ぷかぷか浮く 外で寝る 夏のプール
子どもたちは、ずっと見てなくて大丈夫なほど成長した。
子どもが小さい頃、早く大きくなって付きっきりでなくても大丈夫になって、一緒に来てる大人が1人のんびりプールサイドのリクライニングチェアで寝転んで眺めてる、あっち側に行きたいなぁと思っていたんだった。
たまにプールに入って、寝転んで、涼む。そっち側にいつの間にか来ていた。
もともと元気いっぱいの3人はますます体力が付き、その分わたしは年を取って日焼けのダメージから立ち直れない今日この頃。完全防備なのにな。
影ができるところが空いたのでレジャーシートを移動させる。ごめん、ちょっと昼寝してくる……。空気を程よく抜いたビーチボールを枕にして寝転ぶ。ああ、なんか疲れたなぁ。なんの木かわからないけど葉っぱの形が小さめで可愛い。枝を下から眺める。葉っぱって外側にしか生えてないんだよね。当たり前か。木漏れ日。蝉の声。子どもの声。風の音……。
汗だくで目が覚める。喉乾いた。HOTに変化したウィルキンソンの炭酸水。
中学生の長男。いつの間にか大きくなって背も足の大きさも越された。体重は……まだだけど……。カモシカのようにすんなり伸びた脚、筋肉がついてゴツくなり始めた太もも、肩回り。細い腰、無駄な脂肪のひとつなく、筋肉の滑らかな動きがよく見える体。真っ黒に日焼け。若さが眩しい。無限に空中ウォークを決められる体力。3人でいればいくらでも遊んでいられるのね。
しかし、あっつい。プール入ろう。
来し方を振り返りながら、ぷかぷか浮く。入道雲のなりそこないと薄く流れる雲。夕方の程よい明るさ。トンボが飛んでいくのを下から眺める。大きな木々。子どもの声と水に入った耳に聞こえる水音。深呼吸。ああ、肩凝ってるな。でも、わたし生きてる。それだけで充分だわ。
プールが閉まるまでいたから帰ったらもう18時過ぎてる。ご飯作る元気ない。お昼食べたあとの片付けも終わってない。のろのろと洗い物してたら、こないだ『なんもしてないんだからそれくらいやってくれよ』と言われて爆発したあと大人しくなった夫が、作るのしんどいんちゃう? 大丈夫? と珍しく気をつかってくる。……しんどい。ムリ。食べに行くか? …………。皆で買いに行く? …………ムリ、なんもしたくない、ごろごろしてたい。コーヒー飲みたい。人をダメにするクッションに不貞腐れて大の字になって寝てやる。
疲れたんやなぁって言って、結局夫が買いに行ってくれた。握り寿司でいい? うん。サーモンの寿司買いたいからと元気な三男もついて行った。ありがとうありがとう。長男は冷凍庫常備のピザ、次男はカップヌードル食べたい! 了解。お母さんちょっと元気出てきたわ!
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