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共通テスト2024世界史Bを解説したりする(高二素人目線)

 こんにちは或いはこんばんは、ドイツです。新年あけましておめでとうございます。今回は先ほど今年度の共通テスト世界史Bをたい焼き食いながら解いたので、その全体概観と軽い解説を、高二目線で解説していけたらなぁと思います。それでは行ってみよー

…の前に、見ず知らずのクソガキが解説するのを見るのも酷だと思うので、軽く僕のキャリア(笑)を紹介しますね
・高校受験時代の模試で、社会科の偏差値は常に70over。順位も二桁安定でTOP3も何度も
・センター世界史8年分、本試で8割未満なし(19追試はオワコン)
・↑に付随して、9割多数
・京大世界史、短問だけでも80%以上は安定 
 こんなところです。まあある程度は信用できるんじゃないかなぁと思いま

(あと、自分の中でわからなかったところは解説も曖昧です…申し訳ない)


1.点数と全体概観

 まず僕の点数から…89点です。うん、なんとも言えない!まあ高二にしては高いんじゃないですかね知らんけど。

難易度ですが、予備校や受験生は🦑と発言されていますが、個人的には普通の難易度だったんじゃないかなぁと思います。普通に資料が多くて読解も面倒臭かったし…(まあその場合は知識でゴリ押しましたが)何より私は文化史未習なのでその分ハンデも多かったです。高二生の人は50点取れてれば十分だと思います。

出題形式としては、昨年度と同じく複数の教科書資料集で(おそらく) 未出の歴史資料を用いてそこから知識や思考力を問う問題と、メモが正しいか否かを問う個人的クソ問題の二つが多かったと思います。てか単純に参考資料がなげえ!そんなにたくさん記載しても本質的情報なんて一行にも満たないのに、ただただ印刷費と受験生のストレスだけが嵩んだクソテストだと思います。共通テストは死ぬべきだ。
 また、先ほど知識と思考力という表現をしましたが、個人的には前年度や前前年度と比べると知識面に重きが置かれていると感じました。というのも、確かに一見難しそうな所見の資料問題や会話問題はあれど、そこから下線部なり穴埋めなりで問われているのは結局センター試験と同等かそれ以上の単純な知識なんですよね。ですから、本質的には京大入試の大問Ⅱ,Ⅲ/東大入試の大問3と本質的には同じという印象を受けましたね。
 
 今後の世界史の対策についてもお話ししておきます。先述の通り、知識に重きを置く、いわゆる私大入試に近づけるというのが文科省の方針なのであれば、形式問わず受験で世界史を使う諸君はまずは世界史の通史をいかに早く終わらせられるかが鍵になってくるかと思います。というのも、センター時代から一貫している方針として、共通テストの世界史は基本的に通史から出ます。文化史やテーマ史はそれに肉付けした程度です。そしてこの文化史という曲者は、通史がわかって当時の情勢がわかっていないと理解し難いです。なので使用者は全員、通史の徹底理解とその中での本質を抽出できる訓練をしておきましょう。他の文化史などは後からいくらでも補填できます。
 で、二次試験や私大一般受験で世界史を選択する、要は国立の論述問題や私大の重箱の隅をつつくような難問を出題する大学を受験しようと考えておられる諸君は、上記のように通史の徹底理解はもちろん、自分の中でそれを説明する力も必要になってきます。例えば、巷にはよく一問一答が跋扈していますが、多くの受験生は"質問文⇒用語"の片道ルートしかこなしておらず、"用語⇒質問文"という、いわゆる逆に用語を説明する力を養わなければなりません。歴史の全体像を理解する際に、曖昧な理解で放置せずにしっかりと自分の中で噛み砕いて抽象化できるようにしましょう。時間はかかるでしょうが、その積み重ねが論述力を養ってくれると確信しています。ガンバー

…とまあ、愚痴になってしまっている講評(笑)は置いといて、早速大問ごとの解説にまいりましょうか

2.大問別解説

*難易度表について

当サイトでは、問題の難易度を示すためにA~Dの4段階で難易度を分けます。大数評価みたいに思ってくれりゃ十分です。

大問1

A:中国の王や皇帝に関する問題。なげえ
B:ヨーロッパの(ry。クソなげえ
C:福祉制度について。長くはないがめんどくさい。4ね
総評:B。これといった難問もなく、良問?ただ知識を問う問題が多かったイメージ。

