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映画感想 『あのこは貴族』

結構前の作品だし、数年前にすでに観ていたのだけれど、
ながしみという悪行をしてしまったので
再度ちゃんと観てみました

小説を映画化したもので印象的なキーワード、キーフレーズがいくつか出てくる

あのこは貴族

題名にもなっているけれど
「貴族」は本物のわけではなく、日本の上位数%いるかいないか位の所謂由緒ある代々続くお金のある家系の人達

そういう意味だけでもなく、相対的にみて自分とは生活レベルが違う、経済的な価値観が違う子達に対して、劇中の庶民な子達は使っている印象

こういう人達は、金銭感覚だけでなく
色々と価値観が違う
違う価値観、違う普通の中で生きている
特に女性はただそれに従うだけの役割を与えられている

(東京は)別の階層の人達は出逢わないようになっている

まさにそう
このフレーズはそうそう!となった
現に東京下町貧乏育ちの私は大学に入るまで関わった事がなかった
大学は国立大学だったのだけれど
公立大学って、金銭的に困っている人が行くところだと思っていた
だって東大よりも慶應、早稲田などの方が設備だって良いでしょ、きっと
今も国立大学は赤字との戦いのようだし、
なんでお金持ってるのにわざわざ国立目指すのか私はイマイチ理解出来ない

なんで?
と思うくらいには、お金持ちが多かった
少なくとも私のように、実家が生活費もカツカツで外食にほぼ行ったことない、家族旅行なんてない
金銭的な理由で国公立しか選択肢なかった
みたいな人はとても少数に感じた
裕福でなくても高水準、親の学歴も高い
そんな感じ
文系は特に見るからに(そう、見るからに分かる違いが)服装が華美とか分かりやすいブランドものばかり持っているではなく、なんだか見るからに分かる!人達がいた
美人多いんです、派手にしていないお化粧も控えめな美人
あとは賢さが半端ないタイプもお金持ち多かった

いたんだ!ここに!っていう感じ
街中でも行くところ違うんだろうな

余計なことを考えず、ただ従っていれば
金銭的にだいぶ恵まれた貴族の生活が出来るのに

(地方の閉塞感のある環境と貴族の子達の)環境が似てるね

これも衝撃的で、頭叩かれた感じ
私は東京で生まれ育ったけれど、
地方の男女の役割差、ジェンダー格差とか、
それに対する同調圧力?変えるなよっていう圧力が
経済的に恵まれていたり、代々続く名家にある
それは確かにそっくり

これは日本独特なものなのかもしれない

私は吐きそうなほどこれが嫌いだし
受け入れがたいし
そもそもこの価値観を理解できない

たとえ経済的に恵まれたとして、
それで自由が侵害されるならば本末転倒で
奴隷がお金持ってても幸せなんかなって思っちゃう

でもこれは変人の私の少数派な意見で
大抵の人は
貧乏だけれども自分のことは自分で決める事が出来るより
お金持ちだけれど、自由の効かない奴隷
の方を幸せと思うらしい

それを手放すのはバカだと思うらしい

この作品では両方の人達を描いている

そしてこの貴族とそうでない人達から
見えている世界そのもの、生きている世界そのものが違うという事が表現されている

どちらが良いとか悪いとかは言っていない

前からずーっと社会の中に存在していたことなんだけれど、
今まで取り上げてる作品はあまりなかった
特に女性からみた世界を描いているのも面白いと思った

ちょっと自由よりを良しとしている(主人公の選択により)のは、
作家という人種が書いたがゆえ、逃れられない価値観なんだろうな

私もそっちよりです

お金は欲しいけどね
お金で解決出来ることはあるけれど
羽根をもがれることほど辛いことはない

だったら自分で作る事を考えてしまうのは損な性格なんだろうなぁ
ただそういう人種もいるし、そういう人達も当たり前に自分の好きに生きる権利がある

というわけで今回も役者さん良かった

特に門脇麦さんは好きな女優さん
自然すぎる
可愛い

今回はUnextで鑑賞

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