿!製品やサービスを販売し、利益を上げ、再投資し売り上げを上げていく?本来の目的よりも利益や売り上げが優先されいつのまにか、目的と手段が変わってしまっている!

ex, 人件費は経費であり、コストです。
   本当に削減すべきでしょうか?
   「人の幸せ」(目的)を主に考えれば削減がいいとは思えない!
   幸せになるためにはお金は必要な要素です。
   幸せになるためには、収入を増やす、つまり人件費を増やすことが
   目的そのもの!

ex, 福利厚生も同じだ!どれだけ快適に仕事ができるか!が、
   優先すべきことだ!

■しあわせになるために
睡眠を除けば、一番長く過ごす時間は「働く」時間。一生のうち、多くの時間を働いて過ごす。それをただ労働の対価を得るためだけの時間とするのは、もったいないことです。自分の時間を成長するために使うことが、自分を大事にすること!

➡️会社は、そのための教育機関、学びの場とするべきです。そして、目標は個人や支店で設定しています。自分達で考え、実行します。考えるから成長につながり幸せな人生になっていく!いい組織のために「いい会社」にするためには「いい組織」になることが重要!当社が目指すのは『家族』。社員=家族と考えています。家族は、お互いに、協力し合い、一枚岩になれるからです。当社の人事評価は、「年功序列」です。年少者が年長者を敬う自然のカタチと信じています。「家族」だから、朝の掃除、社員旅行、ラジオ体操はみんなでやります。みんなでやるから、一つにまとまり家族の『絆』ができていきます。
 
■年輪経営
当社の経営のやり方を「年輪経営」と呼んでいます。「年輪」は毎年必ず一つ増えます。いいときも悪い時も確実で安定した成長が、自分たちだけでなく会社を取り巻くすべての人々の「幸せ」につながることを実感しています。

これが、創業者で最高顧問に就任している塚越の見事な経営!モットー 『いい会社は美しい!』

■塚越最高顧問2つの想い 
◯「遠くをはかるものは富み、近きをはかるものは貧す」
  (二宮尊徳)
◯「忘己利他」(最澄)

★★★もう一つのモデル★★★
Italyの小さな村ロッカ・ディ・カンビオのホテル・リストランテ
従業員は多国籍企業の人達、人中心の経営を続けている

ex, 料理担当はバングラディッシュ出身の単身者
◯「妻が故国バングラディッシュで出産」の連絡にオーナーと
 仲間達の協力で「air ticket」と30日の休暇をプレゼント!
◯Italyにもどっか彼に、家族が住める広さの家を用意。
 今は、妻と子供と住んでItalyロッカ・ディ・カンビオの
 自宅で第2子も生まれ、楽しくすごしている。
◯オーナーのモットーは『全員家族の経営』で『選ばれる会社』
◯社員だけでなく、お客様からも、応募者からも選ばれている!
 「選ぶ企業」より『選ばれる企業』へ

以上


kentakunte私見

2024年3月20日は、世界幸福day!
世界の関心は高いが、日本ではさほど脚光を浴びていないと感じ、残念に思っていたがFANBASE Co.,(野村グループ)が2024年3月5日に『顧客幸福度』と『従業員幸福度』に関する研究を開始したとのこと。その結果の第1弾reportが発表された。

2023年の主要7カ国首脳会談(G7広島サミット)で『ウエルフェア』(幸福)を追求する経済政策が提唱され、「幸福」はGDPに代わる「豊かさの新指標」として、提示された。FANBASE Co.,の発表第1弾は、その提示を受けての研究発表であろう。

日本のPEST(Politics・Economy・Society・Technology)の進化に注目しているが、世界の経済政策は、確実に動き出している。悲しいかな、裏金問題や少子化問題、微々たる金利政策や一部の好景気に沸く大企業や株式市場・億ション住宅に我が事のように成果を唄う日本の政治を除いて、、、(億ションなど買えない。これから自立していく若者には、住む場所はいらないとでも思っているのだろうか?!)

世界標準となりつつある幸福度基準SHS(subjective happiness scale)の世界ランキングは、

1位  Finland
2位 Denmark
3位 Iceland
4位 Sweden

とりわけ、1位の Finlandは2023年11月からBasic Income制度の導入実証実験に入っており、3月20日の世界幸福dayに、その中間報告reportとしてメリットを開示した。

◯ やりたい仕事をやれるようになった
◯ 個人の信用度が上がった

( Basic Income制度とは、 Finland国民であればだれでも600ドル=約70,000円受給できる制度)

そもそも、政治って、なんのためにあるのだろうか?(次回の小生の『V35為になる本』にて、明石市長 泉 房穂著『10代からの政治学』の要約本で応えられるだろう。)

政治はともかく、企業ができることもある!これからの目指すべきは、伊那食品工業株式会社の勧めておられる明確な『社是』と実践『年輪経営』に感銘を受けるのは、私だけではないだろう!

遅ればせながら、弊社も、選ばれる企業づくりのための『周りの人を幸福にする』marvelous就業アルバムを配本予定である。

企業のリーダーたる経営者の一人でも『人中心』のたくましい経営に目覚めて欲しいと心底願っている。

2024年3月30日 kentakunte


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