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「世襲3代目の政治屋」岸田文雄は自分が首相でいられる日数を1日でも多く増やすことにしか自分の関心事がない,このトンデモな総理大臣ではこの国が良くなる気配はゼロで「お先真っ暗」

 ※-1 昭和の時代,本当にいたのか「ふうてんの寅さん」は?

 まず最初にかかげる画像資料はこれ。渥美 清が映画で演じてきた寅さんの話題に関連する材料である。

いままでの平成・令和という時代は
どのような時期だったのか?

  上に,「『つくづく.』男はつらいよ お帰り 寅さん totechinsya さんの映画レビュー(感想・評価)『映画.com』2020年11月28日,https://eiga.com/movie/89762/review/02443736/ の活字をカーソルで陰影を塗ったかたちで,反転的に表現したみた。

 ともかくも「昔はよかった」といったふうに,つまり,いまではすっかりレトロ的な時代風に想起される〈昭和の時代〉のあつかいになっていたが,その時代は足かけ64年間も存在したのだから,1926年に始まり1989年に終わったその昭和の長い時期は,けっして一様には描けない。

 あの旧大日本帝国時代は,このヤマト国を統べる大元帥閣下のヒロヒト天皇が居たわけで,この人はダグラス・マッカーサーのおかげというよりも,アメリカ国務省の基本方針によって戦責をいっさい負わずに生きのびることができた。敗戦後の彼は,あくまで皮相的にであったが,仮想的に「人間天皇」に「ヘンシーンしたつもりになった人物」であった。

 もっとも,彼の本心では自身が神武天皇の末裔だと信じていたのだから,もともと,まともに日本の歴史を勉強した者の立場からすれば,とうてい信じられない精神構造の持主であった。

 昔,ハナ・肇をリーダー(ドラマス担当)とするクレージーキャッツというバンドがあったが,途中からいつのまにかコメディアン・バンドになっていた。そのなかに植木 等というお寺さんを実家にもつギタリストがいて,この植木の持ち歌のなかに,「馬鹿は死んでも直らない,だまって俺について来い,無責任数え唄」1964年があった。

 そうした歌に描かれた敗戦後における日本国の旧帝国臣民たちは,そうした植木 等をメンバーにしていた,コミックバンド「ハナ肇とクレージーキャッツ」の歌(歌詞)にまぎらすことができていたのか,あの「ヒロヒト天皇の戦争の時代とのかかわり」は,すっかり忘れることにしていた。

 昭和天皇自身はのちになると,「戦争責任というような言葉のアヤについては,私は文学方面についてはきちんと研究していないので,答えかねます」(1975年10月31日,記者会見)とまでいってのけたが,

 日本人関係だけでも敗戦するまで310万人の犠牲者を出した,あの戦争に関しては,その当事者の立場でいえばまさに国家最高責任者であった者の発言としては,まさに脅威的にまで無責任のきわみであった。

 話は現時点に戻る。21世紀に現段階における自民党腐敗・堕落政権そのものとして,まだなんとか持続中である岸田文雄政権に対して,この6月における世論調査として初めて報告された結果がまず,NHKから報道されていた。


 ※-2 NHK世論調査-2024年6月(6月10日更新)「内閣支持21%,不支持60%」

 NHKは,〔2024年〕6月7日から3日間,全国の18歳以上を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査をおこなった。

NHKの世論調査であってもとうとう最低の内閣支持率となった
これは政党別支持率の時系列
自民党は最低になって立憲民主党がもちなおしてきたが
対して日本維新の会は限界がみえだしたか?

 補注)なお「RDD」とは「ランダム・デジット・ダイヤリング(Random Digit Dialing)」の略。

 この調査方法は,コンピューターで無作為に数字を組み合わせて番号を作り,電話をかけて調査するやり方である。この方式だと,電話帳に番号を掲載していない人にも調査を依頼できる。

