原発広告問題と芸能人,ビートたけしの場合はどうであったか,その記憶を回想する(1)
※-0 本記述の復活・再掲にあたり若干の序言
本ブログ筆者のブログサイトはすでに数回,いろいろ事情があって引っ越ししてきたが,その途上で一番ヒドイ「本ブログの剽窃を常習犯的に続行していた」者がいた事実は,とうの昔から気づいていた。
その該当者(男だか女だかは不詳)は,他者の制作・公表したブログの文章全体を,あの種のアプリを使い,パクリまくっていた。事実,現在も本ブログ筆者のブログだと断わってはいるものの,堂々と破廉恥にもデッド・コピーを世間に頒布してくれている。
ただし,その者のパクリ術は,本ブログ筆者が多様する図形・図表のたぐいはいっさい切り落としたままでの,無断転載であるから,いささからず工夫が足りないというか,基本的に努力不足の(省エネモードになる)剽窃物語が積み(罪)重ねられていた。
少しうるさい会社・法人などだったらただちに訴訟を起こされ,追撃されることは必定である。だが,本ブログ筆者は,「お◉カさん」による「無能人間」的な行為の実録とみなしたうえで,いまのところはガマンしている。だが,けっして許しているわけではないので,当該人物は心して反省し,善処することを希望する。
ところで,本日のこの記述はもとは,2017年3月6日に執筆されていた。その2017年における中外の10大ニュースは,『時事通信』がまとめたそれとして,つぎの一覧が提供されていた。
この2017年の出来事のなかで「そうだ,こういう事件もあったな」というもののうち,国外関係では北朝鮮の「金 正男」が暗殺された事件,そして国内では天皇の代替わりが,平成天皇自身の能動的な働きかけで決まった出来事などは,まだ記憶によく残っている。
安倍晋三の第2次政権の堕落ぶりは,この2017年のころになると,腐ったリンゴやミカンの悪効果と同じに,どうしようもないくらい,この日本の政治・経済・社会・文化などの各方面に浸潤しだしていた。
なお,本日(2024年4月29日)の「ドル円レート」を『日本経済新聞』でいま(午前中)の時刻で確認したら,なんと158円19-21銭にまで下落していた。
株価も先日,ほんの一時だけだったが,4万円台(?)になったといって喜んだその筋の人たちがいた。だが,冗談じゃない,ほかの先進国などの株価をみるに,30年以上も前の低水準のところなど,一国もなかったにもかかわらず,そのように「オメデタイ〈経済観〉」を表明していたその経済感覚は完全にマヒしているどころか,いまや死に体同然。しかも,現状はあの「アホノミクス」の必然的な顛末,七転八倒の真相である。
この※-0は,つぎの「米日会社力・比較表」を提示することで,締めの材料にしてみたい。2年前の会社統計であったが,基本の趨勢がよく表現されていた。
『時事通信』がまとめて公表していた2017年の国内外「十大ニュース」のうち,日本の内政問題としての「安倍晋三の第2次政権」による「幼稚と傲慢・暗愚と無知・欺瞞と粗暴」の悪政・失政・愚政は,現在における日本の政治・経済・社会・文化などの各方面に対して,最悪の結末をもたらすことにしかなっていなかった。
安倍晋三が2022年7月8日,参議院選挙に出馬した自民党候補のために応援演説に出向いた奈良市で,「統一教会2世」と呼ばれた若者〔といってもすでに40歳台の彼だったが〕の1人,山上徹也に銃殺された事件は,
それまでは,なにかと隠蔽状態になっていた「岸〔信介〕や佐藤栄作,安倍〔晋三〕3代は,反共ということで統一教会と結びついた」「過去から連綿つづいてきた」事実を(西山太吉・佐高 信『西山太吉 最後の告白』集英社,2022年12月,20頁),日本社会に対してあらためて,白日のもとにさらけだすことになった。
まさに「売国的・国恥的」という意味で,まさしく「国辱モノ」の為政しかおこなってこなかったこの3名の首相たちは,長州閥内において特定の血縁関係を背負った者同士として連なってもいたゆえ,明治「維新」以来の,日本政治の悪しきかつ忌まわしき伝統を,さらには〈負的という意味〉で旺盛に拡大再生産させてきた人物たちであった。
しかも,その最後のいわば「世襲3代目の政治屋」として実質,「売り家と唐様で書く三代目」となった安倍晋三は,最悪という点でも最凶の日本国首相となっていた。昨今の日本の株価が,のたうちまわるかのように地底面付近の水準:金額に低迷させられつづけているが,とくに安倍晋三はこうした「今日の日本経済」造りに励んできた張本人であった。
この出来そこないの3代目のぼくチンは,この国を「美しい国」へ向かわせるどころか,昔の旧大日本帝国が中国を侵略しつつ戦争をつづけていたときいわれた文句,「どこまでつづくぬかるみゾ!」という戦況に似た形勢にまで,現在の日本国を追いこむための役目ならば,大いに果たしてきた。
ところがである,その「3代目の政治屋:安倍晋三」が,日本の歴代首相のなかでは就任した期間が一番長くなっていたのだから(第1次と2次の政権を通して首相に在職した日数は歴代最長の通算3188日),この日本国がへたれまくってきたのは,必定中の必要であった。