(1)読解問題。A
①正解。こういう問題は国語で出してくれ
②郡県制の部分が誤り。李斯は先の周王朝について批判しており、彼らは封建制です
③,④共に整合性✖️

(2)空欄補充。A
呉三桂は明末清初に活躍した軍人で、三藩の乱で殉死しました。魏から皇帝位を受け継いだのは司馬炎です。
→正解は④

(3)争乱についての問題。B
文章中で、前漢と西晋の例を挙げているのでこれに該当するものを探すと、前漢におきた呉楚七国の乱が該当します。黄巾の乱は後漢末に太平道の教祖が起こした乱で、赤眉の乱は前漢のあと政治を牛耳った外戚の王莽が始めた新王朝の時代のものです。
 出来事としては、「一族に対する分権の弊害が現れた」出来事を探せばよく、Xは、これによって明王朝を建てたので関係なし。Yは、靖難の役のお話でこれが正解です。

(4)人物評価の問題。B
 一見誰やねんと思うかもしれませんが、「ローマ教皇から戴冠」,「神聖ローマ帝国の起源」とあるのでオットー1世でしょう。すると、
①メロヴィング家の王を廃位した(させた?)のは小ピピンで、これよりだいぶ前です。
②レオ3世によって戴冠されたのはカール大帝で、これより約150年ほど前です。
③カタラウヌムの戦いは、西ローマ帝国と西ゴートのテオドリック軍が衝突した戦いで、5世紀のお話です
④正解。ちなみにカール大帝が撃退したのがアヴァール人です。間違えないよう

(5)読解問題。C
ノルマンディー公ウィリアムより人物はすぐに断定できます。内容に関して、Xはすぐ違うとわかりますが、個人的にYZで少し吟味しました。が、Zに関しては資料1はハロルドを称賛しているのにノルマンディー側であるのはどう考えてもおかしいので、普通に消去法でYということがわかると思います。
正解→②

(6)英欧関係。A。
①エリザベス1世は逆にフェリペ2世を目の敵にしてるゾ。統一法とかみたらカトリック絶許マンであることは自明
②正解。産業革命以前のイギリスは羊毛を主軸に貿易を展開した。
③フィリップ4世の部分が誤りで、正しくは2世。
④大陸封鎖令の部分が誤り。これは19世紀初頭のナポレオン戦争での出来事。

(7)年表当てはめ。D
下線部の直後にヴィルヘルム2世のお話があるのでc,dに絞り込めます。が、ここからどう切るかがわかりませんでした…ヴィル2の治世は両時代ともに当てはまっており、ここだけで切るのは不可能…運よく1/2で正解を当てられましたが、これに関しては解説が欲しいです…
→正解は③

p.s. コメントより、本文中で1908年以降イギリスで同制度が施行された旨が書かれているので、そこから③に絞り込むのが正攻法だったようです。

(8)イギリスの政治。C
グラッドストンとあることから、自由党の話題であることがわかります。
①:正解。アイルランド自治法案はグラッドストン内閣の時代に作成,提出がされましたが、保守党による反発でなかなか通りませんでした。
②マクドナルドはイギリス初の労働党として知られており、誤り。
③スエズ運河の株は、1875年にディズレーリ内閣(保守党)が買収しました。
④知らん

(9)首相の名前。D。戦後史まともにやってないのできつかったです。普通に間違えた

資料より、首相は小さな政府を主張していることが推測できます。すると、それを主張した首相がサッチャーであることがわかり、以上より自動的にZであることがわかります。
→正解は⑥

