IT業界でSEやPMとしての評価や仕事の癖や意識の改善について1


私はこれまで20年以上、
IT業界でSEやPMとして働いてきました。

これまで自分が経験したことから
会社員として、SEとして働くときに、
ちょっとした工夫で、評価や成果が、
変わってくることがあるのでは?、
というテーマで何回かにわけて、
書こうと思います、
(その1回目です。)


若い人や、IT業界で働き始めとか、
これから働く人に、ほんのちょっぴりでも、
参考になったら幸いです。

1.はじめに
最初になんの話を書こうといろいろと考えました。

・SE技術に関する専門知識、
・リーダー論・プロジェクトマネージメント・仕事論、

等は、いろいろなタイプの成功している方々が、
いろいろな書籍を出していると思いますし、
私のようなものが書く意味も意義も、
あんまり参考にならないかなあ、と思いました。

なので、私の身近で起きたこと、感じたことを、
具体的に例題としてあげてみて、
現場で感じた率直な感想や意見を、書くことにします。

(架空の人物の事例です。これまで出会ったいろんな人や仕事を混ぜ合わせた、ケース例として、以下を記載します。)

さて、最初の事例は、
以下のような<良い点><悪い点>がある、A君を
例題として、SEとして、プロジェクトとして、
のことを考えてみたいと思います。

A君について
若手ながら仕事を積極的にこなし、
コミュ力も技術的もあるA君。

プロジェクトの貢献度も高いし、
残業もしてがんばっているのに、関係者からの
評価は微妙な評価でした。きっとここを直せば、
とういところがありそうです。

<A君の良い点>
1.コミュニケーション力がある。人当たりが良く、客先・チーム内とも調整は得意。
2.仕事に対する意欲は高く、よりよいシステムにするために、積極的に行動できる。
3.お客様に対して無理な依頼にも冷たく断らず、なんとかして組み入れてあげようという姿勢があり、客先からはとても話しやすく助けになる存在。
4.SEの仕事としての対応力は、平均以上で、なにがあっても大抵のことはなんとかできる力がある。

<A君の悪い点>
1.スケジュール通りできないことが多め。
2.仕事を抱えすぎる傾向にある。勤務時間が長くなりがち。
3.細かいミスが多め。(全体の作業量が多いから仕方ない面はある)
4.詰めが甘い。平均以上にはできるが、本人が自分ができると思っているほどには、一つ一つの仕事がしっかりとはできていない。
5.自分を過信する傾向があり、物事を過小評価する傾向にある。


私も<悪い点>のいくつかは、
あてはまる点があり、耳がいたい。

これら特徴をもったA君と、
ある開発プロジェクトで、
お客様との打ち合わせの場面を例題として
以下記載します。


事例

 顧客と打ち合わせ中、通常は必要ない資料の作成して欲しいとの依頼があった。プロジェクト的には予定外で、運用的にも設計資料としても、合理的な作成理由はなかった。

 顧客「どうしてもこういう資料も作っておきたいんだよね。お願いできるないかな?」

 A君「そうですね、XXの理由で、こちらは通常は必要ない資料です。また現在進めている作業に遅れが出る可能性があります。別の作成済み資料Bを見ることで代用もできますので・・・。」

顧客「そこをなんとか、C部長がどうしてもって言うんだよね。作業が増えて申し訳ないんだけど、なんとか作成をお願いしたいんだよ。」

 A君 少し考慮して、「わかりました。では資料Aは、作成することとします。ただ内容はこの範囲の記載までとさせてください。」

私の心の中の声:
 A君、受けちゃってだいじょうぶかな・・・。
 資料自体は、技術的に難しいものではんとはいえ、いまでもスケジュールも人員もカツカツなのに。結構これ資料にまとめるの大変だよ。
 でも、あん何お客さんから言われたら・・・、作らざる得ないよな・・・。作業範囲外ともいいにくい内容だし、顧客との関係を悪くしないためにも、しぶしぶ作るしかないかな。

