すずめの戸締まりが嫌いなただ一つの理由
すずめの戸締まりが嫌いです。それは作中における地震の設定です。
作中で地震は『人々に忘れられた場所廃墟に後ろ戸が出現し、戸締まりしなければ地震が起こる』ということになっています。
つまり『地震というものは防げるものであり、誰かがへまをした結果地震が起きる』と作中では示されています。
この設定がとにかく見ていて不快でした。
「天災」を扱っているはずだったのに「人災」の話になっているのです。
東日本大震災も同様に、我々が東北のことを忘れており、戸締まりをしそこなった結果地震が起きたと言われているように感じました。
ファンタジーと現実をごっちゃにするなと言われるかもしれません。
ごっちゃにするのは僕も嫌いです。ただ、この作品は日本大震災をテーマにしているのだから話が違います。
(原発事故は人災の側面も大きかったと思いますが、それを非難する意図であればなおさらこの設定はおかしい)
「君の名は。」では隕石の衝突自体は防ぎはせず、人々を避難させることで被害を抑えたというストーリーでしたよね。
このアプローチはもう使えない(陳腐化する)とはいえ、「君の名は。」のストーリー構成は素晴らしいものでした。
公開日時点で震災から10年が経過し、震災の記憶が少しずつ薄れているのは事実だと思います。
ただ、同じテーマでもこんな誰かの責任にするような設定で無理やりファンタジーにしなくても、
もっと人間にフォーカスを当てた内容で素晴らしい作品を作れる監督だと思っているのですが。
すずめの戸締まりについての裏テーマや考察等については特に見たことはありませんし、するつもりはありません。
この設定こうしなければいけなかった理由が隠されているのならば、誰か教えてください。
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