見出し画像

情緒学級について

特別支援学級の中でも、情緒学級についてお話しさせていただきます。

情緒学級は、自閉症、またはそれと似たような社会生活をする上で困難さがある子供たちが少人数の学級で、学習やソーシャルスキルの向上を目指していくところです。

この学級へは知的障害がないということがポイントで、例えば、主訴が知的障害で自閉症スペクトラム傾向の場合は、知的障害の学級に適していると判断されます。
つまり、知的には大丈夫だけど、対人関係が難しい子供たちが対象になるということです。
※主訴がADHDではないことも大事だとしている自治体もあります。

私が支援学級の担任になった頃は、ほとんど情緒障害学級はありませんでしたが、最近は増えてきている自治体もあるそうです。
(しかし、まだ知的障害学級に比べれば少ないと感じられます。)

知的障害学級しかないところは、知的に問題がなくても、知的障害学級に来ざるおえない子供たちがいるのも事実です。


そんな情緒学級ですが、通常学級からの転学が多いイメージです。
もちろん、幼稚園や保育園で、対人関係がうまくいかず、就学から情緒学級へ進学する子供たちもいますが、それよりも、通常学級➕特別支援教室で支援を受けてきたが、トラブルが絶えず、教室や学校にいられない状況が続いてしまって、転学するケースをたくさんみてきました。(あくまで、実体験ですが)


【情緒学級での生活】
まず、私も何度も情緒学級の見学に行ったり、先生方と話し合ったりしてきましたが、1番は通常学級にいたときより、落ち着いて生活できるようになるケースが多いです。

教室の配置も、学習のときは一人一人机がパーテーションで区切られて、集中しやすい状況になってますし、イライラしたとき、パニックになったときの個別に対応できる教室や場所があって、他の子供たちへの配慮がなされている所が多いです。

全体で進めるときも、担任の先生や介助員、補助の先生が近くについてくださって、大きなパニックになる前に対応できることが多いです。通常学級では、担任1人の目しかないことが多いですが、たくさんの目があることは、トラブルをなるべく回避して、気持ちよく生活することができるようになります。

学習に関しても一人一人に合わせた課題ができるので、焦らずに進められることもメリットとしてあると考えます。


【情緒学級の現実】
色々な方に話を聞くと、よいことばかりではないことを知っておかなくてはいけないと考えます。

どの学級でも、メリットやデメリットはあります。今回お話しするデメリットは、あくまで私のところに相談をしてくださった保護者の方や情緒障害学級の先生からお聞きした内容を紹介させていただきます。

(感覚としては、「情緒学級だからしょうがないか、でもちょっとひどいな、、」と思うことが多いそうです。)

●怪我をさせる、させられることが日常的になってしまう。
→支援が必要な子供たちが集まってくると考えると、その分、攻撃的な行動にでる友達と一緒に生活する確率も上がるということになります。
叩かれた、つねられた、押されたなどやられたり、反対にやってしまったりすることが多くなってきます。
それだけではなく、ひどくなってくると、鉛筆で刺してしまった、階段から押されたなど、大怪我につながるようなケースもあります。
もし、少しでもご家庭でお子様から話があったときは、担任の先生に相談することをお勧めします。

●ソーシャルスキルがすぐに向上するわけではない。
→自分自身もそうですが、周りも社会性に課題がある子供たちが多いです。
そのような中で、ソーシャルスキルを学び、実践していくわけですから、自分が上手くできても、相手もそれに合わせてくれないと成功体験につながらないこともあります。

焦らずに、ゆっくり進めていく気持ちで、何度も支援をしてあげるのが大切かと思います。


●情緒学級は、中学校まで
→情緒学級は中学校までしかありません。どういうことかというと、高等学校では支援学級などはありませんから、特別支援学校に進学されるお子様が多いと思います。ただ、支援学校には、情緒学級がないということです。

以前もお話しさせていただいたこともありますが、特別支援に力を入れている学校や、通信制の学校など、数年前よりも多くの支援をしている学校が増えてきています。

様々なアプローチから情報を得られることをお勧めします。


私は、これまで情緒学級で担任をしたことがありませんが、情緒学級の相談を受けることも多くなってきました。
これからも、情緒学級について質問がありましたらできる限りお答えさせていただきたいと思っております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?