顧客「その範囲で問題ないよ。悪いね、忙しいのに。資料は、いつぐらいにまでにきるそうかな」

 A君 少し考えて・・・ 
「そうですね、来週の月曜日までででもよろしいですか?」

私の心の中の声:
 A君ちょっと待って、今やっていることもギリギリで、別件もあるし、余裕がなさすぎるよ。
 (その日が水曜日)最短でやれば、確かにA君なら月曜にできなくはないだろうけど、最短の期日にして、もし急ぎの仕事や別のトラブルあったらどうするの?
 と私はあわてた。

 私「すみません、期日については、チーム内で検討させてください。また今の作業スケジュールに遅れを出さないことを優先したいため、資料を作成するにしても、少しお時間はいただきたいと考えています」

顧客「そうなのか・・・。まあ、仕方ない。では期日を追って連絡をよろしくね。」

——-
打ち合わせ後、A君に聞くと、来週月曜というのは、
A君なりに余裕を見たスケジュールのようでした。

最短なら今週金曜までに作成可能です、
何かがあった場合は、最悪土日にやれば間に合うと
思ったので、来週月曜とした、とのこと。

たぶん冷静になれば、
それは期日ギリギリすぎるのに、
なぜ、そうなってしまうのか。
実際このマインドでやっていると、
遅れや期日守れないことがちょくちょく
起こっていると思われました。

そこがきっとA君の改善点で、
ちょっとし工夫で評価を変えられるところ
ではないかと。

もちろん、依頼内容によっては、
月曜までにやらないといけないことも
あると思います。

でも今回の件は、
お客さんのやや無理めのお願いであり、
仮に、受けるにしても、期日については、
妥協してもらえるはずの内容でした。

そこをこんな簡単に安請け合いで、
最短期日をいえば、自分で自分の首を絞める
ことになります。

そこに対してきちんと考えが及んでいない。

これまでも、
遅れる言い訳に、予定外のことがあって、とか、
この件が急にとか、作業がたてこんで、とか、
ですんでかてしまっていた、

もちろんそれは一つ一つは
そうなのでしょうけど、

でも、それが何回も続くようだと、
本当にそうなの?、ってなるし、
せっかくがんばっているのに、
それはとてもA君にとってはマイナスでした。


1.期日回答と結果と評価についての推察

このとき、期日の設定の仕方で、
評価は大きく変わってく点を具体的に
記載してみます。

パターン1:来週金曜までとして余裕ある期日で回答
今回の作業背景から顧客は、
ある程度待ってもらえるので、
できるだけ、期日には余裕を持つべき。

結果は、
急ぎの仕事などがあったものの、
翌週木曜には提出できた、とします。
(土日出勤はしないでも期日余裕があり、
間に合った。)

→予定より早くできた、とのことになり、好印象。
忙しいところを作成してくれて、
ありがとう、感謝な気持ちの顧客のよい評価


パターン2:ほぼ最短の月曜日期日で回答。

結果は、
急な仕事で時間を取られ、期日に余裕もないため
残業や休日出勤して、なんとか翌週水曜に提出。
なんとか作ってくれたのは感謝。
 でも月曜にと言ってたのに2日も遅れたね、
   という印象。
 これが続くと、このチーム(またはA君)は、
 作業遅れとかが多いかも、となる。


この忙しい中で、
なんとか資料を作ってあげたのに、

パターン2は、残業や休日出勤もして水曜に提出したのに、評価がさがるなんて、、、。

パターン1のが、休日は休めて、1日遅い木曜提出なのに、評価高くなる可能性が高いです。


実施してる内容が同じなのに評価に違いが
出るので、

ここは少しの工夫で、、改善できるし、
もったいない気がします。


なぜ、安請け合いして、
自分で自分のハードルを上げる必要があるのでしょうか?