その安倍晋三が第1次政権のときであったが,日本共産党の吉井英勝議員(1942年生まれ,京都大学工学部卒,衆議院議員を7期と参議院議員を1期務めた)が,原発・エネルギー問題の専門家として,原発の危険性を安倍に問いかける質疑をある委員会でおこなったところ,安倍のほうは「木で鼻をくくった」答弁を反復するばかりの態度で応じていた。
たとえば,「衆議院議員吉井英勝君提出 巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書」平成18〔2006〕年12月22日は,つぎのように横柄かつ無礼な回答を,壊れた録音機のごとく反復するだけであった。
「我が国の原子炉施設は,フォルスマルク発電所1号炉とは異なる設計となっていることなどから,同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない」
「原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである」
この国会内でのやりとりから実質5年も経っていなかった2011年3月11日東電福島第1原発事故が起きた。安倍晋三は健忘症でなければ,以上のごとき「原発安全神話」の理屈を披露した事実を,忘れることなどできなかったはずである。
いずれにせよ,安倍晋三は自分のデタラメ発言を反省することなく,この世から去っていった。生前「安倍晋三はウソの始まり」だとまで,そのウソのつきっぷりだけは,高く称賛された。だが,その後,第2次政権の時期になってからも,前段に触れたごとき「原発安全神話」の信者であった「自分の間違い」を反省したことなど,皆目なかった。
くどくなるがもう一度,安倍晋三の原発安全神話にもとづく発言を確認しつつ,以下の議論を重ねておこなってみたい。
◆-1 2006年12月22日「原子炉の冷却ができない事態が〔は〕生じない……」
◆-2 2011年3月11日「東電福島第1原発事故で3基の原発が溶融」
2013年9月,2020年東京での五輪の開催を決定したIOCの会議に出席した人員のうち,当時JOCの委員長であった竹田恒和は,東京は福島の事故現場から250キロメートルはなれているから「安全だ」などとのたもうた。さらには安倍晋三も,出席したその会議のなかで演説をおこない,東電福島第1原発事故現場は「アンダーコントロール」だと,もちろんウソを承知で堂々と虚言を吐いた。
だが,2024年4月末の現段階になってもいまだに,その事故現場からは,880トンもあるデブリのひとかけらさえ,取り出せていない。だから,いうまでもないが,原子力非常事態宣言はいまも発令中であって,いつになった解除できるかその見通しはついていない。
以上のような※-0の全文を,本日あらためて前口上として書いたところで,2017年3月6日にいったん公表してあった「過去の文章」を,ここに復活・再掲することにしたい。ビートたけしが主人公として登場させての話題になる。
※-1 ビートたけしは原発応援団長(?)だったが,いまは再生エネ企業の宣伝マンか? 時代が要求する〈芸人魂のワンダフルさ〉
以下の記述の要点をまえもって,つぎの3項に表現しておく。
1) 2017年2月下旬から登場したビートたけしが「出演する」太陽光パネルの宣伝・広告
最近(2017年当時のこれ),テレビの宣伝だけでなく,ネットの動画広告にもビートたけしが登場しだしている。次段に画像で紹介するものであるが,ここでは,そのふたつの画面をまとめて切りとったものになっている。
本ブログ筆者は,テレビとネットのこの広告に登場しているたビートたけしの姿をみ〔せつけられ〕て,瞬時に唖然とさせられるほかない気分になった。その理由を説明するための論述が,本日の主目的となっている。
つぎの画像を借りた記述は『TV Rider,テレビ番組と芸能人のクチコミ満載の次世代TVメディア』( https://energy.dmm.com/ )という名称〔のブログ的なサイト〕である。
そこに具体的に付記されていた題名は「DMMソーラーのCMでビートたけしがソーラーパネルと一緒に砂浜で日焼け!? ~次は太陽か? DMMから住宅用太陽電池モジュール誕生!」(CM.Freak,2017/02/28 13:38 執筆)となっていた。
このDMMソーラーは,ビートたけしを使い宣伝する方法で,太陽光パネルの販売促進体制を構築し,展開していた。この点をとらえてこの『TV Rider 』は,どのように記述していたかを,さらに紹介しておく。
ビートたけしがソーラーのCMするんだったら,「DMMソーラーじゃけん」とかいってほしかったような気もするんだけど,いうわけないよね~。それにしてもソーラー事業っていうの(?)俺っちからみたら進化が遅いよね~。
30年前とあんまり変わっていないイメージがあるんだけど,どうなの? 太陽様は進化しないからかな~? そんなわけわけないよね。天下のDMM様だもの。つぎは太陽を作っちゃおうとしてるんでしょ?
