上手な子は地味なプレーも上手い
昔の日記から
子育て最中の方にご参考まで
何気なくこなすから見逃さないように、地味なプレーからもきちんと成長を見てあげよう。
4,5年生の大会で
下の子が通うクラブの4,5年生の大会があった。このクラブの4,5年生の試合はとても面白い。高いレベルの技術を観戦者に披露してくれる。本当に楽しそうにボールを操りボールをゴール前に運ぶ。親の間でも「面白いよね」とか「あの子上手い」とか楽しい話題になる。フェイントとかループシュートとかきれいなワンツーが決まったときなどは観戦者は拍手をする。
アウトサイドでトラップ
誰でも分かる派手なプレーは注目を集めるが、上手な子たちの地味なプレーも大好きだ。表現力が下手な文面でお伝えすることは難しいと思うが先々週見たふたつの地味なプレーを紹介する。
まずは4年生の足のアウトサイドでのトラップ。味方ボールでボールは右サイドバックに渡った。その前には大きなスペース。そこにタイミング良く入り込んだ4年生MF君にグラウンダーのパスが少し遅れ気味にでた。遅れ気味というのは大きなスペースに敵も気づき敵も近づいてきたのだ。4年生MF君にその敵は体を寄せてきた。MF君は当初トップスピードで前を向く予定だったようだが敵が寄ってきた瞬間、急にブレーキをかけ敵との間に半身で体を入れて右足のアウトサイドでさりげなくボールを止めた。強い難しいバウンドのボールを何気なく一番難しい部分でワンタッチでボールを止め突破よりキープを選んだのだ。そして、ブレーキが利かなかった敵との間にスペースが生まれたので前を向いてドリブルを開始した。「まいりました!」と私は彼に言いたい。
二人抜きトラップ
もうひとつは野菜嫌いな5年生フォワード君の二人抜きトラップ。プレーの始まりは相手ボール。中盤で敵が横パスを繋ごうとしたときパスがぶれてこのフォワード君と敵の間に転がってきた。フォワード君は足はあまり速くない。取れるかどうかは半分ぐらいの確率だが彼は果敢にボールを取りに行った。ボールがぶれたことによってもう一人の敵もフォローに回ってボールの周りはフォワード君の周りに二人の敵。フォワード君は利き足の右足で取りに行き、ぎりぎり競り合った一人の敵より早く触った。触ったワンタッチでもう一人の敵の前方向にボールの進路を変えた。そこにもう一人の敵が足を出してくる瞬間、フォワード君はカットした右足を軸足に次に出した左足でボールをタッチし右方向にボール方向を変えた。2歩ツータッチで二人抜き。明らかに彼は二人を狙った。見ていた私は腰が抜けるような驚きだ。最初のギリギリ無理な体勢で競り合ったワンタッチで二人目を誘ったプレーだったのだ。
上のふたつのプレーはどちらもゴールから遠いところで見られたプレーである。地味なプレーだが高い技術を持った子どもでなければできないプレーだ。
大人はこんなプレーにも気づいてあげよう。拍手を贈ろう、ナイスプレーと声をかけよう。サッカーはシュートやセービングのようなゴール前だけのプレーが全てではないから。 子どもを怒鳴りちらして昔のサッカーを教えている指導者にお伝えしたい。上のふたつのプレーは何をベースに行われているか考えて欲しい。これらのプレーは大人が教えられないのだ。教えてできるものではなく、かつ反復練習から生まれない。
子ども達自身の判断がベースの地味なプレーは見ていて楽しい。その難しさがわかるようになると寒空ので行われる子どものサッカーの観戦も週末の生活の楽しみのひとつになる地味なプレーも見てあげよう。
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