胃カメラ体験を言語化する noteを始めて観察力が上がってる?
年に一度の胃カメラ。まだ今年で3回目だけど。
前回も前々回も緊張してたのかどんな流れだったか朧げだけど、今回は記事にしてみようと思って観察してみた。
待合室。同意書にサイン。看護師さんが持ってるクリップボードのプリント、去年の情報っぽい。鼻の通りをよくするスプレーをしてくれる。
去年右鼻でしたけど今日もそちらで?
はい。
そっか、前は右だったっけ。少し顔を上げて鼻からスプレー。2.5mlのシリンジの先端にスプレー状になる何かが取り付けられてる。ほんの少し鼻の奥がツンとして生理的にちょっと涙ぐむ。プリントの鎮静剤の量が見えた。3mg! なるほど、実に適量な感じする。それにしても私ミダゾラム3mgであんなに爆睡する人なのか。(*麻酔科医として投与した経験。個人差が大きく5mgでも寝ない人もいる。明細に薬名が記載されるのでミダゾラムを使ってるのは知ってた)
喉に落ちてきたものは飲んでもらって大丈夫です。
鼻の奥から喉へ少しだけど流れてる。あまり量はないけどコクっと飲み込む。匂いも味もない。待ってるうちに鼻の通りが良くなった気がしてくる。
処置室に呼ばれて、ストレッチャーに座る。
胃の中の泡を消す薬です。全部飲んでくださいね。
看護師さんの表情と喋り方が優しい。絶対Fの民。朝から絶食で2時間前に飲水しただけなので紙コップ1杯くらい難なく飲む。かすかにイヤではない薬の匂いがする。味はするかしないかぐらい。
ストレッチャーに仰向けになる。ちょっとベッドの高さ上げますね、と言われてぐるぐる手で回して高さを上げてるのを揺れながら感じる。回す側のときは考えたこともなかったけど、これ原始的だよね。あの、あれ、昔の車の窓の開け閉めをぐるぐる回してたのと同じ仕組みなんでしょう。まぁ電気が不要なのでしょうがないのか。
右鼻から局所麻酔のゼリーを2.5mlのシリンジで流し込まれる。同じく喉の奥に流れたものは飲み込む。少し美味しそうな甘い香り。ゼリーが通り抜けたあとしばらく喉の奥にヒリヒリとした痛みがある。ゼリーを飲み込む。じわじわと局所麻酔が効いてきて粘膜の表面が鈍くなって腫れぼったい感じがしてきた。今回観察のために注目してるからかやけに気になる。
採血と鎮静剤を入れる注射をどちらの腕にするか聞かれる。私の肘の静脈はどちらも優秀で血管がふくっと盛り上がり皮膚は薄く青々と見える。どちらかと言えば右の方が2本並走して血管径が太めで採血しやすいか。胃カメラは左側臥位でするようなので、右の方がやりやすいのかな? 右の方が太いかも、でもどっちでも大丈夫です、と見せてお任せする。
左上腕に血圧計、左の人差し指に酸素飽和度モニターのクリップを取り付けてくれる。鼻の通りが良いか先生が確認してから採血と鎮静の注射をしますからね、と説明される。ちょっと緊張してるのが表情で出てたのか、ドキドキしますか?と聞かれる。やっぱり緊張します、と頷く。
先生が来た。こんにちは、と声をかけられたか。こんにちは、よろしくお願いします、と答えるけど、ちょっと声が出にくい気がする。鼻の通りが悪くないか、先端に局所麻酔のゼリーが塗られてるっぽいカテーテル状のものを右鼻に差し込まれていく。ちょっと奥に狭いところがあるけどすんなり通る。痛くはない。鼻からぴょんとカテーテルが出てるのに笑ける。
大丈夫そうですね。と先生が言ったら、看護師さんにしっかり左向きになるように、と手伝ってもらって横向きに。タオルケットをかけ直してくれてる。右肘の静脈から注射。
もうひとりのベテランそうな看護師さんが注射をする役のようだ。ああ、この人、注射上手そう……。駆血帯を巻くのにちょっと腕を上げて、親指を内側に握り拳を作るのを促されて慌てて握る。
チクッとしますよ〜。
細そうな注射針。何ゲージなんだろう? 感覚的には21〜23Gくらい? そこまでは見えなかった。採血のあと、手を楽にしてくださいねと言われて鎮静剤が注入されていく。入ってくるときちょっと冷たさを感じる。針を抜いてくれたところまでは意識があった。今回眠るのに抗ってみようかななどと考えてたけど完全に意識はなくなった。
なんだか夢を見てた気がする。気づくと、ストレッチャーに横になったまま隣の観察室?に運ばれてカーテンに囲まれてる。鼻だけ出してたマスクはちゃんと鼻まで戻されてるし、血圧計は外されてる。左指についてた酸素飽和度モニターのクリップは右手に。目の前にナースコールのボタン。うむ。何にも覚えてない。なんか一応説明されたような気もするし返事もしたような気もするけど夢か現か。素晴らしいな鎮静薬。友人はあんまり鎮静薬効かないらしく胃カメラやってる間、画面ガン見してるらしいけど。個人差の大きい薬だ。
ちょっとまだ眠い気もするな、とぼーっとしてると、1時間経ちましたけど、どうですか? 大丈夫ですか〜?と外から声がかかる。大丈夫です。では座って5分経って大丈夫なら終わりにしますからね、と説明される。起き上がると少しくらりとするか。まだ薬残ってる感じはある。ま、もう大丈夫でしょう。待つ。
5分経って立ち上がって、診察室で呼ばれるまで待合室で待つ。診察室で胃カメラで撮った写真の説明を受ける。うむ。こんなにたくさん撮ってくれてたのに全く覚えてないな。大きな問題なく。ピロリ菌の除菌後で萎縮性胃炎は残ってるので1年に1回検査はしてください、と今回も説明される。また来年。
来年の胃カメラの前にこの記事をまた読もうと思う。ここまではっきりと流れは覚えてないと思うけど、言語化したから意外に覚えているかもしれない。1年後検証してみよう。