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blue_lace_moon
音楽指導 喜怒哀楽の激しい音取り
演奏を完成する時、若い頃は音楽指導の順序がハッキリ決まっていた。
発声から始まり、正確なソルフェージュ、つまり音程、リズムを正確に取る練習。
パーツを組み立てて行くやり方だ。
それが出来てから、合わせに入り、曲想を付けていく。
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勿論、今も音取り、リズムの正確さ、発声は大切だが、それ以上に、歌詞の持つ意味、それに合った声の探求に時間を使う。
音楽は心の叫び。
詩の持つ世界が感じられなければ、いつ迄も平坦な、無味乾燥の世界になってしまう。
練習でも音が発せられた時、命を宿していなければ、それは死んだ音楽になってしまう。
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正しい事を最優先。
それは間違ってはいない。。
しかし、我々の人生は果たしてそれだけで良いのだろうか?
見方や、順序、方法が違っても、やるべき方向と、結果が出れば、は正解は一つでなくても良い。
年齢や人種、性別を超えた演奏が可能になる。
それが個性にも繫がるのだろう。
そして、聴衆の心に届くのだろう。
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この頃、詩を読むと、その世界の色や空気に凄く興味をそそられる。
作曲家も良い詩を探すのを第一に考えるのは、詩の世界によって生まれるメロディーが違うのだろう。
不思議なもんだ。
詩の世界に私に溶け込めば、音楽の強弱やテンポ、楽語の意味する処が殆ど一致する。
作曲者と一体になれる。
合わない所は、何が、何処が違うのかを検証し、その違いに納得すれば、それを表現に積極的に使う。
本人が納得しない曲想では、到底聴衆に届く演奏にはならない。
従って、音取りから音楽稽古が始まるのがベストの方法なんだろう。
心が、熱くなる。
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