補注)ちょっと待ってほしい。この記述をしている人物は「太陽を作っちゃおうと」「いうことの意味」が,まだ判っていないものとみうける。
2) 読売新聞社編『ついに太陽をとらえた-原子力は人を幸福にするか』読売新聞社,昭和29〔1954〕年
というのは,原発は実はミニ太陽型の発電装置・機械であって,その意味ではこの「太陽を作っちゃっていた」電源であった。つぎの文献は原子力発言を日本に導入するために制作された「原発啓蒙本」であった。
断わっておくが,太陽の黒点は人間が関与できないどころか,宇宙のはるか遠くに存在する恒星での自然現象であって,人間が手出しなどできるわけすら,もとよりないものであるのと同様に,発電装置としての原発も,実際において本当のところは,基本,人間のコントロールなど寄せ付けにくい機械としての特性をもっていた。
前段で触れたごとき,国会内における「安倍晋三と岩井吉勝との原発問答の中身」は,安倍のほうから「原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである」とだけ応えていたけれども,その結果は「東電福島第1原発事故」発生となって,日本も痛い目に遭わされてい。
その「原子炉の冷却ができない事態」が「外部電源の途絶」によって発生した場合,たとえば東電福島第1原発事故の場合だと,2011年3月11日中には早くも原子炉の溶融が始まっていた。
当時,東電の現場では「止める」「冷やす」「閉じこめる」という原発事故「発生防止」に関した「初歩の手当:対策:原則」は,最初からその実行がまったく不可能な状態に追いこまれていた。
チェルノブイリ原発事故と東電福島第1原発事故を併せて考えるまでもないが,この原発〔の事故〕がいまや,地球に住む全人類にとって最大・最悪の重荷・弊害,それもいつになった降ろせるのかその見通しすら皆目ついていない,つまり〈大変に扱いづらいお荷物〉になっている。
上の画像は,2017年3月6日の発売された『週刊プレイボーイ』3月20月号(集英社発行)表紙である。とくに,記事の目次のうちでも黄色の活字などで大きく表記されていたが,「東芝は日米原子力マフィアの生贄にされた」という文句に注目したい。
東芝の問題について本ブログは,別途になんどか記述してきた。いまや「時代の流れ」は,原発という非常に厄介で面倒な『ミニ太陽型の発電方式』をすでに,採算のとりにくい製品にしつつある。
東芝という日本の大会社が,とてもみっともない推移になっていが,原発事業部門のためにその後,存亡の危機にまで追いやられてきた。その失策の原因は,原発事業に手を深く染めてきた経営戦略の基本方針にあった。
要するに,東芝は一方で致命的な失敗を犯し,他方でこの種の失敗からうまく逃れていたのが,アメリカ側の関連企業があった。東芝は結局「ババを引かされた」かたちで,その原発産業をわざわざ買収していたけれども,その重荷のせいで押しつぶされた。
当時における東芝最高経営陣の基本責任は大きかった。そのほかに社外取締役にくわわっていた識者たちに対しても重大な責任が残された。
たとえば,元一橋大学教授で,当時は東京理科大学教授を務めていた伊丹敬之は,監査役でありながら節目を欠いたこの業務の執行しかできていなかった。しかし,伊丹がその責任なりになにか応じて,あとの態度を採ったという話も,本ブログ筆者は寡聞にして聞かない。
3) ビートたけしの太陽光発電・広告出演ぶり
さて『TV Rider 』というネット・サイトは,ビートたけしの出演するこの「DMMソーラーのCM」の物語を,つぎのように描写していた。TVやネットで視聴した人たちであれば,すでに記憶に残っている動画だと思う。以下に,その宣伝用の文章を適宜,取捨選択しながら個別に引用する。
◆「CMスクリーンストーリー:その1」 オイラが太陽を浴びても日焼けするだけだけど,おまえさんは太陽を浴びるほど地球がハッピーになるんだろ?
