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灰谷健次郎『太陽の子』を紹介したい!#感想&紹介vol.1


この度は、数ある投稿者のなかから私の投稿を選んでいただき、誠にありがとうございます。読んでいただいて、もしお好みの文章でしたら「スキ」の評価をいただけると幸いです。


さて、記念すべき第1回コンテンツは「過去に読んだ本の紹介」です。このシリーズでは、ジャンル不定で幅広く紹介をしたいと考えています。ほんの少しでもネタバレを踏みたくない人はご遠慮されたほうがよいかと思います。

本日は、表題の通り『太陽の子』(小説)を紹介します。なぜ1つ目にこのチョイスなのか。それはこの作品のテーマに関係しています。ここ数年で1番胸に刺さったものであり、自分の糧になった小説をピックアップしました。

※注意!
この作品に扱われている題材は「戦争」「死」など暴力的なものがありますので、読書される方によって気分を害されることがあるかもしれません。

灰谷健次郎『太陽の子』(小説)

基本情報

作 者:灰谷健二郎
生 没:1934/10/31〜2006/11/23
ジャンル:児童文学
刊行年:1978年
版 元:理論社
代表作:『天の瞳』『兎の眼』など

※『太陽の子』はメディアミックスされており、映像作品としても楽しむことができます。

あらすじ

ふうちゃんは、神戸生まれの女の子。おとうさんとおかあさんは沖縄出身で、神戸の下町で琉球料理の店「てだのふぁ・おきなわ亭」を営んでいる。やさしい常連さんたちに囲まれて明るく育ったふうちゃんだが、6年生になった頃、おとうさんが心の病気で苦しむようになる。おとうさんの病気の原因は何なのか?ふうちゃんは、「沖縄と戦争」にその鍵があることに気づきはじめる・・・・・・。

灰谷健次郎『太陽の子』角川文庫 内容紹介(裏表紙より)

大切なことに向き合うこと

この作品の主題はおそらくコレでしょう。作品では、歴史と父親の過去にふうちゃんが向き合う。もしかすると、目を覆いたくなる現実を目の当たりにして、辛い思いをするかも知れない。それでも知りたいという彼女の姿勢は、大人子供関係なく胸に突き刺さるのではないでしょうか。

わたしをかわいがってくれる人を、わたしがよく知らないとしたら、わたしはただ、人に甘えているだけの人間になります。わたしをかわいがってくれる人は、わたしをかわいがってくれる分だけ、つらいめにあってきたのだということが、このごろのわたしには、なんとなくわかるのです。

灰谷健二郎『太陽の子』角川文庫 P286L5〜L8

これは、ふうちゃんが書いた手紙の一部です。他者と向き合うために、まずは自分が逃げてはならないという覚悟が込められています。
私のここ数年の読書人生のなかで、1番厳しい指摘でした。これを心掛けられる人がどれほどいるでしょうか。また、意識していても必ずできるものではないと思います。これは私にとって、心の片隅に置いておかねばならない大切なメッセージとなりました。

終わりに

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。私も向き合うことが怖くて逃げてばかりです。この作品のメッセージを受けてもなお、必ず向き合うことができるという訳ではありません。ですが、心掛けることで、少しだけでも自分を変えていかなければと強く歩いていきたいと思います。

ここまで読んでいただいた読者様へ。このように向き合わねばならない時に逃げたいと思うことはありますか?この作品は、向き合う大切さを教えてくれる、厳しくて優しい物語です。もし、逃げたいけど逃げてはいけない。そんなとき、この物語が背中を強く叩いてくれるでしょう。

興味があれば、ぜひ読んでみてください。


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