ツバサをください 2 【3歳児検診】
これは、お母さんから聞いたことなんだけど。
赤ちゃんには検診って言うものがあって、体や脳に異常がないかどうかを、お医者さんや保健師さんに診てもらう為に集まったりする年があるんだって。
僕が三歳児検診の為に、子供館に連れて来られた時。
周りの子たちが、大人しくお母さんやお父さんに抱っこされたり、膝の上に座って絵本を読んで自分の番が来るのを待っている間。
その「三歳児検診」をする場所、子供館の広いホールで、僕は駆け回って大笑いをしていたんだって。
そんな子が、僕を含めて、3、4人いたって、お母さんは言っていたよ。
お母さんは、なかなか捕まらない僕に、困った気持ちと、周りの迷惑になってはいけない、と言う気持ちから、大きなバックからスリングを出した。
僕が大好きなスリング。
そして、もうすぐ3歳になる僕のことを、スリングって言う抱っこ紐で包み込むと、ユラユラ揺れながら順番を待つことにしたんだって。
3歳にもなると、抱っこ紐で抱っこをされている子はほとんどいない。
それに、僕は生まれた時は4000gもあって、3歳では大きい方だった。
お母さんのスリングは、ちょっと特別で、かなり大きな子まで抱っこ出来る仕組みのもので、沢山探してお気に入りを見つけたのだと僕に教えてくれたよ。
ー 恥ずかしくないよ、抱っこがいいなと思ったら、いつでもしてあげる。大丈夫。お母さん、ここにいるんだ、そう感じたい時、あるよね。
「沢山人が居て、慣れなくて、テンション上がっちゃったよね。夕陽は笑っていたけれど、それはパニックを起こしていた状態なのよ。本当は、困っていたの。混乱していて、表に出す感情がチグハグになってしまうことって、大人でもあるから、心配しないでね。だけど、今は静かに待つ時間なの。だから、そんな時は、走り回る前に、笑いだす前に、落ち着けるアイテムを選ぼうね。眠る時一緒のぬいぐるみも、お気に入りのバスタオルも、お母さんの抱っこも、ちゃんとあるからね」
ここで受けた診察で、僕は背をはかる道具を怖がって激しく泣いてしまったり、歯医者さんが口の中を診てくれる時に、長い横になる椅子に寝っ転がっていられなくて、看護師さんとお母さんに体を抑えられて、なんとかクリアしたり、けっこう大変だったみたい。
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