この台詞につづいてビートたけし(北野 武)の人物紹介がなされている。有名人ゆえ周知の点ばかりであるから,ここではつぎの点のみ拾っておく。
本名:北野 武(きたの・たけし)の「ニックネーム:たけちゃん,たけし,殿,世界のキタノ」であり,「他の活動:映画監督・俳優・大学教授・歌手・芸術家・作家」。「ビートたけしの評価や出演番組〔は〕:https://tvrider.jp/cast/c2572 」に一覧されている。
補注)同上の住所・リンク先は現在,削除。
それにしても「ビートたけし様、なんだかんだでまだまだCMにも沢山出てるよね~」。……そして,最近のこの「今回のCM」が “【DMM. make ソーラー】地球にやさしいDMMへ。/ CM15秒” であった。
⇒「DMMから住宅用太陽電池モジュール誕生! 高変換効率・高耐久性&安心の長期間補償。あらゆる天候下で高発電量を誇り,圧倒的なパフォーマンスを発揮!」
◆「CMスクリーンストーリー:その2」 よーし,ちょっと悩んだんだけど,今年の夏までにはまだ時間もあるから,お金貯めてDMMでソーラーパネル買って,たけし様と同じように,砂浜で一緒に日焼けすることに決めた! いくらくらいするのかな~? ちょっと公式HPで調べてみよっと。みんなもみてみてね。では,ごきげんよう!
註記1)https://energy.dmm.com/ CM. Freak 2017/02/28 13:38
註記2)https://tvrider.jp/column/1238 参照。この住所・リンク先は現在,削除。
※-2「勝間和代,ビートたけし・・・原発擁護文化人の発言が酷すぎる件」『芸能スクープ今旬ナビ』2011年4月21日 23:22
この文章はいま〔2017年当時〕から6年も近く前に記述されていた。ともかく参照する。なお文体そのものは補正してある。
--原発廃止の機運が高まるなか,原発擁護を必死に叫んでいる芸能人・文化人の発言が話題になっている。そのなかでもとくに,勝間和代とビートたけしの発言内容があまりにもひど過ぎると,ネット勝間和代画像上で叩かれている。
2011年「3・11」によって発生した東電福島第1原発事故は,前段に言及した東芝をある意味では決定的に追いつめ,いいかえれば,原発産業をかこむ技術経済的な環境要件をひどく悪化させた。
しかし,それまでは〔いまもなおそうだといいはる関係者はそろそろ絶滅しそうであるが〕,原発は「安全で低原価で安心」なエネルギー源なのだと,嘘の喧伝がなされてきた。
補注)もっとも最近は,その息を吹き返したようにまたもや原発,原発といいだした。岸田文雄が首相になるや(2021年10月4日),とたんに「原発の再稼働・新増設をいいだしていた。本ブログ筆者は当時,「この首相,気でも狂ったか」という印象を受けた。
太陽の黒点だがこれを,地球の表面に住む人類・人間がなんらかすることなど,100%どころか1000%以上に,完全に不可能である。それと同様に,深甚かつ重大な原発事故を起こしたさい,人間の側はこれに対して有効に対処できる手段を,実際にはなにももちあわせない。逃げるしか手がない。
チェルノブイリ原発事故や東電福島第1原発事故につづき,それこそ弁証法的に「正⇒反⇒合」の連関で,今後さらに原発の大事故を発生させたら,この地球は決定的な打撃(ダメージ)をこうむる。
そのような考えたくもない「原発大事故の予想」は,ただ,考えたくないのだと人間の側が勝手にいってみたところで,今後において「その大事故が絶対に起こらない」という保証になりうるわけはない。
原発に関したそのたぐいの想定話は,たとえば,旅客機が今年中において1機は墜落事故を起こし,それに搭乗していた乗客・乗員全員が死亡するといったごとき「事件の発生」など,絶対にありえないのだと全面的に否定したところで,この発想じたいが当初から妥当性をもちえない「話」になっている。
原発が事故を発生させる問題も,その旅客機事故の確率論的な予測と同じ思考法が適用されるかたちで議論をしても,なんらおかしく点は生じない。
電力産業は,地域独占企業体制を国家によって保障されてきたなかで,しかも総括原価方式が「コストに利益をマークアップさせられる」(総原価の発生に応じて一定の比率で確実に保証される利潤率が上乗せできる)経営計算制度が許されていた。