 しかし,携帯電話の普及で固定電話をもたない人が若い世代を中心に増えてきたため,その後は,携帯電話に対しても電話をかける方式を導入されている。

 ただし,携帯電話の番号には固定電話の「市外局番」のような地域情報がつかめないので,一部の地域を対象にする形式の調査では,引きつづき固定電話のみを対象にしている。

補注

〔記事に戻る→〕 調査の対象となったのは2422人で,49%にあたる1192人から回答をえた。

 岸田内閣を「支持する」と答えた人は〔2014年〕5月の調査より3ポイント下がって21%と,3年前・2021年10月の内閣発足以降,もっとも低くなった。また,2012年12月に自民党が政権に復帰して以降でみても,もっとも低くなった。

 一方,「支持しない」と答えた人は5ポイント上がって60%。

 支持する理由では,「他の内閣より良さそうだから」が48%,「支持する政党の内閣だから」が22%,「人柄が信頼できるから」が13%。

 支持しない理由では,「政策に期待が持てないから」が49%,「実行力がないから」が24%,「人柄が信頼できないから」が9%。(引用終わり)

 以上の結果についてだが,いつも感じる不思議的な疑問があった。どういうことか?

 「支持しない理由」に挙げられていた選択肢『「政策に期待が持てないから」が49%』に対して,「支持する理由」に挙げられていた選択肢『「他の内閣より良さそうだから」が48%」とは,いったいどう解釈したら突きあわせられるように「整合性をもって理解できる」(したらよい)のかというのがそれ。

 要は,支持政党であるかないかの違いがそこに反映されていたと解釈すれば,それほどむずかしくなく理解できそうであるが,対応させるにはややすっきりさせえない点を残すところに,不満が残らないでもない。

 だがそれでも,世論調査に対してともかく答えてもらえた結果の,そうした,ある種の隔靴掻痒的な「調査結果の項目間に残る摩擦的な諸回答」の発生現象は,それほど気にするほどのものではないかもしれない。

 それにしても最近の岸田文雄君,総理大臣の椅子にともかく「なんでもかんでも,できるだけ長くしがみついていたい」という印象しかもたせないその姿は,涙ぐましいかぎりだという感じであり,とても哀れっぽくみえてしかたない。

 岸田文雄は先日,4月8日から14日までだったが,国賓待遇で訪米していたときにみせた,それも日本に居るときは絶対にみせない「バイデンとのツーショット写真」に写された「あの絞まりのない破顔一笑的な表情」は,この首相の人生目的がどこにあったかを,的確に

岸田文雄はバイデンの舎弟,使いっぱしりデス

 岸田文雄がみせてきた「首相として国会でやりとりするその姿」,とくに最近の言動ぶりには生気が感じられない。発言することばじたいに,自分の頭脳を通過したそれには,全然なっていない。心ここにあらずの,むなしい発声にしか聞こえない回答(発声)が,ほとんどであり,他者の耳を少しでもそばただせるだけの力がない。

 

 ※-3「政治家はつかみ金温存 庶民は地獄の猛暑と生活苦」『日刊ゲンダイ』2024日6日8日 17:00,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/341361

 a) このところ,新聞に書いてあることの意味が分からず,頭が混乱することがある。〔2024年6月〕7日の読売新聞にも,そんな一行があった。

 〈首相は政治資金規正法改正案を今国会で成立させたうえで,重点政策の「デフレ脱却」を実現するなどして政権浮揚を図り,総裁選に突入する戦略を描いている〉

 はて? 政治資金規正法改正案の成立が政権浮揚になるのか。少なくとも,首相はそう考えているらしい。そして,いまはデフレで,もっとインフレにして「デフレ脱却」すれば,これまた国民の支持が集まり,総裁選に有利と,首相は踏んでいるらしい。

 補注)最近のおける『読売新聞』の基本性格は,いよいよ政府御用達紙である傾向を深めている。政府中枢の意をうけて文部科学省幹部を貶めるための社会面記事を,なんと同紙の東京本社社会部長に書かせていた。

原口隆則は東京本社の社会部長

〔記事に戻る→〕 国民はア然ではないか。岸田だけ違う国に住んでいるのか,と思ってしまう。こんどの規正法改正を評価する国民がいたら,呼んできて欲しいものだ。

 自民党は企業・団体献金は禁止せず政治資金パーティー券購入者の公開基準を5万円超に引き下げただけで,小口化による抜け穴を堂々と残した

 政策活動費の廃止を見送り,10年後の領収書提出も細部は不明。独立機関の監査とやらも “これから検討” という国民愚弄だ。連座制についても巧妙で,会計責任者のせいにしていい逃れできるよう曖昧にしている

