桜杏

波瀾万丈って一言で言い表せないほど、色んな経験をします。 過去の自分を振り返って、毎日、少しずつ書いていくので、フォローよろしくお願いします🥺

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最近の記事

シンデレラ卒業

別居婚を始めて、自閉症の息子を1人で育てなければならなくなった。 ルーチンの、隔週日曜日の温泉だけは大吾が続けてくれていたが、それ以外は自分が面倒を見る事になる。 それまでも、当たり前のように子供達のお世話と、仕事に追われてきた。たまの息抜きの飲み会も12時までのシンデレラ。少し時間をオーバーして、家から閉め出されたり、ドアの隙間から細粒スプレーや、お湯をかけられたり不自由な生活をしてきた。 この不自由さを解消するべく、福祉サービスを最大限活かす事にした。毎日放課後デイサ

    • 小旅行②

      ホテルに着くと先生が立っていた。沢山の呼び出されたであろう子達の荷物がロビーに並べられていた。何十人の保護者が犠牲者なんだろう。そう思いながら先生に話しかけた。 「ご迷惑おかけしました。でも、ここまでする必要あるんですか?」一言言わせてもらった。横で他の親も同じ様なことを言っていた。皆んな思うことは一緒と少し安心した。 少しすると息子が出てきた。怒られると思っているのか神妙な顔をしていた。先生が、「自分のしたことで親にも迷惑かけたんだからな。」と最後にまた説教をした。「ご

      • 小旅行

        父親と勘当中の息子は変わらず進学校に通っていた。 明るくて友達も多い息子が、まさか、勘当中の身とは誰も知らなかったと思う。 そんな中、息子の学校で、2泊3日の宇宙センターに行く行事があった。 2泊3日送迎やご飯の世話が1人分減るのは、ありがたい。もう1人の息子もショートステイに入れて、早速友達と連絡を取り合う約束をした。 ランチに間に合う様に身支度をしていたとき、携帯がなった。見慣れない電話番号からだった。 出ると「お母さんですか?」学校からの電話だった。「実は、禁止され

        • 究極の選択

          大吾が暴れて、パソコンはなんとか無事で、ほっとした。でも、息子からしたら、相棒と言ってもいいほどの、携帯と、Switchは奪われたままだった。 取り戻すべく大吾にラインを送った。 「本人も反省してるから返して貰っていいかな」 大吾からは返信が、「ボコボコにされていいなら取りに来いと伝えろ。」だった。 よーく考えてみても、ボコボコに殴られるような事をした覚えはないが、確かに約束を破るのはよくない事だし、謝りに行こうと息子に言ったけれど、「嫌やし、なんでこんな事されないかんか

          亀裂

          大吾と別居生活をして半年ほど経ったある日、大吾が子供達を食事に連れていくからと言った為、私は友達と食事に行く約束をして出掛けた。 友達との話も弾み、二軒目に行ってすぐに、娘から電話があった。「家がめちゃくちゃになった。早く帰ってきて。」「どういう事?」「パパが、キレて暴れた。」「なんで?」居ても立っても居られない状況になり、友達には悪かったけれど、すぐに家に向かった。 帰宅途中、公衆電話から電話があった。息子からだった。「ゲームをしていて、ご飯を食べに行くのを断った。お姉

          不安定な生活

          大吾との口約束の生活費10万円は、半分の5万円一回で見事に断ち切られた。 家賃20万円の補助にしようと思っていた支援がなくなると、生活そのものが危ぶまれた。 田舎に引っ越すと、近所にいる母親の支援が受けられないし、引っ越しにもお金がまたかかるし、子供達の通勤方法もまた変えてしまうのも可哀想なのでそのまま続けていくしかない。 貯蓄を家賃補助に回して、生活費、教育費は私の給料から払ったいくしかなかったので、急に生活が困窮してきた。のはずが関わらず少しばかり貯蓄があることを言い

          不安定な生活

          聖域

          別居生活を始めても、長男の日曜日大吾と温泉というルーティンは、変わらなかった。 隔週日曜日大吾が、長男を迎えに来ていた。 インターフォンが鳴って大吾がモニターに映り、ドアを開くと入ってくる姿が映る。 2階なので数十秒で、玄関のドアが開く。その後躊躇することなく、ズカズカと部屋の中に入ってきて、娘の部屋を開け、次男の部屋を開けて中を確認する。 ひとしきり家の中を見渡して、長男を連れて出ていく。 最初は違和感なく受け入れていた。 1ヶ月過ぎたあたりからか、ズカズカと入ってこら

          それぞれの生活。

          新居と前のマンションは、歩いて5分ほどの距離だった。そこからさらに2.3分な所に大吾が引っ越す予定の事務所があった。 私たちが引っ越してから2.3ヶ月はまだ前のマンションに住んでいいという契約だったので、運びそびれた荷物はゆっくり運ぼうと思っていた。 私が車通勤をしていた事もあったのと、引っ越し先のマンションに駐車場の空きがなかったという事で、毎日、前のマンションに車を取りに行って通勤する生活となった。 通勤帰り少しずつ片付けたり、物を持ち帰ったりしていた。1週間過ぎた