過去において一度,完全に破綻・崩壊いた例の「原発安全神話」であっても,電力産業の企業広告そのものは継続していかねばならない電力会社側の立場においては,今後も手を変え品を変えたかっこうで,その必要性は完全には捨てきれないでいる。
そのさい,電力社会の支出する宣伝広告費は巨額であって,原発事業の必要性に関して,その費目を充てて挙げうる効果は絶大なものがあった。電力会社の,テレビ・ラジオや新聞・雑誌,そしてネットを介して実施する宣伝広告費は莫大であった。
この事実について本ブログは,本間 龍の『原発広告』亜紀書房,2013年などをとりあげ議論したことがある。(なお,関連する本部具の記述は未公表である)。
ここでは,2011年「3・11」の発生を受けて『週刊金曜日』が,同年の4月15日号に特集していた「電力会社に群がる原発文化人の罪」に触れておきたい。この特集関係の記事は,佐高 信『原発文化人50人斬り』毎日新聞社,2011年6月にまとめられていた。
この本は,つぎのように解説されていた。
ここで再度,『芸能スクープ 今旬ナビ』の記述に戻って記述したい。
--福島原発事故の問題をテーマに先月〔2011年3月〕放送されたテレビ朝日の「朝まで生テレビ」は,出演者があまりにひどい顔ぶれであった。ツイッターなどネット上で飛び交っている番組の感想を調べてみると,案の定,原発擁護発言のオンパレードになっていた。
その番組全体の評価をネット上で読んだ表現でまとめると,福島原発事故は「いい教訓になった」,「どういうリスクがあるかやっと分かった」などと発言する「原発産業御用文化人」による「全体が人の痛みがわからない地獄のような放送」であった。
1) 勝間和代
ツイッターなどネット上では,とりわけ勝間和代の発言が大きくクローズアップされ,YouTube には「歴史に残る朝生」などと銘打たれた番組ハイライトがアップされている。YouTube で朝生のハイライト映像を観るに,このハイライト映像のなかでは,以下のごとき勝間和代の問題発言が注目されてよい。
「放射性物質が実際よりかなり怖いと思われていることに問題があるのではないか」
「放射線がちょっと増えただけだけなので問題はないのではないか」
「プルトニウムは,とくに大きな危険はないはずだ」
「チェルノブイリでは小児の甲状腺がんが顕著に増えたけど,それ以外の病気は顕著に増えた例はなかなかクリアにみえない」
「今回の福島原発事故は,むしろマネジメントの問題だ」
註記)ここは『BLOGOS』の記事より一部抜粋。なおこの『BLOGOS』のサイトは,2022年5月31日をもって業務を閉じていた。
このほかにも「津波の死者と比べて(原発事故は)報道のされ具合と死者の多さのバランスが悪い」などとも発言し,まるで原発事故では人がそれほど死んでないのだから騒ぐな(!)といわんばかりの理論を展開していた。これに対してネット上では,当然のように批判が殺到し火ダルマになっていた。
「この女は許せない」「人の気持が分からないのか」といった怒りのコメントに対してさらに,勝間が反論するなどして過熱したあげく,ついに勝間が “条件付き” で謝罪した。その「お詫び」の文章の一部を引用する。
「私が,事故後のコメントにおいて,過去のデータや科学的根拠ばかりを強調したあまり,多くの方々が感じている将来への不安や精神的なダメージやに対する配慮を欠くコメントをしてしまったこと,また,不愉快と思われる発言をおこなったことについて,重ねて深くお詫び申しあげます」
このお詫びは,放射能の被災者や不安をもっている人への配慮が足りなかったことは謝罪しているが,自分の発言は科学的根拠にもとづいており間違っていないと,あらためて強調していた。勝間は,東京電力役員や原子力保安委員,電力会社にいる天下り官僚などの総辞職も提言していたが,今度はその寝返りぶりの見事さが話題となっていた。
補注)勝間和代のこのような見解は,いまとなってみれば,完全に間違いであったと判定できる。その根拠は詳論する余地もない。この女性はその後もしばらく,けっこう,テレビなどに登場していた。
