最初の就職の話 ③
同じ課内には私と年齢の近い先輩方が3人いました。
その中にひとりいた女性が私と同じ歳ではあったのですが、直接仕事を教わることはなかったので自分から話に行くことも、相手から話かけてくることもなく、またその先輩女性は少し年上の経理部の女性と親しくしていました。
本社の事務所内で働く年齢の近い女性は6人いましたが、お茶汲みの時間や朝礼前に女性たちが他愛のない話をする中、私は話の輪に加わることも出来ず、また透明人間のように関心をもたれない存在でした(もしくは自分がそう感じていただけかも知れません)。
お茶汲みの風習も自分は馴染めませんでした。
朝の10時前と、昼の3時前になると事務所内の若い女性全員が集まって皆さんが飲まれる飲み物を淹れるのですが、ひとりひとり飲むものが違っていて誰に何を淹れて運べばよいのか混乱するばかりでした。
加えて取引先の会社やお客様からいただいたお菓子などがあれば、どこの会社の誰からそれぞれにいくつを‥というたったそれだけのことで頭がいっぱいいっぱいに。
そして朝は女性だけ就業時間の30分前に出勤して、事務所の建物内(1階から3階まで)の清掃を行いました。
古い和便器の清掃や、階段は濡らした新聞紙を千切ったものをばらまいて履くなど、自分には馴れないことである上に、女性だけが清掃にあたることや給与が発生しない時間であること、その非効率な手順に納得ができず、けれど誰にも話せずストレスを溜め込んでいました。
長年勤めておられる経理部長も女性であるがゆえに、おそらく女性自らが決めたこと、時代背景もありそれを否定するなどとても出来ませんでした。
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