 要するに「濡れ手に粟で裏金を掴む」手法はそのまま残したわけで,これが「総裁選再選戦略」とは国民にケンカを売っているのも同然だ

 b)「デフレ脱却」で再選というふざけた戦略

 そこに輪をかけてふざけているのが,首相の再選戦略のもうひとつ,「デフレ脱却」なのである。

 岸田が指しているのは賃上げと物価上昇の好循環のことで,6月から1人4万円の定額減税で,個人消費に火がつくと踏んでいる。このトンチンカンにも国民の怒りが爆発している。経済評論家の斎藤 満氏は呆れ顔でこういった。

 「今度の減税は政治的に最低のやり方です。公費を4兆円も使うのに,まったく,実感がえられないからです。減税には恒久的な定率減税と一時的な特別減税があり,後者は貯金に回ってしまう傾向が強い」

 「れでもドカンとやれば,まだ消費に回りますが,今回の減税は1回限りのうえに,給付ではなく,税金の軽減なので,そもそも税金が少ない人は複数回に分けて軽減する。ちょぼちょぼの分割軽減では実感を味わえません」

 「して振りこみが2カ月に1回の年金生活者などは,家族分も含めた減税がいつ “完結” するのか見当もつかない。これでは消費に火が着くわけがありません。そのうえ,この間にも物価は上がっていくのです」

 「政治家の裏金ルートは温存するくせに,こんな愚策で国民に大きな顔をされたらたまりません。政党助成金を廃止し,裏金に課税するのが先ですよ」

 これが国民のまっとうな声というものだが,実感が乏しいことがわかっている岸田は減税の給与明細への明記を求め,それが企業の経理担当者の怒りを買っている。裏金を温存,正当化する法改正と恩着せがましく無意味な減税。それが「総裁選戦略」とは,お花畑もいいところだ。

 c) クーラーもつけられず病院にもいけない6月以降

 それでなくても,庶民の今後の生活苦は凄まじいものになりそうだ。痛みを知らないのは裏金政治家だけである。

 まず,東京都の消費者物価指数によると,〔2024年〕5月の電気代は前年比13.1%の上昇だった。再生エネルギーの特別賦課金が乗ってきたからだ。そこにもってきて,6月請求分からは電気・ガス代への政府補助が半分になる。これにより,どの電力会社でも6月は過去最高の値上げになるとみられている。

【参考画像】-2023年8月時点での電気代に関する報道など,3件の記事を紹介-

これは10ヵ月前の記事
その後も順調に(!)値上げが持続中である

わが家の場合2023年中に電気料金はすでに1万円台を超えていたが
2024年には末恐ろしい金額水準になりつつある

毎月の生活費のうち10%を超える電気代だが
実は給湯関係は石油を利用しているので

これも電気に依存していたらと考えただけで「・・・」
つぎの〔記事に戻る→〕は『日本経済新聞』から紹介する
どこまで電気代は上がるのか?
岸田文雄が首相になったのは2021年10月4日

〔記事に戻る→〕 すでに猛暑の気配なのに,今夏はおいそれとクーラーのスイッチすら入れられなくなる。猛暑と生活苦の地獄絵だが,それで体調を崩したら,もっと地獄だ。6月1日からは診療報酬も入院基本料も上がっているのだ。

 せめてうまいもんでも食べたいが,帝国データバンクによると,6月以降614品目の食料品が値上げである。うち,3割が円安による値上げで,要するに自民党のせいだ。

 こうして円安を加速,放置することで,大企業を儲けさせ,そこから企業・団体献金をせしめ,裏金化するのが自民党のビジネスだということを忘れちゃいけない。

 だから,今回もそれを温存し,庶民には円安・物価高を押し付ける。実質賃金は25カ月も下がり続けているのに,その非を認めず,バカげた減税で「デフレ脱却」などとうそぶいている。そんな亡国の戦略を国民が黙認,放置すると思ったら大間違いだ。

 d) ポスト岸田の主導権争いが始まった

 それだけに岸田周辺では一気にきな臭いにおいが立ちこめるようになってきた。国民は愛想を尽かし,その反感の凄まじさを肌でしった自民党議員が右往左往で浮足立ってきたのである。

