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石原なんでも通信 No.22 (京の冬の旅②)
京の冬の旅の第二弾です。
2018年に岡田准一主演で映画化された葉室麟作の『散り椿』の序章に以下のような一節があります。
ふたりがいる京の一条通り西大路東入る地蔵院の本堂脇にある椿は花が落ちず、花弁が一片(ひとひら)ずつ散っていく。このため、
- 散り椿
と呼ばれていた。
地蔵院は豊臣秀吉の命によって京に移された。境内には秀吉が寄進した<五色八重散椿>がある。朝鮮出兵の際に加藤清正が持ち帰ったものだという。普通、椿は花ごとぽとりと落ちることから、首が落ちる様を思わせるとして武家に嫌われる。
散り椿は花びらが一片一片散っていく。地蔵院の散り椿は、一木に白から紅までさまざま咲き分け、あでやかである。
今年の『京の冬の旅』にはこの地蔵院(別名 椿寺)の特別拝観が含まれていました。
本堂の前にはその『五色八重散椿』と言われる名木があり、近くの北野 天満宮境内で催された『北野大茶湯』が縁で豊臣秀吉が寄進したと 伝わります。
花の見ごろは3月下旬~4月上旬ということで通常の椿より遅く、今回は美しい花はみることができませんでしたが、その風情は十分味わうことができました。
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1. 地蔵院 ご本尊 『おたふく阿弥陀』
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本堂にはご本尊 五劫思惟阿弥陀像が安置されています。気の遠くなるほどの長い間『衆生の救済』を考え続ける姿を表しており、頭部の螺髪が伸びた大きな髪型とふっくらした顔立ちをした姿は どこか愛らしく『おたふく 阿弥陀』の愛称で親しまれています。
地蔵院は本当にこじんまりとした外見はどこにでもある普通のお寺ですが、椿はもちろんのこと、ご本尊のおたふく阿弥陀など魅力は一杯です。
2. 北野天満宮 と 梅
地蔵院から歩いて10分程度のところに北野天満宮があります。この時期花と言えば梅の花、梅の花と言えば北野天満宮ということで立ち寄ってきました
北野天満宮は大宰府天満宮と共に全国の天満宮、天神社、菅原社など約1万2000社ある天神信仰の中心であり、学問の神として多くの受験生から信仰されています。
以下の歌は菅原道真公が大宰府に左遷される前に詠んだもの。有名な 「飛梅」は道真公が亡くなられたから4年後に京都から大宰府に飛んでいったとされています。
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北野天満宮 HP より北野天満宮では、例年この時期(今年は1月25日~3月16日)に梅苑 『花の庭』 が公開されており、梅茶とお菓子付で梅園が 堪能できます。
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さて 梅の花ですが、実は訪問当日(2月23日)は花の見ごろとしては すこし早く、蕾が多く、ほんの一部が咲き始めたばかりでした。その日の京都はまだ寒波が去っておらず、風が吹くと凍えるような寒さを感じましたが、桜とは違い、梅の花はピリッと敷き詰めたような寒さの中で
鑑賞する方が似合いますね。
3.北野天満宮 本殿
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北野天満宮は947年に創建され、長らく菅原道真公をお祀りし信仰を
集めてきました。又、秀吉の時代には境内一帯で『北野大茶湯』が 行われたり、出雲の阿国が京において初めて『歌舞伎踊り』 演じるなど日本の文化芸能の発信基地としての地位を維持してきました。
本殿は国宝となっていますが、1607年に豊臣秀頼公により造営された ものです。
又、菅原道真公の一生と天満宮に神として祀られるまでを描いた北野天神縁起絵巻も国宝となっています。最も有名な場面は『清涼殿落雷』(北野天満宮HPより)は無実の罪を着せられた道真公が雷神となって藤原時平に天誅を下そうとする場面で殿中人の逃げ惑う姿がユーモラスに描かれています。
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『京の冬の旅』はいかがでしたでしょうか? もちろん、これから京都は 一年で紅葉の時期と並ぶ最高の季節である『桜』の季節を迎えます。 今から待ち遠しいですね。