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中学受験 パート3

1月後半の土曜日、天気予報は雪だった。
学校は、特急電車で30分、そこからバス15分ほどのところにあった。

雪の予報を受けて、前日ホテルに泊まっても良かったが、全国から受験生がやってくるため、近隣のホテルは満室だった。

夜、空の様子を伺いながら、ほとんど眠れない中、始発で学校に向かうことにした。教室は暖房は付いているとは思うが、学校に行く道中絶対に寒いだろうと思い、防寒対策をしっかりさせて、2人で特急が停車する駅まで向かった。

数年前に積雪で歩いて学校まで向かうということもあったと聞いていた。バスが動くかどうかの気が気ではなかったが、さほど積もってはおらず無事に学校に着いた。

学校に着くと、一年前に見た景色が広がっていた。
ただ、違うのは、あちらこちらに知った子がいた。
みんな頑張れという気持ちの中、緊張してるのかしていないのか、友達と無邪気に話している息子を見ていた。

「えいえいおー」と言った後に、息子の背中を見送った。保護者控え室として体育館が開放された。
学校の周りには何もないためそこで待つ保護者が多かった。5時間以上の待ち時間、気が気じゃないし、時間も経たないような気がするなと思っていたら、同じ塾の保護者夫婦が、モーニングを食べにタクシーで行くから一緒に行かないかと誘われた。

その夫婦はご主人がとても熱心な方で、毎週のように塾長と面談をしていたため顔見知りになっていた。
一緒にモーニングをしているモールまで行き、夫婦と私3人で食事をした。
ご主人は気さくな方で、仕事の話とか旅行の話とか色々話をしてくれた。

ひとしきり話をして、戻ることになったが、そのモールで私はしばらく過ごすからと言って、夫婦とはそこで別れた。ご主人を見たのはこの時が最期になった。。

2人と別れた後も気が気ではない。モールも、開店時間前だったので、外に出ると道向かいに映画館があった。
そこでは、ボヘミアンラプソディが上映されていた。
運良く10分後くらいに上映だったのでチケットを買い1人でカフェラテを飲みながら映画を観た。

クイーンは、H君が好きで、20代よく聞いていた。聞いなれた曲を心の中で一緒に歌っていると、少し気分が紛れた。

外に出ると雪が少し降っていた。行きはタクシーで来たけれど、イヤフォンでクイーンの曲を大音量で聴いて鼻歌を歌いながら、学校まで歩いた。

学校に着く頃になると、大雪が降り出した。
試験が終了した子供たちが、ちらほら外に出て来た。

10分程経った頃息子が友達とニコニコ話しながら出て来た。私を見つけると「結構できたかもしれない。」と言った。校門では、解答速報が配られていた。それをもらい帰宅しようとすると、更に雪が激しく降り出した。

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