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過去のトラウマとの向き合い方

明るくて楽しいばかりの、元彼には、実は、私と付き合う前に辛い出来事があった。
高校卒業後すぐに友達と、雨の日にドライブ中に、信号機のない道路で、人をはねて死なせてしまったらしい。
はねてしまって人は、酔っ払っていて、完全に過失があったが、運悪く、彼も友達とたまたま食事の時に飲もうと言うことになり、少しだけビールを飲んでいた。未成年の酒気帯びとなると100%運転手が悪くなる。

同乗していた彼の高校の同級生は、全ての責任を追わせ、その後一才連絡を取らなくなったと言う。
彼を救ったのは、職場の仲間たちで、彼の罪を和らげようと、何百人もの署名を集め情状酌量を望んだ。
その頃は過失運転致死傷もないため、酒気帯びの罪は、免許停止だけで済んだ。相手の家族からも、飛び出したことの過失があることから、特に罪は問われずに済んだと言う。今、そんなことがあると大変なことにになるとは思うが、彼は、高校時代の同級生をなくしただけで社会に復帰できた。

それから数年後、免許を再度取得後に私と出会った。
過去に起こしてしまった罪は知らずに私と付き合った。この事件については、かなり親しくなってから、聞いた。

その時私が感じた事。
彼にとって、過去のこの事件は、友達を亡くしたことが重きだったのではないのか。それ以来彼は、3人以外の高校の友達とも会い辛くなったらしく、私に紹介する友達も、小中学校の友達や、看護師、職場の仲間で、高校の友達はいなかった。聞くと、「もう裏切られたくないから」といった。それだけ彼のトラウマであったと思う。
トラウマの向き合い方って人それぞれあるとは思うけれど、友達を亡くした事もトラウマだろうけど、人を死なせてしまったことの方が大きなトラウマじゃないのかと思った。でも、彼からはその言葉は、あまり聞かれなかった。

それは、彼の運転はとても荒かった。
優しくて皆んなに好かれる彼からは想像できなかった。まさにハンドルを持つと変わってしまう。
渋滞している時にはイライラするし、煽り煽られ的な事も、した。その度に、彼には言えなかったけれど、この事件は彼にとって何だったんだろう。過去の過ちを二度と繰り返さない行動をすべきじゃないないのかと考えていた。何度か冗談っぽく言ったことがあるけれど、この事件自体あまり話したがらず、友達経由で聞いたこともあり 深掘り出来なかった。別れ間際に、彼に別れの原因を聞かれた。他にも理由はあるけれど、理由の一つにこのことがあると話した。この事をはじめて話した彼は何て思ったのだろうか。
その後、過失運転致死傷や、煽り運転での事故など多くのニュースを目にするたび、彼のことを思い出す。

過去のトラウマの向き合い方は、人それぞれ違うけれど、本当のトラウマに関して、第三者が口を出すのはとても難しい。でも、本当に向き合って欲しいのであれば、勇気を出してアドバイスをしてあげるのもいいのかもしれない。

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