 今〔6月〕月4日,横浜市議の佐藤茂市連会長が「党の支持率は危機的だ」「2009年の政権交代に匹敵する」「(岸田総裁は)自ら身を引く決断をしていただきたい」とぶち上げたのは周知のとおり。

 青森でも県連幹部の間で同様の意見が出たと思ったら,「待ってました」と動き出したのが菅〔義偉〕前首相だ。6日に都内の寿司屋で小泉進次郎元環境相,加藤勝信元官房長官,武田良太元総務相,萩生田光一前政調会長らと会食。

 「反岸田の号砲か」などと報じられている。政治ジャーナリストの山田惠資氏はこういう。

 「岸田首相は今回の規正法改正で,自民党内と国民の双方から総スカンを食らいましたね。パーティー券購入者の公開基準をめぐって,公明党と妥協したことで党内は “ありえない” と怒っているし,国民世論は本質的な問題にメスを入れなかった姿勢を批判している」

 「岸田首相にしてみれば, “この法案が通らなければどうにもならない” “通ればどうにかなる” と思っていたのでしょうが,成立のメドが立って,むしろ,追いつめられている感がある。ま,解散を封じられたいま,通らなければ,即,いきづまったでしょうが,それがちょっと先送りされただけです」

 「この先,国会閉会後に改造をやるのか,できるのか。つぎに総裁選で誰が出てくるのか,出てこないのか。その時,誰がポスト岸田を主導するのか。菅さんの会合のメンバーには麻生さんの天敵,武田良太氏が入っている。菅さんと麻生さんの主導権争いが始まったという見方もできますね」

 いうまでもないが,そこに国民の視点はない。どうすれば,自分たちがヌクヌクと生き残れるか。自民党にあるのはそれだけだ。そこに国民の本質的な怒りがある。それに気づかない自民党は岸田もろとも沈んでもらうしかない。(引用終わり)

 以上のごとき『日刊ゲンダイ』2024日6日8日記事のいいぶんに共感しないでいられる庶民はいない。

 そこでだが,「小池百合子都知事,12日に3選出馬表明 都議会本会議で 〈東京都知事選挙 2024〉」『日本経済新聞』2024年6月10日 19:01,更新 21:50)という見出しの記事が,昨日6月10日夕刻に配信されていた。この記事につづいては,『東京新聞』がこう報じていた。朝刊のニュースであった。

  ◆ 自民のすり寄り,小池百合子知事にはありがた迷惑? 「不戦敗」避けるため便乗…「蓮舫氏の思うツボだ」◆
 =『東京新聞』2024年6月11日 06時00分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/332665

 東京都知事選(6月20日告示,7月7日投開票)で自民党東京都連は10日,現職の小池百合子氏を支援する方針を確認した。

 裏金事件での党勢低迷で独自候補を立てられない自民は,小池氏に便乗し「不戦敗」を避けたい考え。ただ,出馬表明した立憲民主党の蓮舫参院議員が「反自民,非小池」を唱えるなか,小池氏の周辺では「自民色」に懸念の声も聞かれる。

 このところ,地方選の各種選挙戦で自民党・公明党系やその支援を受けた候補者が軒並みにバタバタと討ち死に的に惨敗している。小池百合子が自民党の支援を受ければ「喜ぶのは蓮舫陣営である」点は,事前に分かりきっている事情。

『東京新聞』2024年6月11日

 いずれにせよ小池百合子は学歴詐称疑惑問題があり,立候補したさいかかげる公報に例の「カイロ大学卒業」を書かないとしたら,これはこれでまた別に「確実に問題」になる。履歴詐称に相当する行為を,小池がまた犯すほかなくなる情勢が「予定された」ごとき経緯になりそうである。小島敏郎が手ぐすね引いて刑事告訴するかもしれない。

 岸田文雄(66歳)より年上,御年71歳である小池百合子はいままで,日本のためにあるいは東京都のために「なにかを貢献しえて」きた政治家だったといえば,まったくそうでなかった,ただの「ネトウヨ的な山師の扇動家」であった。

