鄙びた温泉ホテルの日帰り利用の良さ
スーパー銭湯ばかりは飽きてきた。ちょっと足を伸ばせば、鄙びた温泉ホテルがあるものだね。
Googleマップで見つけた温泉ホテル。クチコミを読み込む。古くて賛否両論っぽいけど、地元の人から愛されてる感あり。
ちゃんと温泉。というか、温泉が湧いたからホテルがあるんだな。周りには目立った観光地はないもの。みるから古い建物。ザ・昭和。たぶん昔は社員旅行とかで使われてたんじゃないかな? 外部利用できるレストランがお座敷っぽい。地元の人も親戚一同で宴会してそのまま泊まる場所として使ってそうだ。
休日、家族でちょっとした資料館の見学と屋内プールを利用したあと訪れた。
昭和レトロなホテル。駐車場への坂道、駐車する場所ともに狭い。古い我が家の駐車場もだけど、昔の車って小さかった? 夫がまあまあ運転上手で助かった。私一人なら無理だな。むりむり!!って言いながら何度も切り返す羽目になるだろう。
玄関の重そうな古い自動ドアの音。バコっと閉まる靴箱のロッカー。スリッパと少し色の褪せたタイルカーペット。玄関入ってすぐのフロント。フロントには説明の貼り紙やラミネートされた紙が置かれてる。奥の棚にちょっとした有名人の色紙が何枚か飾られている。フロント向かいの壁にはガラスの飾り棚に剥製や置き物やなにやらたくさん。昔よくあった重厚な木製の柱時計。大きな壺。古いけど座り心地の良さそうなソファ。昭和だぁぁ! 情報量が多いぞ。
フロントのベテランそうな男性にお風呂の日帰り利用と伝えて、更衣室のロッカーの鍵を受け取る。ちゃんとクレジットのタッチ決済はできるんだ。
フロント周りのお土産コーナーを物珍しげに見回ったあと(実に普通の品揃え)、狭い階段を降りてさっそく温泉に行く。エレベーターもあるけど、昔の建物によくある小さいエレベーターだ。階段を降りたら右と左にそれぞれ男湯女湯ののれん。夫と息子3人と分かれる。では、ごゆっくりね!
思ったより広い更衣室のロッカーは古い市民プールみたいだ。足元はフロントと同じくタイルカーペット敷き。プールと違って濡れた感じはない。お風呂場までのちょっとした廊下のバスマットのおかげかな。この古い感じ、嫌いじゃない。懐かしい感じがする。鏡の大きな座れる洗面台に、ドライヤーや化粧水がいくつか並んでる。ちょっと座れる椅子。ちゃんと冷水機と小さなコップも用意されてるし必要十分だ。
スーパー銭湯に慣れた身には風呂はちょっと狭めだった。でもこちらも必要十分。何種類かの内風呂、水風呂、サウナ、壁一面の洗い場。ひとつのシャワーにつき風呂椅子と桶が2つずつあるの、家族向け感が増してる。私は1人だから悠々と全身を洗う。今ごろ男子チームは4人で2つのシャワーを陣取ってるのかな。今日は忘れずにシャンプーセット持ってきた。あまり泡立たない、髪に優しい香りの強すぎないシャンプー類とアロマ系の固形石鹸。家では牛乳石鹸だけど、外のお風呂のときはここぞとばかり自分へのご褒美石鹸を使う。いい香りだ。
更衣室の貼り紙によれば露天風呂のみが温泉らしい。まず露天風呂に入ろう。狭い通路を抜けて階段をおりたらそこは温泉であった。こちらもあまり広くはない。岩から湯が流れてる。外に流れる湯はないから循環させてるんだろう。見るから温泉感のある濁り湯。残念ながら少し塩素の匂いがする。
ぬるめの湯。ちょっととろりとしている。唇についた湯を舐めたらわりとしょっぱい。深めの風呂。庭に面してて、高い立派な木の屋根のもとゆっくり湯に浸かる。五感で温泉だとわかる湯だとありがたみが増すね。こんな古い温泉ホテルでもやっていけてる理由がわかった気がする。いい湯だ。
ぎりぎり限界まで浸かりのぼせてきた頃、小学生がきゃいきゃいと何人かでやってきたのでちょうどいいと内風呂に戻る。露天風呂が良すぎたから内風呂は全種類は入らなくてもいいや。ジャグジー風呂と水風呂に少しだけ浸かり、シャワーをして出る。冷水機の冷たい水が美味しい。いいお風呂だった!!
日帰りだけど、近場だけど、ちゃんとした旅行気分を味わえた。Googleマップを彷徨って古い温泉ホテルを探すのにハマりそうだわ。