月曜にできますってその場で即答したら、
かっこいいかもしれません。

相手へ気遣いやサービス精神で、
早めの期日をつい言ってしまうのかもしれません。

でもできなかった時は評価は逆になります。

本当に、それはできるんだよね、
だいじょうぶなのか、どうかです。


2.期間とコストの見積の重要性

コスト見積についても同様のことが言えます。

たとえば、顧客から、ぜひにと言われて、
本当はそんな儲けのない仕事でも、
しかなく見積もりをして、
この内容なら追加コスト100万円でできますと、
安請け合いをして、実際にやってみたら、
200万円以上はかかった、ってことはざらにあります。

だからと言って、1000万円です、といって、10倍の価格をふっかければいい、
というものでもありません。

期間も単に何でも長く期日を設定したら、
いいわけでもないとおもいます。

それはやりすぎだし、
他社と競合していたら勝てません。

作業の大小や、内容に違いはあれ、
こういうことはよくあります。

3.A君の問題点、とプロジェクト全体の問題点

ここで、A君の問題点と、プロジェクト全体で起きる同様の問題点にわけて、記載します。

(1)A君の問題点/反省点

①自分の見積が甘いことを自覚できていない。
 いつも遅れぎみなのに、それはこれがあったからとか、そもそも体制がおかしい、とか、個別の他の要因のせいにしていて自分の要因に気付きにくいです。
自分自身の見積りの甘さを痛感できる大きな出来事を経験するまで、なかなかそれを心の底から分かることはありません


②.物事を安易に考えている。(自分を過信している)

これは性格もありますし、なんでもそうですね。

 19時までには出ます、といって、
 仕事が終わらずに、出れなかくて、
 待ち合わせに遅れる人の心理は、
 早く終わりたいし、希望的観測もあって、
 つい甘めの見積もりで回答してしまう。
 
 でもそれは、物事を安易に考え、
 自分を過信している、とも言えます。

<A君の教訓と反省点>
 ・期日の設定は適切にすべきであること、
  それがベースラインとなり、
  顧客から評価されてしまうこと
  を頭に叩き込む。
 ・自分を過信しないこと。いろいろなリスク、
  予期しない急ぎの仕事の可能性等を考慮。
  自分の性格的に見積もりが甘いと分かっていれば、
  その性格も考慮して回答すること。

  相手が許容できる範囲の期日まで
  伸ばしてよい。早くできる分にはよいのだから。 
 ・何か不安要素があれば、その場で回答をせず、
  持ち帰りとして、
  チーム内で話し合ってから、回答する。
 ・サービス精神のつもりが、それが、
  できない時には逆に不満となるので、
  サービスになってない、ことにきづく。


長くなったので、
プロジェクトで起きる同様の問題点については、
別記事にしようと思いますが、

コスト、期間、その見積もりは、非常に重要であることは、どこの書籍にも書いていて、
別に本を読んだりしなくても、
みんなわかっていることです。

それなのに、見積の甘さ/考慮不足/不備が原因で、
大変なことになるプロジェクトが後をたたないです。

大変なぐらいですめばまだいいが、
プロジェクト崩れ(大きなコスト超過やスケジュール遅延)の要因となることもあると思います。

なぜ、こんなに甘い見積もりが
通ってしまうのか、
誰も指摘できないのかは、
また別の要因が重なってはいると思いますが、

根本の一つに
・見積もりは甘くなりやすいことを意識しての見積考慮ができていないこと。
・不確定な要素を過小評価(希望的観測)して考えてしまい、実情を冷静に判断できていないこと。
・過信してなんとかなると思ってしまうこと。
などがあると思います。

次の記事で、
プロジェクト全体での見積もりの甘さ、
などについて書くつもりでしたが、
それだと話が大きくなるので、
別の機会として、

次回は、仕事の早い遅いに関係なく、仕事を遅れなく進めていけるか?、常に仕事に追われないようにするためには?、について記載することにします。

次の記事

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