 小池百合子は「自分という存在」を反省すべき立場にあっても,その意識は皆無。それでもなお,東京都知事の椅子にしがみつき,自分の寿命が尽きるまで生きていきたいのか。それともいま,政治家を引退したら,いままでの虚飾と見栄だらけの「政治屋人生」が,あますところなく棚卸しされてしまうという恐怖を,よく理解しているに違いあるまい。

【参考画像】-小池百合子の自己顕示欲だけは超一流-

東京都のこの知事はこのように
目立つ自分を他者にみせたいがために
知事をやっているに過ぎなかった

 

 ※-4「岸田首相『雑誌報道についてコメントすることは控える』 森〔善朗〕元首相への事情聴取のあまりにもお粗末な実態」『文春オンライン』2024年5月11日,https://bunshun.jp/articles/-/70754(元記事『文藝春秋』編集部『文藝春秋』2024年6月号)

 a)「私から一連の事案と森氏の関係について,国民の関心を踏まえて聴取をおこなった」

 5月10日夜,首相官邸で記者団の取材に応じた岸田文雄首相は,自民党の政治資金パーティをめぐる裏金問題で,4月上旬におこなった森 喜朗元首相への電話による「事情聴取」についてこう強調した。

 だが,この日発売の『文藝春秋』6月号に掲載されている「森 喜朗元首相『裏金問題』真相を語る」では,森元首相がノンフィクション作家・森 功氏のインタビューに応じ,「事情聴取」のお粗末な実態を明かしている。

 そこで森元首相は,岸田首相から裏金問題について具体的な質問はなかったと証言しているのだ。その点を記者団から問われると,岸田首相はつぎのようにはぐらかした。

 「雑誌報道ひとつひとつについてコメントすることは控える」

 「総理は訪米にそなえたい気持ちが強かったのでしょう」

 240分に及んだインタビューで森 功氏から,「(岸田首相から)『キックバックをしっていたか』,あるいは『裏金システムそのものを作ったのではないか』という質問はなかったのですか」と問われると,森元首相はこう答えている。

 「岸田総理からの電話は,『例の問題について,森先生の話を聞いたかどうか,質問が集中しますので,含みおいてください』というような内容です」。

 これでは聴取したというアリバイ作りのために電話しただけと批判されても仕方あるまい。

 b) 森元首相は,岸田首相が4月上旬に電話をかけてきた理由について,こう推測した。

 「総理は早く結論を出して(4月8日からの)訪米にそなえたい気持ちが強かったのでしょう。だから,私にも真実を確認するためにやむをえず電話をかけてきて,それで済んだ,というかたちを作ろうとしたのだと思います」

 ただ,森元首相は一連の裏金問題について岸田首相と電話で話したのは,この1回だけではなかったとも証言している。

 「岸田総理も,私の関与がなかったことについては,だいたい分かっているんです。電話があったのは訪米前が初めてではありません。私に聞けと野党が騒ぎはじめる前から,総理には『私の会長時代には,派閥ぐるみの裏金作りなどありませんでした。それは私がいちばんよくしっています』と話してきました」

 実際,岸田首相は5月10日,記者団にこう語っている。

 「聴取をおこなったが,森氏の具体的な関与は確認できていないと申し上げてきた。この発言はまったく変わらない」

 だが,その聴取の実態は,安倍派の裏金問題の真相に迫ろうとするものではなかった。首相自らによる異例の「事情聴取」も,期待していた国民にしてみれば,まったく拍子抜けするものだったとしかいいようがない。

 「強いてお目にかかることはありません」

 くわえて,岸田首相は国会で,事情聴取が対面ではなく電話になった理由について「日程の都合で直接会うことはできませんでした」と説明してきた。だが,森元首相によれば,岸田首相からは「強いてお目にかかることはありません」ともいわれていたという。