          それぞれの生活。

          引越しの日

          引越しの日は、大吾はタイ旅行に行っていて、私もまさかの研修が入り、荷物をまとめ、新しいマンションの間取りに合わせた家具の配置表を母に託し、研修でが終わってすぐに駆けつけた。 丁度、荷物を運び出し、新居に荷物を運び入れる所で帰宅することができた。 新居は、3LDKでそこそこ広い間取りではあったが、家族4人分の荷物を運び入れると、狭く感じた。マンションの中で走り回ったり、踊ったりしていた贅沢なひと時は、もうここにはないことを実感した。 それでも都心に近いマンション、家賃は20

          引越しの日

          別居婚

          別居婚が決まって引っ越すまでの間、本当にいいのかと何度も大吾に確認した。頭の隅には2人とも離婚の文字もあった。沖縄から帰ってきた時には、絶対離婚してやると思っていたけれど、子供3人1人で育てるのは勇気がいる。大問題なのがお金問題、大吾が養育費を払ってくれる保証がなかった。ならば、別居婚でやり過ごすことが、お互い楽だったのかもしれない。 しかし、まさか実行するとはと思っていたと思う。引っ越し屋の段ボールが届いても、一切別居に触れなかった。引越しの日も伝えたが、その日が前から決

          贅沢病

          家を決めるにあたり、ほんと私たち家族が、贅沢病ということに実感させられた。 田舎には行きたくない、1人一部屋がいい、古いのは嫌だ。みんなそれぞれ贅沢なリクエスト。 そんな物件を探すと、今払っているローンより高い物件しかない。 それならば何故売るんだっていうもどかしさがある。 郊外だと半額くらいで借りれて、もしかしたら自閉症の子も、のびのびと育てられるかもしれない。 だけど気乗りしない。 大吾や、子供達のせいにしているけれど、結局は自分も踏み出せない。結局不動産が勧める物

          交わることのない線

          勝手にマンションを売ってしまったからには、その後の事を考えるしかない。 とりあえず、大吾に、会社の為に、家族のお金を使うのはやめてほしいと言った。すると、この間売った金はお前に渡したから、今度、マンションを売って入ってくる金は会社の運転資金にする。と言って聞かなかった。 でも、わずか半年余りで、800万円程会社にと言って使っている訳で、もしも、マンションを売ってお金が入ってきても、出て行くお金が大きいとそれもすぐなくなる事、たまたま、マンション売却でお金が入ってきて乗り越

          交わることのない線

          家なき子

          マンションを、売ると賛成したわけではなかったが、不動産情報には、うちのマンションが売りに出されて落ち着かない日々が続いた。 時々内覧に夫婦でやってきて、その都度部屋の掃除をして迎え入れるのが面倒だった。 立地、間取り問題ないけど、値段が。。もう少し安くなりませんかという問い合わせに首を振らず、半年程過ぎていった頃、東京から1人の男性が内覧にきた。 その日は、私がいなかったので、大吾が内覧に立ち会った。その頃には、片付けるのも面倒でありのままの我が家を見せることで、買い手も

          家なき子

          同窓会

          大吾の地元の高校の同窓会のお知らせが家に届いた。 何十年ぶりの同窓会、どうしようか迷っているようだったが、行くように勧めた。 女だったら、同窓会は、少しでも綺麗な自分をお披露目したいと思い、美容室に行ったり、おしゃれな服を選んだりするけれど、特に気負いなく大吾は出かけて行った。 楽しめるのか?と言いながらも、最終の電車まで楽しんで帰宅した。帰宅後も珍しく饒舌だった。 「同級生が地元で歯科医になっていてびっくりした。 結構稼いでるんだらうけど、そいつに、会社を経営している

          ルーティン

          自閉症の息子は、言葉のキャッチボールは出来ないけれど、自分の要求は、言葉で伝えてきた。特に食べ物に対する要求が多く、自分の中のブームの料理を朝のうちから伝えてきて、それ以外の食べ物は受け付けてくれなかった。 そんな息子の外出のルーティンが、金曜日に、某有名パスタチェーンに行くことと、日曜日に、家から1時間弱の所にある温泉施設に行き、その前後に食事をするという事だった。 金曜日のパスタ屋は、なぜか私と、日曜日の温泉はなぜか大吾と行くと決めていて、仕事でいない時以外は必ず毎週

          ルーティン

          お金の使い道

          大吾の事業は、低迷が続いていた。 2人の子供を、私立の中高一貫校に通わせている事と 、自閉症の息子の福祉サービスを受けたりと、月に20万円近く教育費がかかっていた。 その頃は、大吾が家のローン、光熱費などを支払っていて、教育費と食費は、私がメインで支払っていた。 大吾からは月に10万円だけもらっていたが、私のお給料は、教育費と食費で消えていた。 貯金といえば、前のマンションを売ったお金。それだけは死守しないと、これから先の大学までの教育資金がなくなってしまう。 一応売っ

          お金の使い道