動物見知り

悩める大学生。初対面はわりとイケる方の人見知り。ライバルはカラオケ採点の全国平均。夏でも唇がカサカサ。よくお腹が鳴る。歩くのが早い。

動物見知り

悩める大学生。初対面はわりとイケる方の人見知り。ライバルはカラオケ採点の全国平均。夏でも唇がカサカサ。よくお腹が鳴る。歩くのが早い。

最近の記事

「若いね〜」への返事

 年齢を聞かれて、それに答えると「若いね~」と言われることがある。親戚の集まり、バイト先など様々な場面で繰り広げられている会話だ。これを私が書いている、もしくはあなたがこの記事を読んでいる瞬間にも世界中のどこかで、このやり取りをしている人たちがいてもおかしくないだろう。だが、その頻度に反して正しい返し方が私はいまだに分かっていない。まず、「若い」という言葉が相手にとってどういう意味を持つかによって変わってくる。ポジティヴな意味で使用しているのか、ただ年齢を聞いたときの相槌とし

    • うっかりとした天使

       私は仲良くなれる人が極端に少ないと思う。仲良くなったつもりでも相手からどう思われているのかは全く分からない。ある人は私のことを哀れに思い善意で接してくれているかもしれない。ある人は険悪になるのがかえって面倒に思い、わずらわしさを感じながらも関わってくれているのかもしれない。実際に、気軽に誘える友達や無条件で挨拶をできる友達の数は片手で数えられるほどしかいない。友達である前に他人であるという事実から、完全に相手を信用しきれない自分がいる。殆どの人がそうなのかもしれないが、私は

      • 居酒屋のポテトの偉大さ

        はじめに 居酒屋でのポテトは過小評価を受けているように思う。それどころか頼む人は子供だという意見すらある。そんな意見の人こそに改めてポテトの偉大さを知ってほしいという気持ちからこの記事を書こうと思った。知らんがな、余計なお世話じゃと思う気持ちも分かるが、読んでくれると嬉しい。何か小さな気付きがあればより嬉しい。 本文量が多く間が持つ  まず前提として居酒屋に行く理由は、単純な食事というよりも会話を楽しむという目的があると思う。お酒を飲むと話しやすくなるというのは私もたびた

        • 純文学かぶれの日記

           夏の朝は嫌いだ。閉塞感のある部屋に漂うどんよりとした暑さと体中を這うように流れる寝汗が私を不快な気持ちにさせる。さすがに少しの間は休んでいたいが、大学の講義に遅刻しないように重い体を動かさなければいけない。嫌な気持ちを抑えながら、朝の支度を機械のようにこなして外に出る。強烈に差し込む太陽の光が容赦なく襲い掛かり、視界が揺れるような錯覚さえ起こす。まるで白昼夢を見ているような気分だ。とにかく暑い。白く幻想的な世界に持っていかれそうになるが、足で地面を踏む感覚を強く意識して何と

          「ありがとうございます」という言葉に思うこと

           「ありがとうございます。」 日本で生活する自分たちにとってよく耳にする言葉だ。とても不思議な力を持った魅力的な言葉であると思う。口にする方、される方のどちらの人もいとも簡単に幸せにしてしまう。いわば魔法のようだ。しかし、この世の中に完璧な魔法が存在しないようにこの言葉で手放しに幸せだと感じられない人間がいる。それが私だ。幸せになれないというのは多少言い過ぎたかもしれないが、苦悩しているのは事実である。それは、この言葉は「あまりに長すぎる」からだ!この長すぎるというのはレジで

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          自己紹介での趣味と特技

           自己紹介を一度もうまく出来た記憶がない。思春期に入る寸前の小学3年生ぐらいの時は、自意識がそこまで強くなかったため上手く出来ていたのかもしれないが、残念ながらその時の記憶はない。自己紹介の時期が近づくたびに、慌てて自己紹介用の趣味や特技を無理矢理作ろうと思うのだが、自己紹介に自分が振り回されていることにモヤモヤしてやめてしまう。結局、自己紹介の時に後悔するというのがここ10年間のルーティンになりつつある。  一番最近の自己紹介では、お笑いが見るのが好きと言って具体的な芸人の

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          逆張り

           よくネット上で目にする言葉である。意味としては天邪鬼と同じように感じるが、逆張りの方が意味がイメージしやすいように感じる。  それはさておき、私も歴とした逆張リストである。ここでいくつかのエピソードを紹介する。  一つ目は中学の合唱コンクールでかなりのガチ勢だったことだ。 一応言っておくが私の性別は男である。男子中学生のくせに「合唱コンクールとかめんどくせー」っていうベタなことを一度も言わずに、そんなことを言っていたクラスの男子を睨みつけていた。女子よりも弱かった自分は「し

          夜のスーパー

           私は夜のスーパーが好きだ。生気がなくて妙に落ち着きつく。特に夕食の時間が過ぎた21時頃から私にとってのゴールデンタイムだ。他人に対して特別劣等感を覚えやすい私にとって、この時間帯のスーパーは子連れの家族、夕食や宅飲みの調達をする大学生のカップルや仲良しグループといった目がつぶれそうなほどキラキラし、無意識のうちに自分の中に影を作り出してしまうような人々はそこに存在しない。バイトや仕事帰りのくたびれた人々が店の外の景色のように暗く、憂鬱な空気を纏い等身大でただそこに存在する。

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          男の一人称

           私はここ十年ほど、一人称の呼び方に頭を抱えるほど悩んでいる。最初に使っていた一人称は自分の名前であったと思う。さすがに違和感に気づいたのか、小学5年生あたりに「ぼく」へと変えた。今では小学校高学年で「ぼく」にしたのは乗り換え先を間違えた感じがするが、あの時の私にとって誇らしかったのか必要以上に一人称を多用していた。それも鼻息を荒げながら。  それから中学、高校は「ぼく」とともに笑いあり、涙ありの青春(嘘)を駆け抜けていった。ことの重大さに気づいたのは大学生時代。以前より気づ

          おとめ座

           「〇〇って何座なの〜?」  小学校の頃に恐れていた質問の一つだ。男なのにおとめ座だからだ。  先陣を切って思春期を拗らせていた私にとって、この世に男として生を受けると同時に、意図せずおとめの要素を備えてしまったことはとても恥ずかしいことだった。また、男なのにおとめ座であることが発覚してしまったとしたら、弱みを握られたように感じるため、ひたすら相手に警戒し続けないといけないと本気で思っていた。まるで現代の隠れキリシタン。乙女座ではなく、「おとめ」座と平仮名でゆるふわ感を出して