 「総理はこういっていました」

 「『私から森先生に電話した事実をいわなければならない事態になれば,それを公表させていただきます。それまでは,私から電話があったことをおっしゃらないでください』

 私は『承知しました』とだけ答えました。あとは『ご体調はいかがですか』とか『強いてお目にかかることはありません』というようなことをいわれました」

 〔4月〕10日夜の岸田首相の官邸での弁明は,窮地に追いこまれた末のいいわけでしかない。

  ★ 主張が食い違う二人 ★

 c) 240分にわたってインタビューに応じた記事「森 喜朗元首相『裏金問題』真相を語る」は,5月10日発売の『文藝春秋』6月号及び『文藝春秋 電子版』で公開中だ。森元首相は,自身が清和政策研究会の会長を務めていたころ頃に始まったとされる裏金作りについて詳細に語っている。

 さらに,昨〔2023〕年7月,清和研の会長になることを望んだ下村博文元文科相から,2000万円の入った紙袋を持参された際のやりとりの詳細や,今年1月,塩谷立元座長に対して,「(裏金問題の)全責任を取って仲間を救ってやれ」などと説得したことについても明かしている。(引用終わり)

 この森 喜朗という〈自民党の偉大なる残糞:宿便〉も,そもそもが自民党裏金問題の総元元締めの役目を果たしていながら,以上の記述でのように聖人君子面したものいいをしており,さすがに安倍晋三の師匠格の人物であったゆえんを明証したかのように,みずからの立場を告白するような駄弁を弄していた。

 これまで「自民党政権で首相になった人材」には,ろくでもない者しかいなかった。またとりわけ,日本の政治における宿痾になっていた「世襲3代目の政治屋」が多く含まれていた事実も看過できない。

 21世紀になって,日本の首相は以下のとおりに登場していたが,菅 義偉が2世(厳密には世襲2世ではあった)以外は全員,3世の世襲であった。この経緯は,「安倍晋三の実弟,岸 信夫」が2023年3月に国会議員を退くに当たり,息子(信千代)にその「議席を譲りたい」などと,封建遺制的な発言を平然と放っていた事実の背景をなしている。

  森 喜朗  2000年4月5日 ⇒ 2001年4月26日
  小泉純一郎 2001年4月26日 ⇒ 2006年9月26日
  安倍晋三  2006年9月26日 ⇒ 2007年9月26日
  福田康夫   2007年9月26日 ⇒ 2008年9月24日
  麻生太郎  2008年9月24日 ⇒ 2009年9月16日

 〔この間,民主党政権で安倍晋三が「悪夢のような・・・」と形容したが,現在の自公民野合政権は「悪魔のような・・・」と形容される資格が,いまとなってみれば,大いにある。

  安倍晋三  2012年12月26日 ⇒ 2020年9月16日
  菅 義偉  2012年12月26日 ⇒ 2021年10月4日
  岸田文雄 2012年12月26日 ⇒ 現 在


 ※-5「訂正『火の玉』」→『火だるま』」『長周新聞』2023年12月18日,https://www.chosyu-journal.jp/column/28489

 この「コラム狙撃兵」の記事を掲載した『長周新聞』は,この名称から分かるように,故・安倍晋三の地元から発行されている新聞紙である。この記事はウェブ版で無料で読める。

 『長周新聞』のこの記事が記述した岸田文雄「批判」は,しっかり聞いてみる価値がある。現政権の自堕落ぶり,そのどうしようもないほどの腐朽・腐敗は,すでに極致に達したという以上に,もはや救いようがない,どん詰まった地点にまで来た。

 いてみれば即座に,この自民党を解体させねば,この日本,すでに「衰退途上国」の圏域に突入した現状から脱出することは不可能。岸田文雄という「世襲3代目の政治屋」にはその種の危機意識が皆無,不在。

 以下,『長周新聞』に聞く。

 a) 恐らく「火の玉」ではなく「火だるま」の間違いなのだろう。時事世論調査でついに内閣支持率は 17.1%まで落ちこみ,裏金パーティー券問題でのグダグダとした対応如何によっては,今後さらに急落していく気配をみせている。

補注)この「内閣支持率17.1%」とは,『時事通信』が2023年12月8~11日に実施した「12月の世論調査」の結果のことであった。そのとき,岸田内閣の支持率は前月比 4.2ポイント減となり,この 17.1%にまで下落した。

 また,この記述の冒頭で言及した,NHKによる「2024年6月初旬の世論調査」は,この『長周新聞』の意見を重ねて実証する一例になった。

〔記事に戻る→〕 我が世の春を謳歌していた安倍派のみならず他派閥も含めて,自民党が開催してきた政治資金パーティーとは,要するに裏金作りの一大イベントだったことが暴露され,年の瀬も迫るこの時期になって政界は大炎上である。

