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ドラマ:パンとスープとネコ日和(2013)全4話

このドラマのことを記録しようと思い出していると、気がついたら「クレイジーラブ」を口ずさんでいる。
ちゃうで、それは「かもめ食堂」の主題歌や!!

と、ツッコミを入れるところまでを幾度となく繰り返した。
そんなドラマ。
雰囲気が「かもめ食堂」に似ています。

こういう作品があることも知らず、ぽっかりと時間ができた時に予備知識なく鑑賞。
タイトルと、お料理をする小林聡美さんのビジュアルで
「これは…間違いなさそう」
との根拠ない自信が(笑)。

主人公のアキコさんは編集者をしていたのだけれど、お母さんが遺したお店を自分のお店として改装して、パンとスープのお店を始める。そのお店とその周りの物語。
アキコさんの思考が基本サッパリしていて、ありのままを受け入れて流れて行くのだけれど、自分を持っていないということではなくて逆にとても確固たる自分がある。
編集のお仕事を辞めると決めるまでどのくらい葛藤があったのか、自分のお店をどのようなお店にしようといつ決めたのか内装はどう決めたのか。
退職までの期間はどのくらいだったのか、開店までの期間はどのくらいだったのか。
このあたりの経緯はドラマでは徹底的に語られない。
それが面白い。

上記のアキコさんの気質はお店運営でも表れており、お店のスタッフを選考する際も、クセのある応募者は応募者として受け入れながら、それでも焦ってヘンな決断はしない。
最終的に、しまちゃんというかわいらしい女の子が来てくれて、アキコさんは満を持して彼女を雇うことに決める。
また、来店してくるお客さんに対してもそれは同じ。
「子どもにヘンなものは食べさせたくない」
と徹底したお母さんに対しても淡々と接して(特にストレスをアキコさんが感じているふうでもない)、娘への対応を見ても特に感情はぶれない。
自分を前面に出して主張することはしないけれど、妥協はせずしなやかに経営する。

わたしは自分の判断ひとつひとつにくよくよして、
「あれで良かったのか?」
と悩むタイプの人間なので、アキコさんには感服した。

しかしそんな彼女も最終話で先生(岸恵子さん。美しい)に手紙で
「(今までは自制してしまっていたので、今後は)好きなことをして不良になる」
というようなことを宣言する。
こちらからすると
「えっ、アキコさんけっこうしなやかに好きなこと選び取ってるよ!!」
と思ったのだけれど、彼女のなかではそうなのだろう。

確かに自分で自分を解放して、好きなことを選び取って生きるほうが自分らしく、自分の心地いい幸せに辿り着けると思う。
いまわたしもなんだか息苦しい我慢の日々が続いており、ここから先の人生どんなものを周囲に置きたいか、どんな世界の住人になりたいかを真剣に考えているところなのでとても参考になった。
先達のアキコさんに心から感謝!!




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