要は,原発問題の非専門家勝間和代が,自分のしたり顔で「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」要領で,本当に「妄言多謝」そのものであったいいぶんを反省したかのように,いちおうはのちに謝っていたが,それならば,そもそも初めから「ウッカリものをいわない」ように注意すべきであった。
2)ビートたけし
そしてもう1人,ビートたけしの過去の発言もとりざたされていた。以下は『新潮45』2010年6月号で,原子力委員会の近藤駿介(東京大名誉教授)と対談したさいの発言である。〔 〕内補足は引用者。
本当にそのように,原発に逃げこんだら「ウケがいい」ものでありえたかどうかは,いうまでもあるまい。「3・11」の直後に起きた東電福島第1原発事故のさい,たけしはそのようにしていたか。原子力発電所に逃げるのが一番安全なら,たけしは,いまからでも遅くはない,先日,内部の一部が調査された2号機の格納容器のなかにもぐりこめばよい。
註記)ここは『BLOGOS』より(参照)。
たけしは工学部出身だった(ただし中退だから正式の大卒ではない)。ともかくも,この発言をしてからまさか〔2011年3月という〕1年も経たないうちに本当に,地震(津波)による事故が起きるとは思ってもいなかったはずである。
たけしは,その後も「原発が必要なら東京に作れ」という発言をしていたけれども,1年前〔2010年〕の発言という面を考慮しても,影響力の強い有名人の発言としては軽率であった。
本当に安全だと思っていて,それを皆に伝えたいのであれば,まずは本人が率先して静岡の浜岡原発などの近くに生活の拠点を移し,そこから意見を発信しないかぎり,説得力はない。
さらに,福井にある高速増殖炉もんじゅは,原子炉に燃料交換装置が落下して燃料棒の交換方法が絶たれてしまい,いまや運転も廃炉もできない状態となっている。「どうやら『もんじゅ』がガチで福島よりヤバい状態らしい」
最後につぎのような指摘を参照しておく。
3) 電力会社の広告費
「原子力・電力業界がメディアに流している金は,年間2千億円に迫る。現在,広告出稿量第1位のパナソニックが771億円,強大な広告圧力でメディアから恐れられているトヨタが507億円だから,この金額がいかに大きいものであるかがよくわかる」
以上の事情は,宝島社が公刊している,別冊宝島 1752『誰も書けなかった日本のタブー』(2011/4/12)が,当時の時点において解説していた。いずれにせよ,「原発文化人」が原発を擁護する本当の理由を一般人はしりはじめている。
註記)以上,http://www.imashun-navi.com/article/196936878.html この住所は現在,削除。
ここの記述は「3・11」直後のものであった。だが,2011年3月から6年〔以上〕が経ったいまでは,原発問題に対する日本国住民たちの意識は,過半が廃絶を願っている。
しかし,現在〔当時〕の安倍晋三が専制的に「独裁的な民主主義」をもってする日本国の経営は,原発問題の将来について,まともに廃絶をさせない意向であり,始末に悪い。その後,首相として搭乗した岸田文雄も,原発問題に関しては安倍晋三に輪をかけて「無節操な〈再稼働・新増設〉」を唱えていた。
このままだと日本の再生エネルギー生産体制は,滞るどころか,原発のために不全の普及状態を余儀なくされつづける。岸田文雄は多分,前段に搭乗した勝間和代よりも「原発認識の水準」は低いというか,その土台が希薄。
『朝日新聞』2017年3月1日夕刊3面「文化」欄の〈終わりと始まり〉に,「トランプ大統領と『事実』真偽の彼岸に立つ国家」を寄稿した池澤夏樹は,こう述べていた。
放射能はアンダーコントロール」という真っ赤な嘘の向こうに崩壊した東芝の社屋や工場がみえる。原発のコストもまた国家認定のオルタナティブ・ファクトだった。結局はとんでもなく高いものについた。
しかも,現在〔2017年春〕においてはすでに,原発の「廃炉,事故処理,核廃棄物処分,損害賠償」などに「投じられる資金は20兆円を超えようかとい勢いだが,失ったものを埋め合わせ,危険な廃棄物を処理するだけだから,未来を拓く作業ではない」〔ことだけは確言できる〕