これは最近のパロディー版
右側の女性は高市早苗

 これらの自民党の裏金作り集団が火の玉になって,いったいなにがどうなるというのだろうか? というか,「進め一億火の玉だ」(大政翼賛会が掲げたスローガン)をもじっているのだろうか? などと言葉の選択に疑問も抱きつつ,岸田文雄の涙目の会見を眺めていた。

 b) 私たちが目下みせつけられているのは,表現としては「火の玉」などではない。「火だるま」状態の安倍派なり岸田政権の姿である。さもしくせこい裏金作りの実態が白日の下に晒されて,なんだか勝手に燃えはじめた。

 世間一般からすると,そんな印象すらある今回の政界汚職事件。20~30年前からノルマ以上のキックバックは慣例で,ずっとやっていた等々の報道もあり,わかっていたくせになぜ,このタイミングで検察や商業メディアはやんやの騒ぎを始めたのか?

 という疑問もあるが,兎にも角にも明らかになった以上,政治家たちの汚職や腐敗は是正されて然るべきである。裏金作りに加担した者たちは1人残らず成敗されて公民権停止まで追いこまれるべきで,しっかりと火だるまになって燃えつきるべきだろう。

 動揺する安倍派の下っ端のなかからは,「政治資金収支報告書に記載しないよう派閥から指示されていた」「しゃべるな! と箝口令がしかれている」等々の不満も出始め,泥船からの脱出劇でも始まったのかと思わせている。

 c) 派閥から恨まれるリスクを背負ってなおそのような嘘をつく必要などないだろうし,恐らく箝口令がしかれているのも事実なのだろう。

 谷川弥一がメモを棒読みしたのがあらわしたように,逃げ口上のコメントまで統一しており,発覚後の対応もまた派閥ぐるみなのである。

 「派閥から記載しないよう指示されていた」についても,1人や2人という規模ではなく清和会所属の国会議員たちの誰1人として収支報告書に記載せず,裏金としてポッケにインしていた事実からして,派閥ぐるみで示し合わせていたことは誰にでもわかる。

 記載すれば裏金にならないのだから,そもそも記載するわけがないのである。そのようにして稼いだ裏金の小遣いを彼らはなにに使っていたのか? 

 領収〔書〕もいらず,なにに使ったのか明らかにする必要もないカネについて,どの事務所であれ会計責任者や秘書が勝手に使うわけなどなく,政治家本人がどのようなカネがいくらあるのか把握したうえ使っていたとみなすのが自然だ。

 表に出るものならまだしも,裏金ならなおさらである。公表できない使い方があるからこそ裏金が必要となり,そのための捻出システムとしてパーティーをくり広げていたのだ。

 d) それにしても,年の暮れになって私たちはなにをみせられているのだろうかという気もしないでもない。

 物価は上がり,食料も燃油も電気代そのほかもみな上がり,暮らしていくのに精一杯という状況が普遍的な昨今。早急に消費税を減税するなり,国民の暮らしを底上げするなり緊急政策を実施すべき政府が,無能というか,自民党は己の懐のキックバックばかり考えている。

 せこい連中の巣窟で,勝手に火だるまになって燃えている。支持率低迷の総理大臣といえば,なにをいっているのかさっぱり不明で涙目になって能面というありさまである。

 さっさと解散総選挙を実施して,自民党にはドロップキックでも食らわせなければ,彼らに自浄作用など望めない。(引用終わり)

 自民党と公明党の,いいかえれば「統一教会などと創価学会のカルト的癒着政権」がろくでもない日本の政治を,このままいつまでも止めないでいるかぎり,この国が現状のごときどん底からはい上がれる可能性はない。

せいぜい,つぎのような記事を書いて当面するこの国の苦境を自慰的になだめるほかないのか? 

 すなわち,「ユーはなにしに」寄稿しているの(?),という印象を避けえない「自己欺瞞中毒症」の文章がはやるのだとしたら,「サンセット途上のジャパン」という国になりだとはいえ,不可解で奇怪な兆候である。


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