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行政担当者向けキックオフ講演
X市の5歳児健診に関わる行政担当者向けの講演を行なってきました。
5歳児健診の連携となるとお子さん(保護者)、保育園、小学校の関係者との”3方良し”連携が言われますが、行政も含めた ”4方良し” の体制構築が必要だと感じています。
5歳児健診は、医師や保健師、心理士といった現場レベルでは、発達障害の早期発見と早期療育の開始を目的としています。
一方で、そこでピックアップされた児についての療育や診断に掛かる費用は行政負担となります。私が関わっているX市においても、それらに関する費用が肥大化しているという課題があります。
その背景には発達症への意識の高まりと保護者の過剰な要望から、明らかなオーバートリアージが行われているのも事実です。
5歳児健診の目的はもちろん発達症の早期のピックアップにありますが、行政側から言えば昨今肥大化している発達関連支出の適正化していきたいという思いもあるように感じとれました。
ここでの適正化とは単なるコストカット的な削減という意味ではなく、必要な人に必要な支援のリソースがいきわたることです。ここに貢献していくことがが5歳児健診に関わる医師の役割の大きな一つとなっています。
5歳児健診を単なる医師の出務と捉えず、メタの視点から地域の子育て支援に協力していくという姿勢が求められています。
初夏からの実施をめざす5歳児健診が、”4方良し”のものになるように頑張っていきましょうというのが、今回のメッセージでした。