しかし「それが『福島原発事故処理ビジネス』の “虚しさ” なのである」
註記)別冊宝島 1796『原発の深い闇』宝島社,2011年8月,149頁・4段。この本の表紙を画像でつぎに紹介しておく。目次として印刷されている文句をよくみておいてほしい。
前段の記述は,2017年の現在までに判明していた原発産業の問題性をすでに,2011年8月の時点で指摘していた。けれども,その問題性は深刻な度合を増している。この事実は,ますます鮮明になっている。
「日本国の原発事情」は問題だらけであって,このトンデモない原発をそれこそ大荷物として,廃炉にすべき原発まで入れれば60基近くもしょいこんでいた。ほとんど原水爆兵器以外に「適当な」使い道のないプルトニウムも,しかもこちらは,それなりの意図もあってだが,日本はたくさん貯めこんでいる。
4) 東日本大震災・東電福島第1原発事故被災者義援金について
このごろなってみるに,当時進行中であった “原発産業の『焼け太り』” だけはいただけなかった。さて,北野 武君といえば,原発の広告関連の仕事では大やけどもせずに,ギャラだけはしっかりフトコロに流入させえていたはずである。
ところで,東日本大震災・原発事故の被災者に対する義援金を,北野の場合では,自分の財力に応分した金額を差し出していたか?
--ビートたけしは所ジョージと2人で合わせて,なんとか1000万円の義援金である。この合計額でもってようやく,この一覧のどん尻に出頭していた。
電力会社の原発宣伝に大きな関与をして,それなりに高額のギャラも受けとっているはずであるこの人が,これほど控えめな寄付額(率直に感想をいえば「ケチ」)だとは思わなかった(所も当然に意外とケチだった)。
ビートたけしは,映画方面の活動では世界的にも有名人である。この東日本大震災・東電福島第1原発事故における被災者側に示されていた「厚志の意図」は,彼ら2人の場合,きわめてささやかなものであったと解釈されておかしくなかった。
テレビで視聴するときの〈たけしの吐くあれこれの口つき:調子〉には全然につかわしくない「1000万円」(もう一度いうが,ただし所と合わせての金額)であった。
電力会社からもらった広告用のギャラ程度は全部吐き出すべきであった。1000万円ということでは,収まるまい(くどいが,これは「所の分との合計」金額であった)。
なにせ,原発の宣伝広告であれば,4コマ漫画の作家だと,これひとつの制作に対するギャラが5百万円だったという実話もある。もっとも,この漫画家は恐ろしい(事情がおかしいと感じた)のでこの仕事は断わったという。
そうした原発ネタの広告出演を断わらなかった人間の場合となれば,勝間和代やビートたけしのように,すなおに,「原発は安全・安価・安心」だという「ウソの宣伝文句」を代弁することになっていた。
もっとも,われわれは,原発広告の問題を介してであったが,「金でウソは買えるが,真実はそうではない」ことだけにに関しては,気づけるようになったのではないか。
以上の話題については,渡邉正裕「 “原発毒饅頭” を食らった人たち(まとめ)」『My News Japan』17:28 08/10 2011,http://www.mynewsjapan.com/reports/1478 の参照を勧めておきたい。
なお前段において「義援金の出し方」についてビートたけしが「ケチだ」と,その渋ちんぶりに「ケチを付けてみた」のは,このあたりに関連する事情も考慮に入れての評価であった。
註記)渡邉正裕「 “原発毒饅頭” を食らった人たち(まとめ)」『My News Japan』の記述からは,つぎの箇所を引用しておく。
要は,ビートたけしは「原発の安全宣伝係」から「太陽光パネルの普及促進係」へと華やかに転向した。
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【「本稿(1)」の続編「本稿(2)」はつぎのリンク先・住所となる。
⇒ https://note.com/brainy_turntable/n/n99a3682c4454
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