大問2

A:アレクサンドロス大王について。なっげえ
B:米国の領土問題。読みにくい
C:朝鮮戦争について。これはまあマシ

総評:B単純に資料から推察をするという問題が多く面倒臭いが簡単ではある

(1)読解。B
①後者は合っていますが前者が誤り。彼が滅ぼしたのはアケメネス長ペルシャで、バビロン捕囚を行ったのは新バビロニアのネブカドネザル2世です。
②正解
③ペロポネソス戦争はギリシア内部で起きた、デロス同盟(アテネ中心)とペロポネソス同盟(スパルタ中心)との間で起きた抗争なので誤り
④フィリッポス二世はマケドニア人なので、デロス同盟を率いてない

(2)大王の評価。A
あ:共和政末期は紀元前で、マニ教はキリスト教をもとにした宗教です…キリストも生まれてないのにキリストをもとにしたものが広がるわけなかろう。
い:正文。帝国主義はちゃんと正当化されてます
→答えは③

(3)ミシシッピ川以西のルイジアナ。D
↑個人的にこれと次の問題が最難関だと思う(ちゃんと間違えた)。アメリカ史の爪が甘いことを痛感しました…要復習!

まず、ミシシッピ以西のルイジアナはナポレオン時代のフランスから買収しました。ここまではいいのですが、問題は州の名前!おそらく南北戦争時代にリンカーンが出したホームステッド法の類だとは思いますが、州の名前が思いつかない…テキサスもミズーリもどっちも当てはまりそうだったし…ですが、歴史的にはミズーリの方で奴隷制度が続いたそうです
→正解は④

p.s.テキサスは南部連合国に含まれてるから自明だった!D→Aで

(4)(5)法令の問題。D+++。アメリカ史(ry
 正味僕もいまだによくわかってないので割愛します…勉強しなおす

(6)穴埋め問題。A
 イとウ:イが西側,ウが中国側だとすぐにわかるのでそれぞれ国連軍と人民義勇軍です。
 エ:アメリカも参加してたとあるのでSEATOが正解。
→正解は②

(7)チェコスロバキアの問題。A
48年に共産党クーデタ→同党の支配の流れから、チェコスロバキアであることがわかります。これによって鉄のカーテンがさらに東寄りになりました。
①ボズナニはポーランド!
②チャウシェスクはルーマニア!
③ブルムはフランス!
④正解。地図も確認しておこう

(8)グラフ読み取り。A
内容は小学生でもわかるので割愛。第一次五カ年製作は遅れていた近代化を促進するために重工業の発展に重きを置きました。ちなみにZはアメリカのルーズベルト,Xは僕も一瞬迷いましたが、ロシア内戦時の出来事のようです。

大問3

A:インド交通史 。会話ページいる?????
B:合衆国の交通
C:ロシア史
総評:B。内容読み取りは簡単ですが、因果関係などがそこそこ面倒臭そう…?

(1)インド史。C
教授の発言によると磨崖碑や石柱碑を建てたことから、アショーカ王であることが読み取れます。
①多分もっと後(曖昧)
②エフタルの侵入の記録はマウリヤ朝代ではなし
③正解
④法顕がきたのはグプタ朝です!

(2)デリー史。B
①第一回が行われたのはインドのポンペイです
②インド4大綱領はカルカッタでの会議で決議されました。
③タージマハルはムガル帝国時代にアーグラに建てられました
④正解。デリー=スルタン朝より

(3)メモ選別。A
メモ1:全然道路が南端まで到達していません!
メモ2:正解。イギリスのインドにおける鉄道敷設政策は、農作物をより効率よく港に運ぶために考案されました。
⇒正解は②

(4)並び替え。B
あ:恐らくWW1後の、アメリカがヨーロッパにした多額の資金援助のことを指しているのだと思います。
い:第二次世界大戦(1939~45)時のアメリカの政策ですね。まあこれの目的の大部分はソ連への支援なのですが…
う:世界恐慌の際にルーズベルト大統領が行った公共事業政策の一環です。
→正解は あ→う→いで②

(5)読み取り。A
20年代前半は戦争による好景気でアメリカ経済は空前の発展をしました。なお10年後。資料は見りゃわかるので飛ばします

(6)資料問題。B
国名:これは恐らく三帝同盟のことを指していると思われるため、ロシアと同盟を組んだ国として当てはまるのはドイツです。というかイタリアとは元来まともな同盟を結んでないし…
理由:読めば明らかですが、フランスアンチなのが自明なので…
→正解は②

(7)メモ選別。B
藤井さん:クリミア戦争で負けたのに領土が増えてるわけなかろう!恐らく、露土戦争やアレクサンドル3世主導の近代化政策によるものかと。
西原さん:正解です。この頃にクリミア戦争敗北による財政難でロシアはアメリカにアラスカを買収し、また91年には露仏同盟を締結し、シベリア鉄道を延ばしてました。
→正解は、②

大問4

A:文字
B:コロンブス
C:中国の文化史←🖕
総評:C。読み取るのは簡単ですが、如何せんメモの吟味が大変だった気がします。

(1)人物史。B
キリスト教を公認したのはコンスタンティヌス帝で、彼はコロヌスの移動を禁じました。また、彼が行ったのはニケーア公会議であり、アリウス派を異端とします。公会議はちゃんと覚えようね!また、アリウス派は後にゲルマン人を中心に布教されていきます。
Xはカルケドン公会議,Zはエフェソス公会議です。
→正解は⑤

(2)世界文化。B
①ゼロの概念は、グプタ朝のインドで、グプタ文化の下生まれました。
②ミニチュアールは元の時代に中国文化を継承してイスラーム世界で発展しました。アマルナ美術は古エジプトでアメンホテプ4世のもと発展しました。
③正解。イスラームの学院名なども覚えよう
④イクター制を開始したのはブワイフ朝で、各州のトップに徴税権を与えるというものでした。

(3)シリア語。C
①シュメール時代に用いられたのは楔形文字で、後にアラブ語に取って代わられます。
②ジズヤはイスラーム以降の文化なので、それ以前のパルティアは完全に誤り。
③正解。アッバース朝のバグダードは空前の発展をしました。
④違うとは思うけど、完全に切ることのできる根拠がない…

(4)言語史。A(語文を選ぶ)
①ルターはドイツ人だぞ
②〜④全て正文…文化史全部これくらいの難易度でいいのにね

(5)ポルトガル史。D
一応④が歴史的にも正しいとされています。他はよく考えてみると歴史的に齟齬が生じていることがわかると思います。というかこれしか説明する方法が思いつかない

(6)考察問題。A
文章より、定説としてスペインで国語が成立していたからスペイン語を使うコロンブスはスペイン人だ、という因果関係を利用していることがわかります。また、価値観としては列強の帝国思想は関係ないしもう少し後の登場ですので今回は除外。
⇒正解は①

(7)中国動乱。A
逆賊が「安禄山」であることから安史の乱であることは容易に想像がつきます。とすると当てはまるのは、唐はウイグルの支援をもとにやっとこのソグド人の反乱を鎮圧できたので、④になります。
①→唐末期の黄巣の乱です。これが滅亡の原因となったとされています
②→何を指してるのかわからない…
③→朱全忠のことか?

(8)中国文化史。D←ミスった
韓愈の思想とか知るかよ!と思いましたが、前後の文脈より昔を重んじるとのことだったので脳死で古文にしました。入る文は全く想像できなかった…一応後から落ち着いて読んだところ貴族要素を否定してるっぽい…でもわからんよ
→正解は③

(9)乾隆帝のお話。D
 メモ1:乾隆帝は文字の獄で反清の書物を徹底弾圧しています。←これ知らないときついかも
 メモ2:同様に誤り

→正解は④

最後に

 はい、解説と言っときながらすごい適当になってしまい、なんなら自分の中で根拠不明確な部分も往々に存在しておりそれをそのまま反映させてしまい申し訳ありません…今回のロト6で自分の世界史勉強がいかに本質を見据えてないかが理解できたので、今年度はより一層本質を意識した学習をしていきたいと思います。

解説も、あまりいい評価は得られない(そもそも見てもらえるかしらん)と思いますが、一般高二生が共通テスト世界史B本試を解いた感想として捉えてくださると幸いです。
 あと、他の記事で京都旅行や京大数学の解説(一部だけ)なども取り上げておりますので、暇な時に一読してくださると幸いです。

どいつ

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